2016年12月17~18日
母親の退院、自宅生活と合わせて、福祉器具のレンタル業者から借りて設置した実家の、手すり付き段差昇降台。
田舎の家の造りは、この手の段差が高い床が多い。
高床式?かもしれないが、高齢者には危ない段差!
12月上旬。
母親の死去と共に、契約期間も消滅し、撤収となった。
91才の親父には、再び45cmの段差が現実のものとなった。
特に、降りる時の転倒は、骨折→寝たきり・・という予測がされ、別居の息子としては対処を急がなければならなくなった。
業者による設置当時から、親父のためにも、こんなの作ってやろうと考えていた。
もちろん、親父の名義で新規の契約をしても良いわけだが、折しも熊本地震一部被災による改築で、我が家からは取り壊しの廃材がたくさん出ていた。
この廃材を使わない手はない!と、計画的に材料集めをしていた。
参考に、エクセルで図面を描いた。
問題は、36cm幅、厚さ5cmの犬走りみたいな段があり、フラットのコンクリート床でないこと。
1日目 土曜大工
そして、手すりをどうするか?
先ず見つけたのは、子どもたちが使っていた二段ベッドの枠。
もう何年も蔵にしまい込んでいたものを引っ張り出し、これを縦に手すりの柱に活用する事にした。
作業台は、カライモと里芋を収穫したコンテナ。
二段ベッドの枠の端には、固定のための金具が着いていて、取り外すのも面倒!カットする事にした。
カットした先端を型取りに、台座に線引きした。
こんな感じで、台座に噛み合わせ組み込ませる予定。
線引きした所をノミでカギ落とした。
この時点では、左右の台座に手すり支柱を立てるつもりで、噛み合わせのほぞ穴を空けた。
次は、階段づくり。
拾った材料には、新築建築当時のメモ『1階和室・押入・敷居』とあった。
まさか、23年後、こんな事になろうとは~廃材敷居の再利用。
廃材利用の宿命か~クギの乱在!
ちょうど線引き部分(ノコ引き)にクギが当たる事多数回。
周りからギリギリまでノコ引きし。
クギの頭が出た所で、クギ抜き。
2×4(ツーバイフォー)のため、こんな材木の組み合わせで柱が作られている。
(日本住宅性能表示基準によると)
踏み面(ふみづら)とは、階段の足を乗せる部分で、建築基準法では15cm以上の有効幅、バリアフリー用では19.5cm以上とあったので、踏み面30cm、蹴上がり13~15cmを想定してカットした。
垂直の蹴込み板のため、蹴込みは仕方なくゼロ状態。
台座の床板と固定して、階段の骨組み完成。
2日目 日曜大工
手すりのイメージ:手すり高さ
人間工学的には、手すりの高さは大人の手が持ったり、つかまったりしやすい高さは、80cmから85cm程度と言う事から、親父の体格を考えて、80cmとした。
手すりの支柱を、階段の外枠にネジ止め。
これで頑丈に固定された。
こんな感じで手すりが付く。
各段の段鼻(角)には、廃材の角当て(コーナー周り縁板)の材を活用した。
段鼻には、廃材の角当て、踏み面の残りには、合板をカットして埋めた。
これで、だいたいの階段の形が出来た。
さて、手すりには何を使うか随分と考えた。
やはりカーブの優しさが欲しい~
そこで、壊れたダイニング椅子の脚を使う事にした。
(こんな利用を予想して、何でも取っておくのが妻から嫌われる点:実家には保管場所は不足しない余裕があるが・・・・)
手すりなので、ネジ釘の頭を隠す、埋没穴をドリルで彫った。
その穴に、ネジ釘をねじ込んで固定した。
これでネジの頭が、手に傷をつける事は無い。
後日に、凹をダボで穴埋めする予定。
手すりのカーブに合わせて、ミリミリで何度も支柱の頭を切りそろえた。
支柱の角材の角に丸みをつける、カンナかけ。
いよいよ最後の、コンクリート床と接する、最下部分の斜めの板の設置。
台座板の先端を、角度に合わせてノミを入れる。
イメージはこんな感じの角度だが、なかなか削り出すのは面倒だった。
ある程度の角度が決まれば、カンナかけで滑らかな接地面に仕上げた。
斜めの床接地面板を取り付けて完成。
ちなみに、昇る時の左側の手すりは、収納庫の開閉と出し入れを邪魔するので、今回は取り付けなかった。
いつでも取り付けられるように、ほぞ穴や材料は確保している。
『ギッ~、ギッ!』という踏みつけの軋み音は全くしない~手すりの揺らぎも無い。
踏み面の合板は安っぽいので、その内に木目シートを貼って統一感のある色調にする予定。
蹴上がり(蹴下り?)は15cm以下となり、高齢者の足上げは無理のない高さになったと思う。
とりあえず、マットを敷いて設置完了としました。
実は、親父は1級技能士資格の大工もやっていました。
作業中、気になるようで、観て居ないようで観ているようで、幸い口も出さず、ただ周りをウロウロしていました。
完成後の昇降の感想は、『こら~良か~!こら~良か~!』と、喜んでくれました。
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