注:具体的性表現入ります。苦手な方ご注意ください。
桜井浩介:教師。身長177cm。物腰やわらかな平均的男性。内面は病んでる。
渋谷慶:小児科医。身長164cm。超美形。中性的な顔立ちに反して性格は男らしい。
二人はずっと東南アジア某国で暮らしていましたが、ようやく日本に帰ってきました。
今日は、クリスマスイブイブ。二人が付き合いはじめた記念日でもあります。
(「あいじょうのかたち」がはじまる直前の話になります)
慶の妹南ちゃんが、横浜みなとみらい地区にあるとあるホテルの予約を譲ってくれました。
久しぶりの日本!久しぶりの横浜の夜景!これはもう盛り上がるしかないでしょ~~。
浩介視点でいきます。
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『風のゆくえには~R18・聖夜に啼く』
久しぶりの日本。久しぶりのみなとみらい。色々と変わっていたので、慶と一緒に間違い探しをしながら方々歩き回った。
今は、観覧車が見えるホテルの一室にいる。
慶の妹の南ちゃんが、旦那さんと来るはずだったのが急に都合が悪くなったそうで、予約を譲ってくれたのだ。そうでなければ、クリスマスイブ前日にこんな良いホテル、予約なんて取れるわけがない。
無駄に広いベッド。窓から観覧車が見える浴室。これ一泊何万するんだろう……。
「帰国祝いのプレゼントだってよ。有り難く受け取ろうぜ」
慶はご機嫌で鼻歌なんか歌ってる。慶が鼻歌なんて、すごく珍しい。
歌っているのは、恋人がサンタクロース。
散策している最中に、おれたちが日本を離れていた間にできた新しい商業施設の中で、聖歌隊の子供たちのステージをみたのだ。
ツリーの前に人だかりができているのを不思議に思って近づいていき、そのままそこで二人釘付けになってしまった。
なんて澄んだ綺麗な声!
クリスマスソングからはじまり、途中で日本のポップスの曲も入り、今年大流行したディズニー映画の歌まで歌ってくれた。
「日本に帰ってきたんだな……」
ポップス曲を聴きながら慶がポツンとつぶやいたのを聞いて、胸が締め付けられた。おれのせいでずっと帰ってこられなかったんだもんな……。
「慶……あの」
「おれこの曲好き」
「え」
暗い気持ちに沈みそうになったところ、いきなり手を掴まれ、その手を慶の手ごとダウンジャケットのポケットに入れられた。ポケットの中でつながる手。みんなステージに目を奪われているから、慶がおれのポケットに手を入れてるなんて気がつかないだろう。
ギュッとポケットの中で手を握ってくれる慶……。愛おしい……。
最後はきよしこの夜を皆さんで歌いましょう、と言われ、2人して真面目に歌ってみた。
子供たちの穢れのない歌声に皆が包まれていく。
キリスト教徒でもなんでもないのに、今、神様に感謝したい。と心から思った。
神様、感謝します。慶と出会わせてくれて、慶と一緒にいさせてくれて。これからも愛しいこの人と共に生きていけますように………
「これ、観覧車から見えてねえのかなあ」
ふと鼻歌をやめて、つぶやいた慶。湯船に浸かりながら大きな窓から外を見つめている。煌びやかな夜景をバックに、完璧な裸体が揺蕩っていて、まるで映画のワンシーンのようだ。
「んーよっぽど窓に近づかない限り大丈夫なんじゃない?」
いいながら、慶の背中の方から足を入れる。
「夜景、綺麗だね。空に浮いてるみたい」
「キラキラしてるな」
キラキラしてるのは慶も同じだけどね……。
思いながら、湯船の中で背中からぎゅうっと抱きしめると、
「……こういうの、すっげー久しぶりだな」
慶が絞り出すようなため息と共に言った。
「うん。やっぱりお風呂はいいね」
夜景を見ながら、空の向こうに思いを馳せる。
