平成21年4月、単身赴任で人吉市に住むことになった。
上司に誘われ、『包丁の会』なるものに入ることにした。仕事を覚えるよりも早く、4月8日水曜日午後7時に、名人『岡秀(おかひで)』の門をくぐった(笑)
昔からやりたかった、ナイフづくり!目標は、ランボーが持つようなデカいナイフだが、技術養成には、包丁作りが必要なステップということで、初回は、コンクリート鉄筋棒を叩く練習となった。
目標は、丸い棒を、①綺麗に四角に成形する。②先をゲンノウで槍状に尖らせる。
早速、練習開始。先ずは適温(700~800℃)に焼く作業。
石炭にフイゴのイメージと違って、廃油を燃やす炉で、真っ赤に焼いた。
焼きの頃合を色によって判断。
名人の声掛けで、すばやく、機械ハンマーの前に移し座る~丸い棒をヤットコで挟むのも重いので思いどうりにならない~ペダルを踏みつけたら、『カン・カン・カン』とハンマーが振り下ろされる。
このペダルも、遊びが大きいので、ぐーっと踏み込まないと動き出さないから、動いたと思ったら、強烈に動き出す曲者ペダル!
『強すぎ・強すぎ~じわ~っと踏んで!』『先のほうから、手前に~トントントン~ハイ、返して!返して!~ホラホラ~反り返っている~コッチ!コッチを叩いて~』
『ああ~もう伸びない~鉄は熱いうちに打て!もう色が黒いから、伸びない~ハイ、もういっぺん焼いて!』
もう、汗、ダラダラ~背中を伝っている~ヤットコを持つ手は、緊張でコチコチ(泣)ヤットコは使い古されており、蝶番のネジもグラグラで遊びが大きく、思ったように挟めない(泣)そして鉄の棒は丸くて重い(泣)叩きながら、何度か落とした!
よっぽど、素手で棒を握りたい衝動にかられたが、それをやったら、おしまいになる!
『ハイ良し、焼けた~今度は、じわ~っと踏んで、ハンマーをココに当てて!』と、支持棒で反り返った部分を指す。
『先のほうから、手前に~そうそう、トントントン~ハイ今度は、こっちの面~トントントン~同じところばかり叩かない!早くしないと~ホラホラ打ちすぎ~また反り返っている~コッチ!コッチを叩いて~手前、手前の方!』
『~鉄は熱いうちに打て!~ハイ、もういっぺん焼いて!』ってな事を4回くらい繰り返して、丸い棒はなんとか四角い棒になった。
『今度は、槍状に先を尖らせる練習~包丁でも、ナイフでもこれが出来ないと、取っ手部分も、切っ先も作れないから!僕は機械ハンマーである程度できるが、君たちにはこのゲンノウでやってもらう~手本を見せるから良く見ておくように!』って、赤い飴のような棒は、鉛筆を尖らすように綺麗に伸びていく。
内心、『尖らすくらい簡単じゃ!』と舐めていたが~やってみるとなかなか難しい!掴みにくいヤットコも原因だが、左手の棒の重いのと、右手のデカイヤットコの重いので、20回と連続では振り上げられなく。
『このでかい鉄の塊のまりの台座の形を良く見て~角が丸く丸まっているだろ!切っ先を尖らすには、ここに、こうやって先を当てて、ゲンノウをこんな角度で斜めに打つ、そうすると滑らかに尖っていく。平面の台座の上ではゲンノウは水平面に打ち下ろすから、なかなか尖らず、だんだんの階段状に波打って尖っていく失敗をする。だから、この丸い傾斜の角の面を使う!』
なるほど、理屈の適った説明だ~そんな使い方で、こんなに丸いのか~と納得。 練習も終わって、尖らせた先っちょは、切断機のハサミで切り落とされ、記念にとくれた。 初日の練習が終わってみると、汗をかいて、腕が固まっている~やあ~大変だが、面白い。
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ホームページを御覧の上、メールを有り難うございます。
大きな世の変貌を感じて参りましたが、金光様のブログを目にし、
再確認する事になりました。
旧時代に成長した私は、高校卒業と同時に修行に入りました。
現代の人々は豊富な情報を得た上で好みの”職人仕事”に
入る事が出来ます。
農業が顕著で”経営者の感覚”で営農されています。
今後もますます変貌を遂げていくのだと思います。
鋸という”薄刃物”である特殊な道具の継承が今後、どのように
なされていくか?
包丁やナイフ、鉈などを経験された人が鋸に挑戦して進むか?
難しさを感じます。
上記 金光様のブログを拝見させて頂いて感じた思いです。
今後のご活躍を祈っております。
(師匠様のご活躍に期待しております、健康でありますよう)
有り難うございました
ブログへのコメントありがとうございました。
昨日水曜日は包丁の会で、帰りが遅くなり。
今日は、ブログ更新で、コメントに気づくのが遅くなりました。
メールアドレスは、ittannmomen117@yahoo.co.jpで、迷惑会社にアドレスを抽出引き出されないように、@を大文字で辞書に登録し書いていますが、半角@に変えるのを忘れていました。
失礼しました。
素晴らしいホームページを見せていただき、大変勉強になりました。
匠の素晴らしい”職人仕事”に感服です。
伝統技術が”経営”として成り立つような仕組みができないのかと思います。
師匠:岡秀さんの、鋸づくりを見た事がありますが~
趣味で包丁やナイフをつくっても、鋸は格段の技術が要ります。
そのような高度で、繊細で、伝統的な技術を鍛冶屋さんには継承してもらいたいと常々思っています。
師匠・岡秀さんところには、息子さんの後継者がいらっしゃいます。
五十嵐 様におかれましても、これからも元気で、頑張ってください。
今回は、有り難うございました。