この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

プラダを着た悪魔。

2007-05-04 20:38:03 | 旧作映画
 アン・ハサウェイ主演、『プラダを着た悪魔』、DVDにて鑑賞。

 さすがに評判になるだけあって『プラダを着た悪魔』、よかったです。
 本作を見て、うわ、つまんねー映画見た!って思う人はあんまりいないでしょう。
 女性向けの宣伝キャンペーンが張られていたようですが、老若男女、誰にでも楽しめる作品といっていいのではないでしょうか。
 なので。
 あえて重箱の隅を突付いてみたいと思います(って捻くれてるな~)。

 まず、出版前の『ハリー・ポッター』の新作をアンディが手に入れるのは絶対にありえないと思います。っていうか事実であればこれって明らかに法に触れてるでしょ。出版社に訴えられても仕方ないんじゃない?まぁミランダとしてはそれを承知で無理難題を吹っかけたのかもしれないけれど。

 それからこの作品を見て思ったのはオシャレって本当に不毛なんだなってこと。アンディは作中とっかえひっかえブランド物の服を着るわけなんですけど、結局彼女は一着も自分では服を購入しないんですよ(少なくとも購入するシーンはない)。彼女の着る服はすべて出版社の衣装部の借り物です。アンディがオシャレに目覚め、ファッションセンスを高めていく様に羨望の眼差しを向ける女性の人がいたとしてもそれを真似するってことはまるきり出来ない。一般の人には出版社の衣装部とは無縁だし、望めばブランド物の服を買ってくれるパトロンがいるわけでなし。
 本作がファッション業界を舞台にしていてもテーマは別のところにあるとしても、一言でいいからアンディの口からオシャレっていうのはちょっとした着こなし方から始まるのよ、みたいな言葉が欲しかった。まぁ流れからいって無理な話だけれど。

 あとアンディの尻の軽さにもいささか閉口したかな。彼女はパリでプレイボーイの業界人と一夜を共にするんだけど、自分が置かれている立場が変わるとあっさりと元彼とよりを戻しちゃう。その業界人の彼も彼女のために結構いろいろと尽くしてるんですよ。彼女のために『ハリー・ポッター』の新作を手に入れてあげたり、彼女に業界関係者を紹介したり。その彼も結局ミランダにいっぱい喰わされた口で、つまりそれなりの苦境にあるわけで、、、その彼を顧みず、元彼の元に走っちゃうのは、いただけないかなぁ。まぁ作中描かれなかっただけで、きちんとケリをつけて元彼のところに行ったのかもしれないですけどね。

 などと無理矢理に重箱の隅を突付いてみましたが、でもやはり本作が良質の娯楽作であることは間違いないので、ブランド物に興味のある方もない方も未見の方はご覧になっては如何でしょうか。
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スパイダーマン3。

2007-05-04 00:21:08 | 新作映画
 サム・ライミ監督、『スパイダーマン3』、Tジョイ久留米にて鑑賞。

 
 素直にサム・ライミの力量に感心してしまった。
 巷では『スパイダーマン3』を評して、やれ詰め込みすぎだの、心理描写が足りないだの、展開が唐突だのと散々言われているようだが、そういった酷評している人に聞きたい。
 クライマックスの四大超人バトルは燃えなかったのかい?と。あれが三大超人バトルで満足したのかい?もしくは一対一のタイマンでもオーケー?
 自分はクライマックスのあのバトルは燃えたけどなー。勧善懲悪のヒーローものってどれだけ主人公が絶体絶命の危機に陥れられるかが作品の胆になると思うのだけれど、あれ以上のシチュエーションってちょっと考えられないでしょう。その後の展開がお約束だとしても。

 心理描写が足りない、展開が唐突だというのも、そりゃもっともな指摘なのかもしれない、けれど登場人物の心情の変化を細かく追って、より丁寧な展開にしたとして、それによって上映時間が四時間近くになったとしたら、どうだろ?まぁピーター・ジャクソンの『キング・コング』の前例もあるから監督が趣味に走って上映時間がやたらと長くなるっていうことが一概に悪いってわけじゃあない。でも上映時間が一時間長くなれば、確実に一割から二割は興行収入は減少するのではないだろうか?(『キング・コング』は興業的には惨敗したと聞く。もちろん逆に短ければいいってもんじゃない。『ターミネーター3』など論外。)

 映画っていうものは様々な側面を持つ。時には単なる娯楽であり、時には高尚な芸術でもあり、そしていうまでもなく興業でもある。である以上ヒットすることも念頭に入れて作品作りはしないといけない。自主制作映画ってわけじゃないんだから。
 新たな敵キャラを数体登場させ、ストーリーは複雑に入り組んでいて、すべてのバトルに手抜きはなく、何よりクライマックスのバトル・ロワイアル!!これだけのものを詰め込んで上映時間を二時間十九分にまとめ上げるサム・ライミのお手並みは見事としかいいようがない。
 これで文句を言ったらバチが当たるよ。

 ついでにいっておくと『スパイダーマン』シリーズにおけるヒロインMJ役のキルスティン・ダンストがブスだとか、顔が怖いとか、むくれているとか、そういう声もよく耳にする。確かに本シリーズでの彼女はブスだ。そして顔が怖い。むくれてもいる。でもそれは必ずしも彼女のせいってわけじゃない。なぜなら他の作品では結構可愛かったりするからだ。
 じゃキルスティン・ダンストがブスに見えるのは監督であるサム・ライミのせいなのか?その問いに対する最終的な答えはイエスだ。イエスではあるが、サム・ライミにそういうことを求めるなよ、と言いたい。彼の本領はそこにはないのだから。おそらくヒロインがキルスティン・ダンストじゃなくても、例えばリンジー・ローハンやキーラ・ナイトレイ、スカーレット・ヨハンソンであっても可愛くは撮れてはいなかっただろう、そう思う。

 何だか脈絡のないことを書いてしまったような気がするが、ともかく『スパイダーマン3』は単純なアクション映画が好き!って人には必見!!逆に映画においてヒロインは可愛くなければならない、と考えている人は観に行ってはいけないと思う。
コメント (4)
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