とうとう、日本に帰ってきてしまった……。
でも、大丈夫……おれの腕の中には慶がいる……。
「慶……さっき歌聴いてる時さ…」
慶の細い指を湯船の中で探し出し、絡ませて繋ぐ。
「手、繋いでくれたの、すごく嬉しかった」
「ああ……」
慶がおれの手を取り、指を噛むように口づけてくれる。
「なんかどうしても手繋ぎたくなったんだよ」
嬉しい。慶が照れたようにうつむいたので、白いうなじが晒された。
「手だけ?」
その色っぽいうなじに唇を添わせると、慶がピクリと震えた。
「んん……っ」
慶のこらえるような声。
慶は声を抑えることが癖になってしまったようだ。この8年、外に漏れ聞こえることを心配して、夜の生活の音は極力しないように心掛けていた影響だろう。
「ねえ、慶……声、聞かせて?」
「ん……っ」
お湯の中で慶のものを優しく掴む。もうすでに固くなっていた。
「慶の声、聞きたい」
「……んなこと言われても」
熱い吐息を吐きながらも慶が冷静に言う。
「声なんか出そうと思ってでるもんじゃねえだろ」
「なんで。日本にいたころはいつもイイ声で喘いで……」
「ああ?」
あ、しまった。慶の眉間にシワが寄った。
「何だって?」
「あー……あの……」
おれが答えるよりも早く、慶はざばっとおれの手から離れ、立ち上がった。
怒らせてしまった……?
慶はそのまま行ってしまうのかと思いきや、くるりとこちらを向き、心配して慶を見上げていたおれの方へ身をかがめた。
「え……」
慶の柔らかい唇が下りてくる。味わうように唇を吸い込んでくる慶……。
でも、舌を絡めたくて、そちらに割り入ろうとしたところで、すっと身を引かれてしまった。
「慶……っ」
つんのめりながら慶の腕をつかんだが、慶はスルリと湯船から出ていってしまった。
(ああ、せっかくの夜景が見えるお風呂。もっとここでイチャイチャしてたかった……)
内心グルグルしていたら、慶がバスロープをはおって戻ってきた。
「慶?」
慶は浴槽から窓まで続いているスペースに身軽にのぼると、そこにあった石鹸やタオルを横によけて、こちらをむいて腰をかけた。
「お前、そんなこと言うならな……」
そして、湯船にいるおれの肩に片足をのせ、ジッとおれのことを見つめてくる。
吸い込まれそうな瞳。目が離せない。
慶の足がすいっと動いた。足の指で頬をなでられゾクゾクする。
「そんなこと言うなら……」
慶は挑発的な瞳で、ささやくように続けた。
「イイ声で啼かせてみろよ?」
「………」
夜景を背にした美しい姿……空に浮いているみたいだ。白いバスロープのせいで余計に天使のように見える。おれだけの天使。
足の指に口づける。慶は足の指まで美しい。長くて細くて……舌を使ってしゃぶると、ビクビクっと慶が震えた。
そのままふくらはぎ……膝の後ろ……太腿……と唇を上に這わせていく。
バスロープの前をはだけさせ、足を押し広げる。のけぞった慶の白いあごが、窓にうつる……
「慶……」
そっと陰嚢を包み込む。慶から滴が垂れはじめているけれど、わざとそこには触らず、まわりにだけ舌を這わせる。
「……んっ」
小さく慶がうめいた。腰が浮いているのに気が付かないフリで、太腿にキスを続けていると、
「こう……っ、じらすな……っ」
「んー」
慶の文句に内心嬉しくなって、わざと足の指に唇を下ろす。
「んん……っこう……っ」
「うん………あ」
急に窓の外が明るくなったのに驚いて唇を離した。観覧車のイルミネーションがはじまったのだ。15分ごとに花火のようなイルミネーションが見られるのだが、毎時00分は5分間あるらしい。
「ほらほら、慶、さっきはすぐ終わっちゃったけど、今回は5分あるからたくさん見れるよ」
「あ……ほんとだ」
