注:直接的性表現を含みます。
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「今日はおれが口でする」
「………はい?」
おれの19歳の誕生日の夜、ホテルに着くなり、慶に真面目な顔で宣言され、頭の中が?でいっぱいになった。
「何の話?」
「何の話って、ラブホテルでやること以外になんかすることあんのかよ?」
「………えーと」
口でする? 口で………口で?
「えええ?!」
驚きのあまり飛びのいてしまう。
「口でって、え、慶……」
「なんでそんな驚いてんだよ。お前だって何回かしてくれたことあるじゃねえかよ」
「いや………そうだけど………」
何を突然……
「せっかく誕生日だしな。なんかおれにできることねえかなって思ってさ」
「慶………」
う、嬉しい……けど、恐れ多いというかなんというか……。ホテルにくるのももう6回目なんだけど、全然慣れない。
あらためて、慶の顔を見つめる。
黒目がちな瞳。スッと通った鼻梁。透き通るような白皙……誰もが振り返る完璧に整った顔。この、小さめの形の良い口に、おれのものが???
「いやいやいやいや……無理でしょう」
「なんでだよっ」
「あ」
しまった。慶がキッと怒った目を向けてきた。
慶は負けず嫌いなのだ。無理とか出来ないとかそういう言葉をいうと、余計にムキになる傾向が……。
「あ、違う違う。無理っていうのは、そういう意味じゃなくて……」
慌てて訂正したけれど遅かった。
ムッとした顔をしたまま、慶がおれのベルトに手をかけてくる。
「無理かどうかはやってから言え」
「だから、そういう意味じゃ……っ」
ザッとズボンを下着ごと下ろされ、おもむろに掴まれた。慶の細い指。頭に血がのぼってくる。
「慶……っ」
「立ったままだとやりにくいな。そこ座れ」
「……っ」
扱かれたまま、ベッドに座らさせられる。ズボンを脱がされ、足を広げさせられると、おれの足の間に慶がちょこんと小さく正座で座りこんだ。
(か……かわいいっ)
って言葉は、どうにか飲み込んだ。たぶん、今、それ言ったら怒られる…。でも、思わずにいられない。正座して見上げてくる慶。手に持っているのが醜悪なおれのものだというアンバランスさに余計にそそられる……。ほどよい強さで扱かれ続け、あっという間に本勃ち状態になってしまった。
慶がにーっと笑った。
「もう、出てきてる」
「………んっ」
先っぽを赤い舌でなめられ、全身にぞくぞくぞくっと震えがくる。
こちらを上目遣いでみてくる慶……。こんなきれいな人がおれのために……?
おれなんかのために、おれのものを、こんなきれいな唇が………
………どうしよう。
「慶」
「あ?」
まさに、咥えようとしてくれているところを呼び止めると、慶が首を傾げた。
「なんだ?」
「やっぱり……やめようよ」
「なんで」
「……っ」
亀頭にキスをされ、一瞬息ができなくなった。ああ、どうしよう……。
「慶、だから……」
「ほら見ろ、こんな先走り出てきてる。気持ちいいんだろ?」
「そうだけど、でも……」
抑えがきかなくなる。こんなことをしてもらったら、また、おれの中の黒い黒い感情が噴出されてしまう。
慶を、めちゃくちゃにしたい、という黒い欲求が……。
………なんてことは言えない。絶対に知られたくない。
「まあ、いいから、やらせろ」
「………っ」
おれの内心ほったらかしで、慶がおもむろにおれのものを咥えこんだ。
「け……慶っ」
その映像だけでも、もうどうにかなってしまいそうなのに、慶の唇が亀頭だけを吸い込んで、舌で出てくる穴を強く舐めてくるので、もう……
慶の中に入れると時とはまた違う、快感。器用に動いている舌がいやらしい………
「慶……なんかやらしい……っ」
「ああ?」
口から離して、ちょっと笑った慶。かわいすぎる……
「お前こないだ同じことしてたぞ」
「え……んんんっ」
裏の筋のあたりをツーッと舐められる。その刺激も気持ち良いんだけど、慶の鼻の頭にトンっトンっと亀頭がぶつかることで、余計に感じでしまう……っ。
「慶……っ」
「ん」
小さな口いっぱいにおれのものが含まれる……。歯を微妙に立てられながら、出したり入れたりされ……。
慶、うますぎだろ。初めてとは思えない……っ。
「なんで……っ」
思わず一瞬よぎった嫌な気持ちを吐き出してしまう。
「まさか、初めてじゃないの? こんな……っ」
「アホか」
ぷっと吹き出した慶。
「初めてに決まってんだろ。いつ誰とやんだよ」
「だって、うますぎる……っ」
「ばーか」
再び咥えてくれる慶。舌が艶めかしく動いている。
「慶……慶」
「ん」
