昨年10月、鹿児島県伊佐市教育委員会&大口図書館が発行した「海音寺潮五郎物語」が手元に届きました。 「伊佐市出身の直木賞作家、海音寺潮五郎」を “広く市民に知って貰おうと、わかりやすい物語にして一生を綴った”と大口図書館の広報誌『マイ広報誌2022.2.1』に書いてありますが、 子どもたちも読めるような平易な文章で、生まれてから、歴史小説家としてして活躍したその一生が、 色々なエピソードを交えて書かれています。 海音寺潮五郎の本名は末冨東作といいます。 兄の学齢期に就学通知が来ないので、役所に行って戸籍を調べて貰ったら、 まず、「末川」という姓が誤って「末冨」と書かれていたので、そのままにして、以後一家は「末冨」という姓になったというエピソード。 これは、私も祖父海音寺の生前から、 「父親が、末が川となって流れてしまうより、末が富んだ方がいいから、末冨のままにした」 と聴いていました。 そして、父親が、兄と本人の出生届を出していなかったことが分かり、届けを出しますが、 「この子は、出来がいいので早く学校に行かせよう」と、 東作の生年月日を3月生まれ(本当は11月生まれ)と届け、 真の学齢より早く入学させられてしまったので、小学校では、苦労したという話もたびたび聞いていました。 昔って、こんないい加減なことが日本でもあったのだと、呆れてしまいます。 その他、祖母と学生結婚をして、学校を退学になった話など、色々書かれています。 生誕120年記念、企画展「英雄たち」が、かごしま近代文学館において、開催されていることを書きましたが、 郷土の人々が、祖父海音寺潮五郎を大事にしてくれていることを嬉しく思い、 あの世で、ちょっと照れながら、嬉しそうな顔をしている祖父の様子が目に浮かびます。 |
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