慶が観覧車を見るために、窓の方に体をむけた。その白い頬にイルミネーションが映りこむ。ああ、なんて綺麗な……
「慶……」
「ん………っ」
腰を掴み、四つん這いにさせると、慶の引き締まった尻の間の無防備な場所が、おれの前にさらけ出された。
イルミネーションに照らされるそのあられもない姿にどうしようもない興奮がかきたてられる。ここに自分の欲望を突っ込みたい。奥まで突きあげたい。……自制がきかなくなりそうだ。
少し冷静になり、後ろから手を回して、慶の滴を指でのばす。
「あ………っ」
慶がのけぞる。
滴で湿らせた指をうしろから差し込むと、慶はさらに仰け反った。
「こう……っ、指なんかでするな……っ」
「ダメ?」
「んんんっ」
指を奥まで入れてかき回しながら、前もゆっくり扱きはじめる。
「観覧車、綺麗だね。でも、こんな窓に近づいてたらさすがにあっちからも見えちゃうかな」
「ん………っ」
慶が観覧車から顔を背けようと体をねじった。その動きを利用して仰向けにさせる。
「でも慶は観覧車よりずっと綺麗」
「あ…………っ、んんっ」
慶の足を押し開き、慶の大きくなったものを口に含む。苦いような甘いような慶の味を舌で味わいながら、右手は後ろに入れたまま、左手は陰嚢を優しく揉む。
「あ………っ、こう……っ」
「声、聞かせて?」
しゃぶりながら、慶にいったが、慶はなぜかぶんぶん首をふった。
「いや……だっ」
「なんで。意地悪だなあ慶は」
「意地悪は、お前だろ……っ」
おれの指に突きあげられながら、慶が涙目でいう。
「お前のを入れろよ…っ。指なんかじゃイヤだ。声なんか絶対に出さねえ…っ」
「………慶」
「お前のが、ほしい…っ」
「………っ」
その目、その言葉だけで、イってしまいそうになる。破壊力全開だ……。
なんとか正気を保ちつつ、指を入れたまま慶の耳元に口を寄せる。
「じゃあ、入れたら声聞かせてくれる?」
「それはお前次第だろっ」
「……厳しいなあ」
軽くこめかみにキスをしてから、ゆっくりと引き抜く。ブルッと震えた慶……
ああ、かわいすぎる……
「なんかすごいプレッシャーなんだけど」
「なに今さら言ってんだよ」
「だって、これで慶が無言だったらさあ……。あ、終わっちゃった」
もう5分すぎたらしい。イルミネーションが通常の時計の秒針のみの点灯に変わってしまった。さっきまで眩しかったせいか、浴室の中が妙に暗く感じる。
「続きベットでする?」
「ここでいい」
「でも」
「さっさとしろ」
「…………」
いつもながらムードのない言葉。
ああ、さっきまでの盛り上がりは、イルミネーションの魔法だったんだろうか……
ブツブツ思いながら、こっそり浴室に持ち込んでいた潤滑ジェルの蓋を開ける。
この8年、南ちゃんが差し入れの荷物の中に毎回忍ばせてくれていたのだ。あちらでも売ってはいたのだけれども、相手もいないのに何買ってるんだ?と突っ込まれたら返答のしようもないので買えずにいたから、本当に助かった。
「お前、用意いいな」
「だって、観覧車のイルミネーションみながらしたかった……、んんっ」
慶がおれから容器を奪い取り、おれのものをぬるぬるとしたジェルで包んでくれる。萎えかけていたものが途端に固く大きくなっていく。
「だったらさっきなんで指でしてたんだよ?」
「んー、興奮しすぎて自制がきかなくなりそうだったから」
「なんだそりゃ」
慶は容器の蓋をしめると、自分の手についたジェルをバシャバシャと湯船で洗い、再び湯船横のスペースに腰をかけた。
「自制なんかするなよ? おれを満足させろ」
「だからそれがプレッシャーだっていうのに……」
「何言ってんだよ。いつもみたいにやりゃいいんだよ」
「いつもみたいに……」
ってことは、いつも満足してるってこと?
