今の世の中では、 考える猶予を与えない。 考えているうちに話は どんどん進んでしまうので 聞かれてすぐ答えないと、 仕事を取られてしまうことも多いし、 いろいろなことで 先を越されてしまう。 不利な立場になってしまうことは 確かに多い。 しかし、振り返って考えてみると、 人はじっくり考えているうちに、 よい考えが浮かぶこともあるし、 冷静になっていろいろな状況を 思い浮かべることもできて、 カッとして間違ったことをすることを 回避できることもある。 | |
親もついうるさく「速くしなさい」を連発してしまうし、 先生も「分からなければ、ゆっくり考えるなんて 非能率的なことはしないで、答えと解説を見て分かればいい。 その方が、結局は沢山のことを学べる」という。 テレビの会話もちょっと考えてしゃべると、もうその間が、 何か不自然で間が抜けて見えてしまう。 手紙を出す時は、書き終わって何度か見直して、切手を貼って、 ポストに出すまでの間に色々考えて、「やはり出すのはやめよう」とか、 「そうだ、今はこのことは言わない方がよい」とか考える暇がある。 しかしメールだと、書き終わってすぐボタンを押して送ると、 誤字も多いし、本当に書いたことが自分の気持ちだったかな? などと分からなくなってしまうこともよくある。 最近の犯罪は、あまりに短絡的だと思うことがとても多い。 この即決の世の中が、人間を変化させてしまったようにも思える。 |