2011年12月21日(水)
さて、土曜日に課外授業受けたからあっという間に包丁会が来た。
『良し、だいたい分かって来たごたる。先生が甘いところを綺麗にしてやるから、見ときなさい~良~く観とかやんよ』
素人の僕と違って、シャーッツ・シャーッツ・シャーッツと実にリズミカル
評価の言葉、『どこがイカンかと言うと、ホラッ、谷底に×の溝があるだろ~これはヤスリの角度が悪いから、こっち側擦る時と、ひっくり返して向こう側から擦る時の角度が悪いから、谷が×に掘り下がる。刃は△だけど、谷を×に掘り下げると、◇になるたいそうすると刃は根が細って来るタイ
この原因はヤスリの手前が下がって、斜めに擦りあげているから
谷に対しては水平に
、向こうも水平に
、同じ深さにせんとイカン~
』
成る程、ヤスリの角度や深さまでには気が回らなかった
ところで、以前からヤスリの鞘袋にメーカー名か、壷玉は良く見ていたので、『先生、壷玉って、ヤスリらしくないけど、メーカー名ですか~』と聞いてみた。
『ヤスリを作る時には、昔から味噌を塗って焼き入れしてた、その味噌壷の壷』
『へえ~っ、そうですか でも味噌を付けて焼き入れしたら鋼鉄まで削れる堅さになるって良く気づいたもんですね~ところで、僕が買ってきたヤスリと、先生のヤスリって同じモノ(値段)ですか
』
『ちゃうちゃう、モノが違うよ~焼き入れ前なら、ナフコ(ホームセンター)のヤスリでも良かけど、焼き入れしたらすぐダメになる~焼き入れ後の鋸の刃は安物のヤスリより堅い』
鞘の袋の印刷を観ると、C Si Mn Cr まではわかるがV Vとはバナジウムだった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%8A%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0
ナルホド クロムバナジウム鋼で表面を堅くしてる訳か~と納得
さて、これ以上ヤスリの失敗は無いとの判断で、刃が決まり、峰部分の余った身幅を削った。
次に金床の上で歪み取り~
それから小さな鏨(タガネ)で名(メイ)を入れた。
※いつも言うが、自分がやっているところは撮れないので、これは、『もうちょっと、光のハネを跳ね上げたが良かばい』って、仕上げているところ。
名も入って、歪みもとった。
サンドペーパーでグラインダー後のざらつきを滑らかにした。
曲面のアゴ部分は丸い棒にサンドペーパーを巻いて磨いた。
ところで、鋸の目立てをする時に固定するこの道具の名前を聞いたら『鋸ハサミ』という答えだった。
この棒もセット。
この楔型の棒を鋸ハサミの尻に突っ込むと、ヤットコみたいに先が締まる仕組み
今年最後の包丁会なので、『良いお年を~』の挨拶で、包丁会は冬休みになった。
2011年12月25日(日)
実は宿題が出ていた。『柄を作って来い』
世間ではクリスマスだが、冬休みの友?を行った。
商品の柄を模って、手持ちの樫の木材に書き取った
樫の木は堅いので、半割りも大変
バイスに挟んで、先ずは誘導の鋸引き
次に、電気丸ガンナで半分切り込み、逆から繰り返しで半割り完成バイスのお陰で、短い材を安全に切れた
カーブ部分は、手づくり手斧で削った。
内側は手斧でやりにくいので、U字ノミで彫った~ところがポロッと欠けた(泣)すぐに接着剤で合体
内側のカーブは、突き出しナイフで削った。
切断面の均平化は、ベルトサンダーで行った。
見た目平らになったが、二つを合わせてみると尻部分が空いている。
出っ張りの発見方法は、鏡に紙を乗せ、鉛筆を塗り、そこに面を擦りつけた。
出っ張りは、こうして鉛筆の黒が付くから、そこだけを重点的に擦った。
2枚の合わせ目は、こうやってずれない様に紐で縛って擦った。
2012年1月11日(水)
2012年の年が明けた
多分、今年で異動だから、3年目の包丁会も残り3ヶ月となった訳だ
さて、余談だが、鍛冶屋さんの『打ち始め』には、この様な3本組みの道具を作り、祀る(店や仕事場に)と言う事だ
それぞれが意味あるみたいで、右の鎌は農業・中央の槍型は大工・左のカギ型は家庭のカギ保安を意味するらしい。
また、漢字の『永』の字みたいに、これらを作るには鍛冶屋のテクニックが全て必要とも聞いた
さて今夜の作業は、半割した取っ手に鋸を当てて、鋸の厚さ分を彫刻刀で削った
なかなか平らにはならないモノで、例によって鉛筆を塗って、挟んでみて、出っ張りについた黒い部分を削ることを繰り返した
一応、ぴったりと挟めるまでに至った
2011年1月14~15日(土日)
寒い土日だった
33年前に成人式した時は、まさかこんな趣味を始めるとは思わなかったなあ~なんて思いながら朝から鞘作りの作業開始
孟宗竹の節無し部分を、約3.5mmの厚さに鉋かけした
これが鋸の刃が納まる隙間の厚さ。
孟宗竹を使ったのは、『刃の方は、堅い材を挟まんと、だんだん刃で削られて行くけんね』と言われていたから
竹を、6:4くらいの割合で割った 刃の方に6を当てるつもり
これが擦り減るまで使いこむ事は、生きているうちは恐らくないだろう
鞘の2枚の板は、2日間に分けて接着することにした
右は、腰に下げるベルトを通す穴のあるブリッジ
夜中に2枚を接着し合体 僕は寒い部屋で相変わらずの一人寝
♪ひとりで寝る時にゃよ~お♪
そうそう、岡秀さんから『明日、焼き入れするけん、鋸を持って来て』とあったので、焼酎『大石』の金キラ空き箱で急遽、型紙を作った
翌日午後、ベルトサンダーで固まった2枚の板の合体鞘と、ベルト通しブリッジを綺麗に仕上げ、ブリッジを接着した
その夜、ガッチリ固まって鞘の出来上がり
鋸の鞘の場合、尻が閉じていると鋸屑が少しずつたまり底に押し固めて、とうとう入らなくなる可能性があるから、この様に通しの鞘にするのが常識だそうだ
早く鋸を仕上げて、実際使ってみたいものだ
~お願い
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