うわ……嬉しい。
「じゃ、遠慮なく……」
「ん……っ」
慶の白い脚を押し広げ、体の真ん中に自分の欲望を押し込める。指で慣らしてあった上に、ジェルのぬめりも手伝って、抵抗もなくズブズブと中に入っていく。慶は中まで熱くて引き締まっていて、おれを捉えて離さない。
「あ……っ」
慶の完璧に整った顔に苦痛の表情が浮かぶ。でも、これがすぐに快楽のゆがみに変わることをおれはよく知っている。
「慶……綺麗」
「あ……んん、夜景……?」
「夜景もだけど、夜景に浮かぶ慶がね……天使みたい」
「なに………んっ」
慶の太腿を強めに掴み、体を裂くように突き上げる。突き上げながら、慶がいつも一番感じるところを探しあてる。慶がいつも感じてくれるのは……
「……あっ」
慶の表情が変わった。ここだ。そのままそのポイントを外さないように突き上げ続ける。
「あ……っ、浩介……っ」
慶がイヤイヤというように首を振りながら、バスロープの端をぎゅうっと握った。かわいすぎる。
「慶……声、聞かせて?」
「んん……っ」
「慶………」
腰を動かし続けつつ、滴が浮かんでいる慶のものの先をなで、ゆっくりと扱きはじめると、
「あ………っ」
あああああ……っ
ようやく、堰を切ったように、慶の声があふれでた。
慶の、声……。
ようやく聞けた。慶の声。いつもの慶からは想像できない、色っぽくて、切ない、かすれた声。
興奮をかきたてられて、慶の中のおれがはちきれんばかりになってくる。
「慶……っ」
「んんん……っあ、浩介……っ」
涙目の慶が切なげにこちらを見つめ返してくる。
「慶、もう、限界……っ」
「一緒に……」
慶がおれの太腿に掴まりながら、足をシッカリと腰に巻き付けてくる。これじゃ外せないじゃないか……っ
「慶、そんなことしたら」
「中で出していい」
「でも」
「いいから……っ」
慶のあごが上がり、夜景に照らしだされる。白くて美しい……天使のようだ。
その天使の中に、欲望を吐きだすなんて……なんて冒涜。なんて魅力的な冒涜……
「ああ……慶……っ」
「あ……んんんっ、こう……っ」
浴室の中に喘ぎ声が響き渡る。お互いを呼ぶ声が交差してそして……
「ん……っ」
「慶……っ」
おれの手の中の慶が熱い熱を吐きだしたのと同時に、おれも必死にこらえていた欲望を一気に吐き出した。ドクンドクンと慶の中に吐き出されていく……。
「まだ」
「え」
あわてて抜こうとしたが、慶に絡めた足の力を強められ、動けなくなった。
「まだ。まだ繋がってたい」
「慶………、あ」
慶のかわいいセリフに胸が締め付けられたところで、再び外が明るくなった。15分のイルミネーションのはじまりだ。
「……綺麗だな」
「慶の方が綺麗だよ」
照らし出される慶の白い頬。本当に綺麗……
「ばーか」
慶が優しく笑ってくれる。少し枯れてる声。
ああ、本当に、日本に帰ってきたんだな……
頭の中で、聖歌隊の子供たちのクリスマスソングが鳴り響く。
一日早い聖なる夜に切に願う。どうか、どうか、この人とずっと一緒にいられますように……
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以上です。
最後までお読みくださりありがとうございました!
書きたかったシーンは、
・聖歌隊の歌を聴きながらポケットの中で手を繋ぐ
・夜景をバックに「イイ声で啼かせてみろよ?」という慶
でした。この二つを書くためになぜこんなに長くなる……
最近R18もの書いてなかったので、ついつい楽しくて……
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どれだけ励まされていることか……画面に向かって声出して「ありがとうございます!」と叫んでます(マジです)。
感謝の気持ちでいっぱいでございます。
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