Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

袋猫彫刻(仕上げ彫り編)

2018年10月15日 21時23分09秒 | Weblog

2018年9~10月

気づけば、半年も過ぎて季節も秋になってしまいました。
気温もやっと適温になり、やる気も加速度的に出てきました。
いよいよ仕上げ彫りに取りかかりました。



そろそろグローブの様な手に爪を付けなければなりません。
モデルのトラ君の再登場です。
何度も噛まれながら、指や爪を観察しました



既に老眼ですが、最近特に小さな作業が極端に辛くなっています。
そこで、妻のハズキルーペを借りて彫ることにしました。
テレビCMを称える訳はありませんが、こりゃ、優れものです



指は前に4本、親指は極端に後ろに付いていると、あらためて知らされます。



写真のように実際の爪は細いですが、細いと欠けやすい~そこでデフォルメ
イグザジェレイト 『exaggerate』的な誇張表現にしました。
実際は半分の厚みでしょう



右手の爪に取りかかりました。
が、またやっちゃいました。
薬指の爪が欠けてしまいました
破片はすぐに見つかりましたが、接着しても爪はたぶん取れると思いました。
トラの日頃の悪さの落とし前として、指を詰めてもらうことにしました。
(切っ先が折れた爪)



猫の指が開くところはあまり意識しませんが、本気で獲物を狙うときには、爪掛けの確率を高めるかの様に、本当に指を広げて爪を立てるんですよ



爪も終わり、表現箇所はだいたい終わりました
今度は、紙袋です。
平面の板ならカンナかけが出来ますが、曲面となればそうはいきません。
槍ガンナやノミで基礎彫りまでしましたが、仕上げとしてノミの刃を90度に立てて、引っ掻くようにし、なめらかな表面にしました。



ツルツルにする必要は無いと思いましたが、80番のサンドペーパーでざらつきだけ落しました。



たかが紙袋ですが、猫が入っている背骨の膨らみの尾根は表しました。
ホントはもっとグジャグジャの袋が常ですが、ドンマイでいいでしょ



爪の仕上げです
『トラ君、ネイルサロンで爪を研ぎましょうね~』と独り言を言いながら、尖らせました。



facebookには途中経過を何度かアップしていましたが、その反応の言葉の中に『画竜点睛を欠いている』という指摘がありました。
「(竜)りょうを(画)えがいて(睛)ひとみを点ず。」という読み方で、物事を完成するために、最後に加える大切な仕上げの例えで、『欠いている』とは、目(瞳)という最後の仕上げが不十分で、肝心なところが欠けていて、精彩がないと言われた事になります。 



まあ、自分でも分かってました。
瞳とは、『虹彩』と言われる絞りカメラのが、『水晶体』に入る光の量を調整している訳で、『角膜』の下にありますが、実際はなんの凹凸もありません。
彫刻刀の曲刃のRを使って、虹彩の縁取りを彫りました。



薄暗いリビングや玄関に放置した紙袋の中では、瞳孔は膨らんで通りかかる”獲物”を狙っています



確かに『画竜点睛』の仕上げです。



床の上に紙袋に入って、上の獲物の動きを追っているので、仰角30~45度かなと思っていましたが、猫目線で見るとだいたいそんな感じで見上げています
爪には、アドレナリンが行き渡っています




9月中旬には仕上げ彫りを終わっていましたが、休みの度に台風24号、25号と九州・熊本にも接近し、雨ばかり

2018年10月8日(体育の日:寒露)

朝から快晴、湿度45%と最適条件です。
艶出しニスor艶無しニスにするか悩みましたが、艶出しにしました。







半日で完全に乾いたので、玄関に飾ってみました。
気になるのは、妻の反応です。



夕方、ドアベルが鳴り、妻の帰宅です。
ドキドキ
玄関で何か言ってますが、聞き取れません。
再びドアベルが鳴りました
追いかけるように玄関に行くと、案の定、トラが居なくなっています
なんと、無造作に玄関ポーチに出されていました



半年もかかった『袋猫』は、とんだ結末になってしまいました。
まあ、これにめげることなく、また次の作品に向かいます。

『袋猫(中彫り編)』

『袋猫(粗彫り編)』

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