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定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

100年前包丁リストア

2022年06月06日 22時38分40秒 | 日曜大工

2022年6月5日

今日は朝から地域の環境美化活動でした。
終わった途端、天気予報どうり雨が降り始めて、自宅缶詰となりました。

こんな時には、かねてよりの『宿題』に取り組みます。
(この日は、2つの宿題を片付けました。)

その一つ、『100年前包丁リストア』です。

以前報告の、草刈りモアのボルトナットを探していて、出てきた錆だらけの変わった形の包丁です。
刃渡り27cm、肉厚1mmの薄い包丁です。
100年前の根拠は、これと似たような古い包丁をリストアした時、その取っ手には〇義の焼き印があったからです。
私の祖父:義人の義の焼き印です。
祖父は明治生まれの人で、祖父の子=親父が生きていれば明日で97歳、祖父が包丁を握ったのが壮年期からと数えても、ざっと120~130年くらいになります。



幸い、穴あきや柄の腐れ、柄に入っている金属:中子(ナカゴ)の折れはありません。
先ずは、荒砥で錆を落としていきます。

これが、なかなか シツコイサビ です。
平(たいら)の部分は、薄い鉄板に叩きのばしてあるので、凹のへこみがあり、平らな砥石面では窪みのサビは落とせません。



さらに、中央部の刃が欠けています。
刃こぼれを消すには、その欠けの凹底面まで刃を削り落とし、直線の刃にして、そこから刃を研ぎださねばなりません。

そこまで拘る時間も無いので、砥石の角を 三日月型の刃こぼれの 底に当て、鎌の刃的に研ぎました。
研げば出てくる砥石のクソ(泥)は、出来るだけ流しません。
このクソが研ぎの効率を良くしてくれます。
それを知らない素人は、汚いと頻繁に流します。



荒砥工程がだいたい終わった段階です。
三日月型の刃こぼれは、鎌の刃的に、それなりの刃が付きました。
実は、砥石の方減り(かたべり)防止のため、荒砥でも3回、砥石の向きを手前と向こうの向きを入れ替えています。



今度は、中砥に進みますが、砥石の寸法が違いますので、押さえをずらしてキッチリ押さえます。
砥石は大小20丁(砥石を数える単位)位持っていますが、長さは6種類ありましたので、釘より少し大きな穴を6パターン対に空けています。
左右の赤い ● が対



桟木に釘を刺しただけで、これを抜き差しして、どの砥石もコレ一つの砥石台が使えるようにしています。



さて、中砥はダイヤモンド粒子を樹脂で練りこみ焼きつけてある、赤い焼結タイプの砥石です。
荒砥では無数のひっかき傷が付いていますので、それを研いで消すのと、後半では切れる刃を付けます。
ここでもクソは出来るだけ流しません。
『また、クソを流しよる!すぐ流す!これが研ぐとばい!』と師匠から叱られたものです。
中砥でも3回、砥石の向きを手前と向こうの向きを入れ替えています。



ここまで90分位研いでいます。
いよいよ、仕上げ研ぎです。
お気に入りの天然砥石の仕上げ砥石は、厚さ1cm程になってしまいました。

日本の天然砥石の成分は、石英を含んだ粘土の泥岩・粘板岩で、吸い付かれるような抵抗感が好きです。
これは京都産の青砥石で、師匠から貰ったものです。
もったいないので、平の研ぎは中砥に任せ、刃先の仕上げを中心に使っています。



腰が痛くなったのもあり、仕上げ砥を諦めて、真鍮製の口金を磨きました。
流石に古い口金で、今では売られていないような口金です。
元の黄金の様な光を取り戻しました。



錆びは、菌糸を張るように横に広がると、次は深部へ降りていきます。
そうなると研いでも研いでもピカピカには出来ません。
諦めた仕上がりです。



研ぎあがると、上にしたり、下にしたり、斜めにしたりと鑑賞タイム?賢者タイム?です。



誰でも研げば、切れ味を試したくなるものです。
これは昨年度作った(芸能人は歯が命 農業は刃が命!)『刃物研ぎマニュアル』からの抜粋です。



左の青龍刀みたいな包丁も3年ほど前に実家から出てきたもので、やはり真っ赤に錆びていました。
スイカを割るには薄刃の包丁は先割れしない優れものです。
さて、今回の包丁の出番は

とりあえず、乾かして、サラダ油を塗って、新聞紙に巻いて出番を待ちます。



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