上目遣いの目が笑ってる。ああ、慶………愛おしい慶。
それなのに、おれは頭がおかしい。
慶、わからないでしょう? おれが今、何を考えてるのか。
「慶……」
その綺麗な顔が苦痛でゆがむくらいに、喉の奥までつっこみたい。
その柔らかい髪を掴んで、咥えたままの唇をおれのものの付け根まで押しつけたい。
思いきりその可愛い口を突き続け、そして泣きそうな慶の顔に……
「浩介?」
「!」
慶の涼やかな声に我に返る。
「変な顔してる。どうかしたのか?」
「………」
動悸が激しくなりすぎて倒れそうだ。
絶対に、こんな心の中、読まれたくない。
「浩介?」
「うん……」
すうっと頭の中が冷めてくる。ごまかさないと……
「どうしたって、こんなことしてもらって、どうにもならないわけないでしょ。気持ち良すぎだよ。どっかで練習したのかって疑いたくなるくらい」
「なんだそれ」
くすくすと慶が笑う。
その笑顔を見ながら、一度引いた感情がよみがってくる。
今日は予備校の目の前まで迎えにいったのだが、そこで慶が同じ予備校の奴らと一緒にいるところを目撃してしまったのだ。……慶、楽しそうだった。同じ医学部を目指す仲間たち。仲も良くなるのだろう……。
高校ではずっと一緒にいたし、慶の友達とも知り合いではあったから、どんな奴だか分かっていて安心だった。でも、これからはそういうわけにはいかない。分かっていても、嫉妬の心は沸騰し続けている……。
おれの黒々とした感情など、全然知るはずもない慶。
いきなり、嬉しそうにおれの腿をパチパチとたたいてきた。
「そうかそうか。そんなに上手いか。だから無理じゃなかっただろ」
「……慶」
ぷっと今度はこちらが吹き出してしまった。
得意そうな慶。かわいい。
「………」
やっぱり慶だ。さっきまでの黒い感情が浄化されていく。やっぱりおれを救ってくれるのは慶だけだ。
慶はヒヒヒと変な笑い方をすると、萎えかけたおれのものをぐいっとつかんだ。
「んじゃ、続きをしてやろう」
「んん……っ」
再び咥えられ、のけぞってしまう。慶、やっぱり上手すぎる。きっとこの人は何をやらせても器用にこなすんだろうな。
「慶、慶」
「んあ?」
咥えたままこちらを見上げる慶。ああ、かわいすぎる……
「これも気持ちいいんだけど……」
「んん?」
「でも、普通にもやりたいっ」
「……そうか」
ふむ、と慶は肯くと、
「じゃあ……」
「!!!」
うわわわわっとバタバタ手を動かしてしまった。慶がどうやったのか、たくさんの唾液でおれのものを包んだのだ。
何だこれ……っ。また更に気持ち良すぎるっ。
「んじゃ、これで」
おれのものから離した形の良い口から糸が引いている……。色っぽい……。
「ほら、やるぞ?」
姿の色っぽさとは真逆に、健康的な口調で言うと、慶はぽいぽいぽいっとあっという間に着ているものを脱ぎすてた。そして、身軽にベットの上に飛び乗り、コロンと横になる。惜しげもなく晒されるギリシャ彫刻のように整った体……。
「早くこいよ?」
「う……うん」
おれも着ていたシャツを脱いでから、遠慮なく、その白い脚を押し開く。
「慶……」
「ん……」
ゆっくりと押し入れる……。ああ……一つになっていく。
誰も、こんなことできない。おれだけに許された冒涜。
「どっちが、いい?」
おれに貫かれ、膝を胸のところまで上げられた、あられもない姿の慶が聞いてくる。
「さっきとどっちが気持ちいい?」
「どっちも」
間髪入れず答える。
「気持ち良さの種類が違う。でも……」
「あ……っ」
大きくなりかけた慶のものを優しく掴むと、慶が敏感に反応して声をあげた。そう。この声……。
「慶の声、聞きたかった……」
「んんん……っ、あ……っ」
突き上げ、腰を振りはじめると、慶の声が喘ぎ声に変わった。切ない表情もたまらない……。
「慶、慶……」
「ん……あ……浩介……っ」
慶の指が膝立ちしたおれの腿のあたりに食い込んでくる。この痛さも好き。しばらく痣になるんだけど、愛された証拠のようで見る度に嬉しくなる。
慶がぎゅうっと締め付けてくるたび、快楽の波が押し寄せてくる。そもそも、さっきまでのフェラで限界がきていた。もう、もたない。
「慶、ごめん、もう……無理っ」
「ん……っ」
慌てて引き抜くと、慶の細い指がぎゅっとおれを握りしめ、確実に頂点に連れていってくれる。
「あ……っ」
頭が真っ白になる。吐き出されたおれの全てが慶の手の中にある。ふわりと優しく笑ってくれる慶……。
「慶………」
脱力しそうになるところを何とか持ち直し、すぐさま慶に手を伸ばす。
左手の中指と人差し指を、おれが今まで入れていたところに差し入れ掻き回す。そして右手でものを強めに扱くと、慶が身をよじった。
