この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『虹色ほたる~永遠の夏休み~』、瞠目すべき絵の美しさ!!

2012-05-16 22:42:35 | 新作映画
 川口雅幸原作、宇田鋼之介監督、『虹色ほたる~永遠の夏休み~』、5/15、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野での試写会にて鑑賞。2012年19本目。


 今年に入ってから二回目の試写会。
 三ヶ月に一度と考えればまぁまぁのペースかな。
 試写会って思いがけず傑作に出会えることもあるから侮れない。

 近年のスタジオジブリの作品を観てガッカリするのは、その意味不明なストーリー展開もさることながら、驚くほど手抜きの作画レベルだったりします(『ココリコ坂から』は未見だけどね)。
 ジブリって日本で一番潤沢な資金の元でアニメを作れるスタジオのはずなのに、どうしてあんな手抜きの絵で監督はGOサインを出せちゃうんだろ?
 『ハウルの動く城』なんてモブシーン(群衆)は、人の顔がほとんどカカシにしか見えませんでしたよ。

 いやいや、ジブリの作画は充分綺麗でしょ!!っていう人がいたら、例えば『マイマイ新子と千年の魔法』でも見て欲しい。全然比べ物にならないぐらいあっちの方が美しいから。

 それにもちろん本作もね。
 ほとんど事前に情報を仕入れずに試写会に臨んだんですが、絵の美しさには目を瞠りました。
 背景が、すべてのシーン、すべてのカットでまるでポストカードのように美しいんです。
 どんだけ気合を入れて描き込んでるねん!っていいたくなるぐらいの緻密さ、美麗さでしたね。
 それを観るためだけにお金を払う価値は充分あると思いますよ。

 ただ、背景に比べると人物が若干平べったく描かれていて、最初の内は少し抵抗があるかな。
 でも悪いってわけではないんです。どちらかというと味があるとさえ言っていい。
 おそらく、美麗な背景に溶け込ませたくなくて、あえて人物は平べったく描かれてるんだと思います。
 背景と人物が同じ調子で描かれていたら、その良さが半減されると監督は考えたんじゃないかな。

 ストーリーは、父親を事故で無くした現代っ子の少年が鉄砲水に流されて、三十年前の世界にたどり着き、そこで一人の少女と出会う、、、というぶっちゃけありがちなタイムスリップもの。途中サプライズはあるんですが、奇を衒った内容ではありません。
 でもそれでいいと思います。
 あまり話をひねり過ぎて筋が通らなくなるよりも、こういうオーソドックスなお話の方が素直に感動しやすいですから。

 この先、大作映画の公開が控えてますが、その前に一息つく意味でも、本作のような佳作を観に行かれては如何でしょうか。
 癒されると思いますよ。


 お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (2)
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