最初はSAH

2000.11にくも膜下出血(SAH)発症。無事後遺症もなく生還。今興味あること:脳のこと,教育のこと,テニスのこと

曖昧語

2005-11-18 17:54:25 | 医療と健康
若者間でよく使われる曖昧語。
‘ビミョー’‘…かも’‘…みたいなー’
‘ってかんじー’‘…的にはー’等のコトバを
サラリーマンや年配の人たちも
使うようになっている。
ということは、曖昧語は、
人間関係をスムースにする上に
大事なものだと、認められてきている
ということだと今朝のテレビで言っていた。

確かに私のようなオバサンでも、
‘ビミョー’‘…かも’
なんてコトバを結構便利に使っている。
曖昧語はグサッとくるような
きつい感じを与えずに
相手に意志を伝えられて、
良い面は確かにある。
しかし、「はっきり言ってよ!」
と言いたくなることもよくある。
家族に「今日、夕飯何がいい?」と聞いて
「トンカツでいいよ」といわれると
「『トンカツ
いいよ』って言わないで、
『トンカツ
いいよ』って言ってよ」
なんて言いたくなる。
言うほうは<トンカツがいいけど、大変なら別のものでもいいよ>
というような相手を思い遣る気持ちも伝えているんだろうが、
聞いた方は「何でもいいよ、別にあんたの料理に期待してないから」
といわれたように感じる。

まあ、こんなことは、大した問題ではない<笑>が、番組の中で
医師が、ガン告知をする時に曖昧語に注目しているような話をしていた。
医師の話し方、態度は、グサッと来る度合いも
ちょっとやそっとではない。

私のホームページの掲示板にもこんな書き込みがあった。

「手術前の説明をされた医師と術後の経過を説明された医師は
異なる人物でして、内容は同じなのに言い方でこんなにも
患者家族を不安にさせるのかと感じました。
心細さを紛らわせようとサイトを探してここにたどりつきました。
つらいです。かなしいです。不安です。助けてください。」

 

こんな気持ちに患者や、家族がなっていることを
果たして分かっているのだろうか?
私は、曖昧に話せばいいとは思わない。
医師としてもあまり安易に大丈夫なように
思わせて、そうならなければ、非難されるわけだから、
悪い方を言いがちなのは当たり前だ。

例えば、くも膜下出血の場合でもまず手術前に
「半分は死亡します」なんて言われる。
手術が無事に終わった後また、
「手術は成功しましたが脳血管攣縮、
水頭症とまだ危ない山があり
半分はダメです」なんて言われる。
そんな言われ方をすれば、もうダメなのかと不安になって
上の掲示板の書いてくれた方のような気持ちになる。

テレビ番組のコメンテーターの人が、まず最悪を述べるより
助かる例を言ってから、危険なことを言ってほしいと言っていたが、
私も、そうあるべきだと思う。

「元気で全く後遺症もなく回復する方もいらっしゃいます。
(これをまず言う)しかし、死亡したり、
後遺症の残る確率も大変高い病気です。
我々は、完全回復をめざして全力を尽くします」
くらい言って欲しい。
もちろん誠心誠意、気持ちを込めて!

コメント (5)
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