この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

【アーマード 武装地帯】、脚本コンペティション受賞作にしては・・・。

2010-03-27 11:29:40 | 新作映画
 ニムロッド・アーントル監督、コロンバス・ショート主演、【アーマード 武装地帯】、3/27、Tジョイ久留米にて鑑賞。2010年12本目。

 久しぶりにレイトショーで映画を観てきました。
 本作は、ニコル映画脚本コンペティションにおいて(そんなコンペティション、今まで聞いたことなかったけど。笑。)六千本以上の応募作の中から映画化された脚本と聞き、そんなに優れた脚本なら観に行ってみようかな?と思ったんですが、だらだらと日々を過ごすうちに前売り券を購入し損ね、これは鑑賞しない運命だったんだな~と思っていたところ、結局週末暇を持て余していたのでレイトショーで観てきた次第です。
 感想はというと、う~ん、、、これが脚本コンペティション受賞作?ってところですかね。

 現金輸送会社に務める警備員たちが自分たちが輸送する4200万ドルの大金を自分たちでくすねちゃおうって計画を立てるのですが、計画の実行中、目撃した浮浪者を仲間の一人が撃ち殺したことで仲間割れが起きて、、、ってお話です。
 何ていうか、ともかく人物が掘り下げられていないんですよ。
 仲間たちを敵に回し、アーマード、つまり装甲輸送車に立てこもる若者が主人公なんですが、なぜそうまでして人殺しを厭うのか、作中まったく理由が説明されないので、ぶっちゃけこの段階で正義感を振りかざすかよ!って観ていて思っちゃいましたね。
 主人公の若者はイラク戦争帰りの英雄という設定なので、おそらく戦地で何かあったから人殺しを厭うようになったんでしょうけれど、最低限もう少し具体的なエピソードがあって然るべきだと思います。
 そうじゃないと仲間を敵に回してまで正義を貫こうとする主人公の行動に説得力が感じられませんから。
 
 無論掘り下げられてないのは主人公だけじゃなく、というか、主人公はまだしもマシな方で、強奪犯の一人に、主人公に向かって「お前は何もわかっちゃいないんだよ」とか何とか捨て台詞を残して廃工場の屋上からヒョイと飛び降りるヤツがいるんですけど、そりゃわかんないよ!だってそいつがなぜ計画に加わったのか、背景や事情はこれっぽっちも説明されないんだもの。

 そんなこんなで主人公は仲間だった強奪犯を見事一人でやっつけました、メデタシメデタシ♪みたいな感じで終わっちゃうんですが、おいおい、そこでそれはないだろうって思いました。
 どういった事情があるにせよ、仮にも交友のあった仲間たちをその手にかけたのだから、増してや主人公は人一倍人殺しを厭うという設定なのだから、そこにあるのは“空虚さ”じゃないのかい?って言いたくなりました。

 まぁ何も期待せずに観に行けばそれなりに楽しめるB級アクションかもしれませんが、六千本の中から選ばれた脚本?これは面白いに違いない!!なんて期待して観に行ったら、(主人公の代わりに)思わぬ“空虚さ”を味わうことになるかもしれません。。。

 お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
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