2016年2月28日(日)
またまた、遅れての報告です!
いよいよ、最終の原木栽培シイタケ新規参入者研修会となりました。
この日は、開講すぐ実習。
森産業(株)の森竹所長から、シイタケ菌糸の活着調査や雑菌の侵入具合の調べ方を習いました。
※以下、メモ起こしです。
尖ったドライバーで樹皮を剥ぐと、薄い黄色がかった色の菌糸がビッシリとはびこっています。
地面に着いたところには、土中まで菌糸が伸びて、土まで一緒に固まっています。
原木を切って断面を見ると、中心に向かって菌糸が伸びています。
菌糸が伸びて、原木が腐朽するほど、軽く柔らかくなるので、菌糸が伸びた良い原木は、だんだん軽くなるそうです。また、叩くと音も鈍くなるそうです。
続いて、雑菌(害菌と言う)が侵す事例です。
これはクロコブダケで、木材腐朽菌の分類です。
シイタケ菌と対峙する菌なので、囲碁の陣地の取り合いと同じく、先に菌糸を伸ばした方が勝ちとなるので、クロコブダケは、高温中湿を好むので、その様な環境を避け、シイタケ菌の適温(22~26℃)管理を心がけ、先に伸ばすのがポイントです。
一方、菌寄生菌はシイタケ菌が侵されるので、負けると収穫激減となります。
樹皮を剥ぐと、クロコブダケの黒い菌糸がはびこり、シイタケ菌糸と対峙しているのが分かります。
綺麗に成長した菌糸は、真っ白い菌糸を年輪の堰を超えて中心まで伸びています。
特に、駒の下の空間には、菌糸の固まりのエリアが見えます。
駒のために開ける穴を、深くドリルで開ける理由は、この空間がより中心部に菌糸を張らせる基地の役割をするという事です。
クロコブタケ(左)に侵された原木と、シイタケ菌糸に覆われた原木の対比です。
実際のホダ場での観察。
害菌を勉強すると、けっこう害菌がアチコチに見受けられる~と言うより、気づけるようになります。
ダイダイタケ(高温・多湿・木材腐朽菌)
ダイダイタケの下の樹皮を剥ぐと、ちょっと違う菌糸がはびこっている。
他にも、乾性害菌の木材腐朽菌では、シトネタケ(中温・乾燥)・ニマイガワ(高温・乾燥)・スエヒロタケ(高温・乾燥)。
湿性害菌では、ゴムタケ(中温・多湿・木材腐朽菌)・トルコデルマ菌(中温・多湿・菌寄生菌)・ピポクレアペルタータ(中温・多湿・菌寄生菌)など習いました。
しかし、シイタケ菌が育つ同じ温度や湿度を過ごす時期もあるので、いかに早くシイタケ菌糸を伸ばせるかにある~
つまり、害菌は殆どが20℃以上で着床するので、駒打ちの適期が『梅の開花:2月~桜の開花:3月』というのは、害菌の着床前にシイタケ菌をスタートさせる事がポイントとなります。
また、仮伏せ~本伏せの期間もシイタケ菌に合った環境づくりに心がける事も大事です。
その環境が合っているのかの判断が、活着状況と害菌の種類を見分けられる事が技術アップです。
生育環境づくりの具体策~
●乾燥を好む害菌発生の場合
・人工散水
・雨の浸透を促す(笠木の厚さ(雨が届くよう薄く)・遮光ネットの目合い(薄く))
・風を遮る(ホダ木周りの雑草を残す)
●多湿を好む害菌が発生している場合
・通風を良くする(ホダ木周りの雑草を刈る)
・ホダ木を粗に組み直す
●高温を好む害菌が発生している場合
・日陰を作る(笠木の厚さ(厚く)・遮光ネットの目合い(密))
・通風を良くする(ホダ木周りの雑草を刈る)
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研修室に戻って座学です。
融資制度や補助金制度、食品品質表示制度等たくさん教えて貰いました。
4回に渡った講座をなんとか皆勤できました。
修了証を頂き、感激でした。
午後2時過ぎに早く終わりました。
天気も良く、本当はのんびり昼寝は最高でしょうが~
気持ちの熱い内にと、それから実家の山に走りました。
植菌した後の仮伏せに使う、笠木用の樫の木を倒していたので、親父にも手伝って貰い一緒に山から降ろし、持ち帰り作業です。
軽トラックに乗って、かさばる枝葉を踏みつけながら荷台に圧縮していきます。
こういう時には、ロープワークが役に立ちます。
南京結び(トラッカーズヒッチ)は必須技術です。
緩みがないように、しっかり縛ります。
まだまだ仕事の合間の休日規模の手始めなので、今回の『原木栽培しいたけ新規参入者研修会(4回)』で学んだ事を、少しずつ実践して身につけたいと思います。
定年退職まで、あと3年~今の内から準備しようと受けた研修会でした。
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