Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

鉈づくり(研ぎ~柄づくり)

2015年07月12日 22時49分22秒 | Weblog

2015年7月4日~上旬

さてさて、焼き入れをした後は、鍛冶屋ならば『水砥石』という、砥石のグランダーで、刃を付ける作業になるのですが、家庭にはそんなの無いから、シコシコと人力で研ぐしかない

砥石も、最低3種類は必要です
値段はピンキリで、良い物は一つ1万円とか、結構高い。
砥石も大事ですが、使う環境~安定した台座も大事です。
”研ぎの凝り性”は、2013年冬にその台座も手作りし、それ以降使っています。

  
可変式砥石台座



研ぎの第1行程:先ずは、粗砥(アラト)で、おおむねの刃を研ぎだしますが、刃の無い厚みの刃部分を刃にするには、結構力がいるんです

鍛冶屋通いの頃は、なかなか刃が付かず、あんまり大変なので、師匠に聴いた事があります

私:『焼き入れの前のまだ柔らかい時に、あらかじめ刃を尖らせておけば、粗砥も楽になるんじゃないですか

師匠:『あのねチミ(君)粗砥段階で、そんな楽をしようなんて考える事が、だいたい根性がハイッとらん

私:『いや、そんな、そ、そ、素朴な疑問です

師匠:『焼き入れされる、鉄の気持ちになってごらん 1000℃も焼けたのが、常温の水に投げ込まれ、一気に冷やされるの 焼けたガラスに水かけた事あるパチパチッて割れるど あんな感じで、尖った刃を焼き入れすると、欠けたり、小さな目に見えないヒビが入るの チミに分かるかな

私:『ハイ良く分かりました

口答えの多い見習いと、師匠の、そんな会話を思い出しました



粗砥を30分くらい続け、やっと刃が付いた
冬でも汗だくになる研ぎ作業
~その間、砥石の ”入れ替え返し” も3回くらいやった

※砥石の ”入れ替え返し” とは、
一面一方向だけで研いでいると、必ず ”片減り” ねじれた凹面になるので、向こうとこっちの入れ替えをすること、
車のタイヤのローテーションと同じ



刃物は、『研ぎ』がうまくいって、初めて切れるようになるから、師匠からは何度もやり直しを食らっていた 
訂正!”食らった” は、いけないな!やり直しの指導を受けた。


中砥(ナカト)砥石に代えて、いよいよ本当に切れるようにする。
ナタなので、両刃~この段階では、粗砥の際の小さな研ぎ傷取りと、両サイドから同じ角度で刃を付けるのが目的。

素人でも目で見るのは、研ぎの結果確認となるが、研ぎの進行中は指先の感覚だけで、刃と砥石の密着度合いを感じて判断されている

つまり指先は、刃先と一緒に砥石面に擦って判断するのが、修行の心得
だから、指先の皮はすり切れて、血が滲んでくる

また、素人は水道の水を垂らしながら研いだりするが、砥汁の濁りも研ぎの効率には関係しているので、混濁の研汁の中で研ぐのが正しい。
写真は撮影のため、押さえが出来ていない~本当の研ぎ方を写していません。



中砥段階が終わると、粗砥のキズも消えて、これでも十分切れる様にはなっていますが、見た目は磨りガラス的な仕上がり段階。(サンドペーパーなら1000番くらい)

仕上げ砥石に代えて、いよいよ仕上げの研ぎ
(サンドペーパーなら2000番くらい)
桶の水を全部代えて、綺麗な水にし、砥石台も綺麗に洗います
荒い砥汁の粒子が入っていると、さらに傷が入り鏡面仕上げにならないからです



蒸し暑い梅雨空の下、メガネに汗が溜まって仕方ないほど、汗が落ちる



ここまで、90分くらい研いでいます
たかがナタなので、ここまで研ぐ必要はないのですが、いつも試していたのが、自分の腕の毛やスネ毛が剃れるかで決める、仕上がりの判断
『ヨシ、剃れた研ぎの完成 腰イタ~




仕上げ砥を終えた刃です
刃も鏡面の輝きになって、狭い刃に自分の伸びた顔が映ります
側面:鎬(シノギ)は、ウナギの肌の様で、薄い酸化皮膜の色も模様もイイ
中島先生(何でも鑑定団)的には、『これは、景色ですね~固い金属の上に、水墨画を思わせます~イイ仕事してますね~』 

