きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

背中を押されて

2011-04-24 21:35:20 | 近場の異邦人
山の方へ行くのはあまり好きではない。蜂がいる虫がいる蛇がいる、自販機はないトイレはないバスは通っていない、などなど言い訳はたくさんできる。トラブルが起こったときにどうしようもないのでと、家人からも止められている(一人で走るので仕方がない)。自分でも田舎の人間なのにと思うが。
ただ、何よりも敬遠するのが坂、なのは正直なところだ。

今日は、午後からジョグのコースに迷い、行き先なくとりあえず家を出る。こういうことはよくある。
街までの往復にしようかと向かい風の中を進み始める。ま、気分が変われば仕事場に少し寄るつもりでもあった。
で、何の気なしに、向きを変えて山のほうへ向かう。
この日の理由は風だった。強い追い風に押されるようにして山に向かった。



だんだんと道は細くなり、傾斜は急になる。さだまさしの「翌檜」「鳥辺野」がしばらく頭の中で演奏される。
心拍計は160近くにまでなる。おおっ。

峠のところにあるゴルフ場でトイレを借りる。昔はここに来たことがあるなあ。もうクラブなんか持ってないけどなあ。
付き合いでいろいろなことを覚えたけれど、やはり付き合いは付き合いでうまくもならないしどうしてもやりたいというものでもない。で、何年か前に、正直に事情を話して職場のコンペの類を断った。
ゴルフにしても釣りにしてもパチンコにしてもあまり好きではない。好きではないことをいうのは簡単だが、それと誘いとは違うようで、分かってもらうまでに時間がかかった。
今は、一人で走る儂という人間を「仕方がないな」と見てくれているのか、ほうっておいてくれる環境をありがたいと思う。

で下る。


山の桜がひっそりと咲き散っていく。
集落に出る。

この辺は、家族で昼御飯を食べに来たこともある。釣堀もある。アレルギーのムスコに猪うどんなら大丈夫だろうと食べさせたことや、ここまで来るのにムスメが酔ってしまったこと、川魚の刺身が以外に臭みがなくおいしかったことなどなど思い出す。

国道に出る。ここからはさらに下るが、その前に、せっかくだからと寄り道をする。

中には入らなかった。外からそっと手を合わせた。
逆光だからか黄砂なのか花粉なのか、視界がぼんやりとしていた。
背中を押されたのかもしれない、というのは話が出来過ぎか。

見通しを誤ったか、ここからが予想以上に長く、ヨメはんに帰宅予定時間変更のメールを2度も打つ。下っているが向かい風である。気温は10度だと道端の電光表示板が教えてくれる。


小さなダムに頼るこの地域の水不足は、なかなか改善されないなあと思う。もう少し上流は底が見えていたが、ダム付近はまあ、半分以上はあるのかなという感じだった。

ばててローソンに飛び込み、今日はカルピスソーダの栄養ドリンク入りみたいなのをいただく。結構いける。

もう少ししたら、アイス食いたいなと思う。走り終わった後の御褒美にアイスにするかビールにするかいつも迷うのだが。
だいぶ下ったが、日はやわらかいものの、相変わらず暖かくはない。よたよたと進む。途中中学生ぐらいの団体におかしそうに見られる。で、もう少し走って、目指す電車の駅にたどり着き終了。電車に乗るときにメールを打っていたからか、ヨメはんがワンコ1号と4号を連れて駅まで迎えに来てくれていた。今日は一万歩歩いたらしい。2号はときくと「散歩?ふぅーんって感じだったから」留守番しているらしい。

帰宅後、キョリ測で測定すると約38キロ。初めに距離を知っていたら絶対に走らんかったな。山だったし。
余計なことを考えずに、単に背中を押されるがままに進んだだけだったからよかったのかもなあと思った。

犬に会い、猫に会い

2011-04-23 21:18:45 | 徒然に2010-2013
頭が痛いのを我慢しながら走っていると
「そのいぬつかまえてえ」とかすかに聞こえる。あわてて後ろを向くとばあちゃんがおたおたと走ってくる。
いわれてみればで再び前を向くと、ウチの四番目ぐらいのやつが、二つ前の交差点を渡ったところだった。
無事に保護する。ばあちゃんはやれやれと抱きかかえる。
首輪のない犬を見たことはこれまでも何度かあった。でも出勤中なもんで気になりながらも「ごめんっ」って感じで通り過ぎることが多かった。さすがに道路を横切りそうな犬は、行きかう車のドライバーに目で合図をしながら、無事に通るのを確認してたりはしてたが。

頭の痛いのは、ウコンやセサミンが効かないからか。まあ、そんなもん関係あるかいっていうぐらい摂取したのは事実だが。
酔うと何か変なことをしているらしい。携帯のカメラが証拠を押さえている。あぶないあぶない。


この後、コンビニで高い高いすいーつを買って帰った。お金が足りず自分の分は買えんかった。それが日付が変わるか変わらないかぐらいのこと。朝方はそうでもなくても、昼になるにつれてがんがんしてくるのはその辺の理由からか。

