この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

幻想の魔術師カレル・ゼマン。

2012-05-30 22:46:09 | 旧作映画
 古本屋ほど成り立たない商売はない、と思っています。
 だって、取り扱うのは「誰かがいらなくなった本」ですからね。
 最終的には「誰もいらない本」ばかり扱うことになるんじゃなかろうか、なんて意地悪なことを考えてしまいます。

 とはいうものの、何かしら目ぼしい本や掘り出し物はないかと、時間に余裕があれば、新古書店や古本屋に寄ってるんですけどね。笑。

 それで、福岡市動物園に遊びに行った帰り、何気なく寄ったブックオフで、あるDVDを見つけて、マジかよ、と驚いてしまいました。
 そのDVDとは幻想の魔術師という異名を持つチェコスロバキアのアニメーション作家、カレル・ゼマンの『クラバート』です。

 元々、ドイツの児童文学作家オトフリート=プロイスラーが書いた原作の『クラバート』が大・大・大好きなんですけどね。
 プロイスラーの著作で一番知られているのは『大どろぼうホッツェンプロッツ』だと思いますが(もしかして、今の若い人は知らない?)、最高傑作はやはり『クラバート』だと思うのです。
 とにかく何もかもが素晴らしい。
 読んだことがない人は是非読んで欲しいですね。
 だいたいどこの図書館でも蔵書としておいてあるはずだし、ジュンク堂や積文館など、ある程度大きな書店であれば必ず置いてあります。

 それほど優れた作品ですから、過去には何度か映像化されていて、最近では2008年に実写映画化されました。
 しかしこれが何ともショボい出来で、、、鑑賞して心底ガックリしましたね。

 カレル・ゼマンの手によるアニメ版の『クラバート』もその存在は知ってたのですが、見る手段はないだろうと半ば諦めていました。
 まぁツタヤに置いてあるシロモノではないですからね。

 それがブックオフに置いてあったんですから、本当に驚きましたよ。
 昨日鑑賞を終えたばかりなのですが、実写版がショボかったのに比べると、かなりよかったです。
 原作はそれなりに長いお話なのですが、それを上手く七十分程度にまとめてあるなぁと感心しました。
 でもやっぱり原作には遠く及ばないので、今度の週末にでもまた原作の方を読み直してみようかと思います。
コメント (2)
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