もし、これをピカピカに研ぎ落としてしまうと、錆びも来やすくなります。



さて、次は柄(エ・ツカ)を作らなければならない
日本刀の世界なら、別の職人の分担となりますが、なんでも作るのが手作り~

実家の焚き物小屋(タキモンゴヤ)から、2年前の山の手入れの際の燃料薪の中から、材料探しです
固い材の形の良い物が見つかりました



ちょっと太いので、ナイフでだいたいの大きさまで削り落としました
この ナイフも手作り です。



柄をだんだん細らせていくも、力の要る所では、 前作の斧 の登場です
『う~ん、切れる




目的の長さで切って、柄の準備が出来ました。



次に、表面の凸凹を均すために、グラインダーで削ります



市販の刃物の商品の柄は、殆ど画一的なツルッとした握りですが、手作りなら自分の右手の指の形に合わせてグリップを付けます
陽水になった気分で、『ジャストフィットと奇声を上げます
柄だけで22cmあります。




イメージ的には、こんな感じで全長、44~45cmのナタになります。



次は、金属の柄を挟むための、溝切りです。
金属の厚みを線引きし、バイスに挟み固定します。



さて、どうやって溝を切るか~電気丸鋸を使う手もありますが、切れると溝がすぼまり、弛めば木っ端はどこに飛ぶのか分かりません
君子危うきに近寄らず~怖くて止めました
地道に手ノコで切るのが安全です
ちなみに、この手作りノコの出番となりました。

手作りノコ



綺麗に溝は切れたものの、やや幅が狭い~溝の拡張と、内面を綺麗に削るため、ディスクグラインダーで溝の内側を削りました。
※ディスクグラインダーは本当に危ないため、OFFの状態での再現やらせ写真です!



次の日、柄と刀身を絞める、『口金(クチガネ)』 を買ってきました。
短い筒状ですが、両口の直径は微妙に違うんです。
大きい方を柄側に差し込み、小さい径が前方の刃側になります。
ちなみにこの様に塗料が塗ってあるのは、自分で棒を削って差し込む手作りには便利が良いです。




ざっと削った柄を突っ込むと、きつい所に塗料が着くので、そこを削る目印になります。



グラインダーの側面を使って、平均的に口金の内径に合わせていきます。



微妙な所はやはり手作業となります。
口金をハメた時の柄のリングの接触ラインを隙間無くするためには、直角に段差を付けないといけない~そのためには、切り出しナイフの刃を自分に向けて、段差を直角に切れば良い~ナイフを持ち替えて、グイッと自分の方に刃を引いて、段差でストップするハズだった~



アッと思った時は、もう自分の親指を、フグの刺身のようにヒラヒラと、薄く、長くえぐっていました
久しぶりの失態~スタスタと落ちる血 親指の元をヒモで縛り取り急ぎ止血して、ディバテープ(熊本県人用語)を、妻に貼って貰いました。

※刃物づくりでも、彫刻でも、これまで10回は深い怪我をしていますが、殆どは自分から刃物に当たったり、刃物を自分に刺す事で発生しています。
要するに、不慮の事故です。怪我防止には、危険予測と回避行動が一番です。
まだまだ、学
習能力が足りん

※写真は、風呂上がりで、出血も止まった綺麗な親指~上の傷の始まりから、下の終わりまで、弓なりに刃が入っています



指の痛さにもめげず、しばらくして作業再開
今度は、柄と刀身をピンで留める作業です。
バイスに挟んで、5mmのドリルで、柄と金属柄を貫通させます



一箇所開いたら、真鍮棒(5mm)をツッコミ、やや長めに金切りノコで切断



2箇所目は、最初の真鍮棒が入っているので、決してずれる事はありません。
もう一度、全部をバラシて、接着の準備です。




A・B剤を混ぜ合わせて、接着面に塗ります。



口金やピンにも塗ります。



真鍮棒は、実は管でした
中身の詰まった棒は1m=1000円、管は1m=500円と、半額だった為です
管でも、抜ける事は先ずありません
その代わり、ポンチで末端処理が必要です



ポンチで綺麗に広げたら、問題はありません。



ついでに、前作の斧の刀身も真鍮管で、止めました。



ナタの紛失防止のために、柄頭(エガシラ)部分に、ヒモ通しの穴を空けました。

ドリル穴の断面は直角なので、このままではヒモが切れやすい欠点があります。
円錐砥石で角度を緩めます




今回は、指が痛いし、親指に力が入らないのは正直戦力を無くしました
ここで、止めました。

次回は、鞘づくりの紹介です~お楽しみに
 

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