「あ……っ 浩……」
快楽と苦痛の入り交じった慶の顔……。
たまらなくなって、慶のものにしゃぶりつく。慶の味。
「わ、ばか」
慶が慌てたようにおれを引き剥がそうと頭を押してきたが、構わず続ける。左手を出来る限り奥まで突くと、慶がビクビクっとなって両手を投げ出した。シーツを掴み、涙目でおれのことを見下ろしてくる。
(たまんないな……)
かわいくて、愛おしくて、たまらない。慶のものがおれの口と右手の中で最大限にまで膨れあがってくる。慶が喘ぎ声の合い間に文句をいっている。
「浩……っバカお前っもうイクって」
「ん」
「このままだと口ん中……っ」
「ん」
今まで口でしたことはあるけれど、口でいかせたことはない。
破裂寸前の慶が身を引こうとするのを、容赦なく肘でおさえつける。
「浩……っ」
右手で扱きながら、先の方は口でくわえ続ける。そして左手を掻き回しながら差し入れする。慶は言葉にならない喘ぎ声をあげ、身をのけぞらせると、
「……あああっ、わーっバカバカバカっ」
最後は、盛大に文句を言いながら、勢いよく吐き出した。
「……っ」
喉に直接、慶の精液が当たり、えずきそうになったところをゴクリと飲み込む。
「あ……っ」
ビクビクっと慶が震える。勢いが無くなろうとしている慶のものを丁寧に舐めつくす。苦い……
しつこく舐め続けて、ようやく口を離したところで、
「お前ー」
パタン、と両手を投げ出し、天井を見上げた慶……
「んんん?」
その横に寝そべり、慶の頭の下に腕を入れ、抱き寄せると、慶がきゅきゅきゅっとおれの胸に額を押しつけた。
「何飲んでんだよーAVじゃあるまいし、恥ずかしいだろー」
慶、本当に恥ずかしいらしく、顔が赤くなっている。
あまりにもかわいいので、からかいたくなってしまい、真面目な顔をして慶に言ってみる。
「誕生日プレゼントかな? と思って」
いうと、慶が首をかしげた。
「は? 何が?」
「だから、慶のが」
「は?」
「ごちそうさまでした! みたいな?」
「…………」
「…………」
しばらくの沈黙のあと……
「あほかっ」
「痛っ」
おもいっきり頭突きされた……。
「慶ー痛いよー」
「あほなこと言うからだっ」
ぎゅううううっと腰に腕を回され、きつくきつく締め付けられる。
ああ……幸せだ。
「あ、そうだ。髪の毛洗ってやる」
「え?」
突然の申し出にキョトンと聞きかえすと、慶は腰に手を回したままこちらを見上げ、にやっと笑った。
「さっき、お前の頭にお前の出たもんベットリつけちまったからな」
「え?!」
そ、そういえば……。記憶を甦らせ、うわっと思う。あの時、おれを剥がそうとして慶がおれの頭を押して……
「か、確認したくない……」
「だから洗ってやるって。ほら行くぞ?」
慶がグイッとおれを引っ張りあげて、楽しそうに笑ってくれる。幸せすぎて苦しい。
「……ありがとうね、慶」
「何が?」
「初めて口でしてもらっちゃった」
「…………」
慶、ぶわーっと真っ赤になった。
「うるせえっ。そういうことイチイチいうなっ恥ずかしいっ行くぞっ」
慶はいつでも引っ張りあげてくれる。
黒い闇に沈み込んだおれを明るい光で強引に引きずり出してくれる。
慶がいてくれれば、おれは大丈夫……。
大好きな慶の手をぎゅっと握りしめ、心の中で呪文のように繰り返す。
慶がいてくれれば大丈夫。
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以上でした。
このような拙い小説を最後までお読みくださりありがとうございました。
本当は、病んでる浩介が慶の顔にぶちまけてしまった話を書こうと思っていたのですが、その前に、初めて慶がフェラしたときの話を書こうかな~と思いまして。
時系列的には、「R18・本格開発&受攻決定」のあとのお話になります。
しかし……元々慶がフェラした話を書こうと思ったのに、最終的には浩介が飲み干してるってのはどういうことでしょう^^;
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クリックしてくださった方、本当に本当にホントーに!ありがとうございます!!
いちいち、おお!とかうわ!とか画面見て叫んでます。いまだに慣れません。嬉しすぎます。
本当に感謝してもしきれません。ありがとうございます!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
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