きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

この夏の活字摂取状況

2012-08-30 20:00:00 | 徒然に2010-2013
というか、走ること以外のことばっかで良いんだろうか。



ビタミンF・重松清。
初めははずれというかしっくり来なかった。セッちゃん、なぎさホテルぐらいから、結構なじんできた。
あと、読んだ時期が読んだ時期だけに、重く感じた。家族、かあ。
「帰るためにあるんじゃなくて出て行くためにある」と語らせた部分が、とてもとても重かった。

パーマネント野ばら・西原理恵子。
重い漫画でした。サイバラ・ワールド。
「男ははよう(早く)おらんなるにかぎるなあ」
「人はなあ2回死ぬで 一回目は生きるのが止まってしまう時 二回目は人に忘れられてしまう時や」
「あなたがどんどんうすれていく」「みっちゃん、わたしくるってる?」
ぐさぐさ来ました。
まだ忘れたくないことを知らせるために、今月も犬のはかまいり行きました。

日傘のお兄さん・豊島ミホ
長さも方向性もまちまちな短編4編が絶妙な順番で並んでいるのがすばらしいです。
「あわになる」は強烈。
「日傘のお兄さん」は、最後がほんわかしていてほっとしました。
他2編、味があります。3番手、最後でそれぞれの味が出てます。
作者あとがきでは、文庫版は単行本のリライトに近い感じらしい。
単行本、そのうち買ってみようかと。

意味もなくずんずんあるく・宮田珠己
意味はあるんだろうなと思う。意味もないという名の意味が。でもそういう感じで意味づけしてしまってはいかんのでしょう。
その中で出てくる「四方津」という懐かしい地名。儂、中央本線で大月という駅まで乗り、私鉄に乗り換えてたどり着く結構遠い感じのする所の小さな大学に半年だけ行ってた。で、東京に出る時に、あるいは東京から帰るときにその駅の名前はよく目にした(余談ですが、先日シリアで亡くなったジャーナリストの山本美香さんが、儂とほぼ同じ年でその大学の出身だったということを知り、そんなすごい人が通ってたのかとびっくりした。メディアを通して知る山本さんの人となりというか、伝えるという使命感、何よりそこで生活している「人」を愛おしみ尊重するといった感じの戦地での報道姿勢には心打たれるものがあります)。

「四方津」から話がそれましたが、まあ、歩いた人に意味はなくても、受け取った人に意味は生じるということですか。あ、意味じゃなくて解釈ですねこれ。

関係ない話ですが、ちなみにこれって意味あるんかなと思った。先日のペース走の御褒美。確かにうまかったけど。まあそれでいいんじゃないってことなんだろうけど。
他の著作も、さすがに100円ではないが、ネットにて中古本を購入しました。ヒットです。

障害犬タローの毎日・佐々木ゆり、三島正
最後、どうしても死を記して終わることが多い動物本の中で、敢えて「つづく」って感じがよいです。
自分の今を受け止めて今を生きる。シンプルな行き方は難しい。本当に。
ちなみに、我が家は1号11歳、2号9歳、4号3歳、無事にトシを重ねる。
それだけでうれしい。まだまだよろしく。

夏は、帰りの電車で読むだけでなく、休日はこうして和室や廊下に寝っ転がって読んでました(玄関の「三和土」に小さく2号も見えます)。
我が家は滅多にエアコンが入らんから、犬は大変だっただろう。季節が変わるまでもう少しの辛抱。