世間はゴールデンウィークに浮かれるこの時期は昔から茶摘みの最盛期
子どもの頃はゴールデンウィークとマスコミもあまり騒いでいなかったが、マイカー普及時代で、確かに世間はどこかに出かけていた
ところが田舎の農家ではどこもお茶摘みの時期
どこも我が家で飲む自給の茶ために屋敷周りや茶畑を持っていた。
もちろん子どもたちは否が応でも駆り出される
我が家も駆り出されていた
子どもの頃からいろいろな農作業をしていたが、その中で一番嫌いなのが、茶摘みだった
なんでイヤかというと、おそらく何十万枚という茶葉を”一芯二葉”で一つずつ摘まなければならないのだ
いくらやっても全然進まない~ちなみに
10cm四方=100cm2 に約15~20芯 、摘み幅160cm×総延長100m(10,000cm)=160万cm2 だから24万~32万回の摘み、それを指先で摘んでいく気の遠くなる仕事
50過ぎても嫌がる気持ちは変わらないが、高齢両親がするから手伝わない訳にはいかない
違うのは、今ではハサミで収穫するところ
でもこの方法では、古い葉っぱや枝、ゴミを一緒に刈り込んでしまうのが短所
ハサミの右側には布の袋があり、刈った茶葉は袋にたまっていく。
たくさんためると重いので、適当に”桑テボ(養蚕で桑を摘んでいたカゴ)”に移していく
クワテボの茶葉をいつまでもそのままにしていると”蒸れ”て来るので、庭屋(ニワヤ=母屋の外の作業場)に日光や風が当たらないようにブルーシートの壁をつくり、ブルーシートのマットに広げて、静置し、午前中半日分の茶葉を広げておく。
午後は、茶葉の山から古い葉っぱやゴミの選別作業
これまた、ボーットなる作業。
昨年のうちに綺麗に選定して、肥料をちゃんとやっているならハサミ収穫も綺麗に伸びたところだけ収穫できるが、なにせ『無肥料・無農薬・無剪定』だから、古い葉や茎、雑草なども一緒に刈り込んでいる。
それを総出で丁寧に選別していく
今では加工だけは製茶工場に委託する。
製茶加工場の持ち込みは6時までという事で、この日も何とか間に合わせました
委託先は、発毛効果も期待される ”お茶石鹸「茶ぁ~みんぐ」”も販売する我が故郷の”佐とう製茶”http://www.satouseicha.com/
昨日と今日で都合生葉40キロを持ち込んだ
荷受けの計量器に載せ計測~茶葉出し~風袋計量~茶葉重量計算~荷受け伝票受け取り を済ませた。
製茶歩留まり18%だから、出来上がりの茶は7キロ位でしょうか
100グラム千円のお茶とすれば、7万円の働きを両親と2日したことになりますが、加工手数料を取られますから、買ったが良いかもですね
ちなみに妻は絶対お茶摘みはしないと言います
『アタシ、コーヒー飲むし、お茶はもっとおいしいものをその都度買って飲むくらいでいいWA』
自分で作業をしたことがない人がこの調子ですから、両親が出来なくなったら僕一人では絶対しないし、妻にも強要もしない~茶の木もそれまでですね
さて、昔はお茶にするまで家庭ですべてやっていました
5月12~13日の五木村新緑祭りで、シルバー人材センター主催の『釜入り茶製造実演』があっていましたので紹介します。
子どもの頃は、祖母がやっていて、僕も手伝っていましたので写真を借りて再現します。
①生葉を茶釜で焦げないように煎ります
②しんなりなったら、竹で編んだ揉み板に乗せ、両手で一生懸命揉み上げます。(揉捻作業)
③ムシロに広げ、いったん休憩させ余熱と湿気を飛ばします。
④仕上げに①の釜の温度よりも低い温度で釜の中で揉み上げ、乾燥仕上げます。仕上がりは、熱により緑を通り越して、1枚目のこんな退色緑色になります。
昔の農家の家には『お釜さん』という、このような大釜と竃(カマド)が備わった加工場がどの家にもありました。ちなみに、味噌の大豆煮、アラレやサトウキビ絞り汁を煮詰めての黒砂糖づくりも自給でした
さて、加工に頼んでいた茶が出来たというので、手伝い賃として1500g貰えました
我が家では十分過ぎる量です
さっそくぬるめのお湯で出してみました
薄緑色ではなく、黄色に近い色です
100g2000円とか3000円するお茶の味には劣るかもしれませんが、汗した茶と思えばこれも風味があります
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