2019年4月~2020年2月11日
ついにアンビルが完成しました。
アンビルとは、金床(カナドコ)のことで、鍛冶作業に使う、鍛造用の鉄の塊の叩き台です。
この写真の様な物です。
大小サイズありますが、大きくないと(重くないと)鍛造の衝撃には耐えらず、買えば高いんです。
鍛冶(刃物づくり)の趣味は、10年ほど前、単身赴任で住んでいた人吉市の鍛冶職人、岡秀(オカヒデ)さん所に、毎週水曜日の《包丁会》に3年間通ったことがきっかけです。
単身赴任が終わっても、良い鋼が見つかれば、中毒的に家の駐車場で一人でも続けています。
趣味初期のアンビルは、昔の耕運機のウェイトを使っていましたが、叩けば逃げるし、倒れるしで、思うように叩き伸ばせず大変な思いをしていました。
その頃の作品です。
2016年:手作り鉈
次の段階のアンビルは、H鋼柱を手に入れ、それに耕運機のウェイトを両脇に打ち込み溶接して使いました。
でも、楽器みたいに甲高く響くのが難点でした。
2019年:枝打ち鉈
耕運機のウェイトをバッテリー溶接機で両脇に取り付けたアンビル。
2019年4月?
そんな刃物づくりをfacebookに投稿したら、それを見た球磨地方のOさんが、『レールならあるよ!取りに来るならあげるよ!』とコメントをくれました。
こんなチャンスはありませんので、高速を100キロ飛ばして貰いに行きました。
ただ、全長80cmはあり、一人では抱えることも出来ない100キロ超の大物でした。
このままでは、どうしようもないので、55cmに切断することにしました。
でも、『歯が立たない!』とは、まさにこの切断作業でした。
ディスクグラインダーの円盤はみるみる擦り減り、ヘッドがレールに当たりそれ以上切れません。
何枚ものディスクを交換し、数週間かけてやっと切り分け出来ました。
次は、アンビル特有のクチバシの尖がりです。
これまた何枚ものディスクを交換し、数週間かかりました。
どうしてもディスクが届かない(刃が貫通出来ない)ので、金切りノコでも頑張りました。
こんな事、二度としないと思う日々が続きました。
ディスクグラインダーと金切りノコの替え刃をたくさん犠牲にして、1回1mm位ずつの進み具合で、季節も替わっていきました。
交差断面になると、道具のどこかが当たって深く入らず、2つの切断具も使えません。
電気ドリルの登場です。
これがまた、『歯が立たない!』穿孔作業でした。
最後には、ハンマーによる『叩き割り』です。
春⇒夏⇒秋⇒諦めと、落胆、疲れ、疲労の中で時間だけが過ぎ去っていきました。
大まかな形が出来ると、レール面が狭いと思うようになりました。
そこで、打面となる鉄板を溶接し面を広げることにしました。
溶接面を綺麗に削りました。
錆の下には、綺麗な金属が現れました。
この飛び散る火花の形で、なまくら鉄なのか、鋼なのかを判断します。
火花の先の火玉の炸裂具合です。
クジャクの羽の先みたいに豊かに炸裂するのは、炭素量やクロム等が含まれたちゃんとした強度がある鋼です。
12V×3=36Vの手作りバッテリー溶接機です。
配線をセットして、溶接準備は出来ました。
溶接開始。
上手く溶接出来ました。
春⇒ 平成時代も終わり、令和となりました。 夏⇒秋⇒冬
2020年2月11日
やっとやる気とタイミングが合い、完成を目指しました。
近所迷惑でしょうが、この日は朝から、ひたすら3時間錆落としです。
赤さびの粉塵がモウモウと舞い上がり、マスク無しでは居られません。
球磨川鉄道?湯前線?のレールです。
線路通電用の銅が現れました。
この穴の意味、働きはわかりませんが、ここの錆も落としました。
一日晴天の塗装日よりです。
打面は粗砥の60番から300番~600番まで目を小さくし、滑らかにしました。
まぶしい輝きです。
塗装はスプレーにしました。
これは1回目の塗装。
2度塗り。地面に接する底面も塗りました。
手前のは、レール切断にさんざん酷使した糸鋸です。
愛着もわいてこれも磨いて、塗装しました。
これは何かというと、焼けた鉄の切断用の鏨(タガネ)です。
鏨の形に鉄板を穿孔して、横面に溶接していました。
焼けた鉄を鏨に乗せて、上から叩けば切れるのです。
鍛冶屋さんには、写真の様な【蜂の巣床】があり、これに焼けた鉄を突っ込んで成型したり、穴に切断具を突っ込んで切断したりしています。
もちろん【蜂の巣床】は持ちませんので、切断部分だけの取り付けです。
さて、天気に恵まれ、夕方まで1缶で3度塗りまで出来ました。
打面はすぐに禿げるでしょうが、このアンビルの上で早く叩きたいものです!
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