この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

グラインドハウス。

2009-04-07 21:46:45 | 戯言
 自分の手元に『グラインドハウス』コンプリートBOX【初回限定生産】がある。
 この世に豪華特典を謳うDVDセットは多かれど、このコンプリートBOXの特典の豪華さは際立っている。 
 詳しい説明は省くが、新品価格が¥10,000近くするのも納得出来る、極めて充実した内容である。
 タランティーノファンであれば喉から手が出るほど欲しいシロモノに違いない。

 だが自分はタランティーノファンでも何でもない。
 そんな自分の手元にこのコンプリートBOXがあるのには事情がある。

 自分は信じない人間だ。
 神の存在を信じない。
 宗教を信じない。
 宇宙人の存在を信じない。
 幽霊の存在を信じない。
 占いを信じない。
 運命を信じない。
 希望を信じない。
 自分を信じていない。
 この世界のほとんどすべてのものを信じていない。

 だから、彼の訃報も俄かには信じられなかった。
 もしかしたら、タチの悪いイタズラなのかもしれない、と思った。
 今までにも何人もの相手からそういったタチの悪いイタズラやジョークや嘘に散々騙されてきた。
 
 それを確かめるために彼の遺族に形見分けを申し出た。
 彼が生きていれば絶対に手放さないであろうDVDを数点分けてもらうことにした。
 DVDが届かない限り彼の死は自分の中で確定しない。

 果たしてDVDが自分の元に送られてきた。
 そのうちの一点が『グラインドハウス』コンプリートBOX【初回限定生産】だった。
 熱烈なタランティーノファンである彼の宝物だ。
 彼の訃報は残念ながらタチの悪いイタズラではなかった。
 彼の死が自分の中で確定した。

 正直にいって、『グラインドハウス』に収録されている『プラネット・テラー』を鑑賞しても、それのどこが面白いのかよくわからなかった。
 けれども自分には『プラネット・テラー』の面白さを尋ねるべき相手がいない。
 それが残念でならない。
コメント (6)
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