職場に到着後、ライフガードじゃなくて名前忘れた別のやつにお世話になる。炭酸強めで気合が入る。

なのに少しだけ仕事のつもりが、あんまり効率よく行かず、結局遅くなる。

で帰り道、駅までの最短ルートを急いでいると、猫に会う。

いい雰囲気の猫だった。

いつも走っていると、犬やら猫やらにはよく会うのだが、今日みたいに首輪がない奴ばっかというのも珍しかった。
帰ると、玄関脇のワンコのリードがなくなっていた。家人の誰かが行ってくれたのかな。儂自身は散歩に連れてってやれんかった。反省しながらも、まだ頭が痛かったりする。すいーつ、自分の分も必要だったかもしれんなあと思ったりする。

檸檬~各駅停車の青と白がそれとはすれ違い

2011-04-17 20:39:22 | 近場の異邦人
この休日は曇天でした。昨日は朝暖かく昼前やや肌寒く、今日は朝肌寒く昼過ぎ結構暖かく。何はともあれ春らしいのは走っているときの鼻水の量でしょうか。それから、摂る水分の量。この春からの儂の愛用はニトリで買った299円のアルミボトル。

昨日は、職場までのジョグといつもの帰宅コースでの駅までジョグ。今日は、先週同様仕事道具購入ジョグ、ということで、今日ぐらいの穏やかな暖かさなら、山(里)へと向かいたいところだったのですが、先週の買い忘れ等があったので、街方面の百均とPCショップへ足を運びました。
蛍光ペン、黒と赤の細字の油性マジック、白の丸シール、修正液、LANケーブル1メートルの、でレジに向かう途中で手帳用のミニシャーペン。携帯を変える前は、予定を携帯でメモしていたのですが、新しいのにしてからは、テレビや音楽が聞きやすくなった反面、スケジュール管理がしにくくなり、手帳を復活させました。んでもってミニシャープ。そして、PCショップで8GのUSBメモリ980円を購入。
あまりものは増やさんように心がけている割には、どこかでぼんっとものが増えます。どうしても買わなければならないかは常に考えているのですが、無駄か無駄でないかは、しばらくたってみないと分かりません。

街を抜け、少し郊外へ出ます。花の名前を冠したこの通りは広々としていて新しい店がたくさんあります。

さらに郊外に出ます。こういう道も嫌いではないです。ここはたぶん初めて通りました。

でももう少し川のほうへ行くと、昔ながらの広い敷地の農家が結構たくさん残っています。空襲を逃れたからかなと思いながら通ります。
で、檸檬の樹。

さだまさしはよく聴きました。過去形ですが。檸檬は好きなというよりも昔の情景がよく浮かぶ曲です(以前単車での長距離通勤でよく歌っていたのは「まほろば」でした眠いとき叫んでました)。

「檸檬」を口ずさみましたが、風に負けそうになり「向かい風」そしてすぐに「案山子」になりました。

各駅停車の青と白を撮影できればよかったのですが、時間が合わなかったようです。

見慣れた光景、真新しい光景を当たり前のように見ることができるありがたさを感じつつジョグを終了。
日々走っていることの意味など今更考えるのは難しくなり、ただ道があるから走っているということになっています。ある程度の歳を重ねた今、やがて朽ちるということは常に頭の隅においておきながら、いろいろなものに会いにとりあえずだらだらと走っていこうかと思います。だらだらと走るというのは走りそのものが日常に他ならず、それが目的だったのかとか手段だったのかとかというのは、後になって分かるものでもなく、そんなことはもはやどうでもいいことなんでしょう本当は。でもぐずぐずとそういうことを考えたりはしてます繰り返し。

人だから、でしょうか。
ともあれ明日、頑張りましょうか。

檸檬は我が家のわんこ4号の名です。ムスメがつけました。

北へ向かうサクラたちへ

2011-04-14 22:47:37 | 徒然に2010-2013
サクラに魅せられ、ここ一週間、いろんな道を通って通勤ランしていました。

そして泊まり明けの今日、堀端のサクラは緑の葉が見え始めていました。
明日はもう午後から雨のようなので、満を持して開いたサクラも、その花びらを落としていくでしょう。

サクラ前線はちゃんと北へ向かっているのでしょうか。
遠い春ではありましたが、我慢強く待った甲斐がある見事な咲きっぷりでした。ありがとうございました。そして、
四国のサクラは一年後の再会までしばらくおやすみになりますが、北のサクラたちは、次々と順番を待っているはずです。
サクラは、一歩一歩北へと開花という襷をつないでいくことでしょう。
関東の方々に東北の方々に、元気を与えてくれることを祈っています。


甘いのは分かっているが

2011-04-11 22:49:43 | 徒然に2010-2013
見通しが、か。何もかもが、か。
甘いのは分かってる。でもそう思わずにはいられん。
朝から微妙なとこで食い違ったり、些細なことが気になったり。情けないやら腹たつやら、である。
もうこんなこと来年は絶対にやるかいっと思ったら気が少し紛れた。まだ四月なのにな。まあ逆の意味、来年があると思ったらいかんな。うまくやろうとか、きれいにやろうとか考えたらいかんな。
研究者がすることの8割は失敗だと石巻専修大かなんかの先生がいってたな。失敗とか文句が出るとかうまくいかんとか言うのは当たり前。致命的な失敗さえなければ何とかなるわな。リスクとハザードの違いか。

昨日の記事の修正を2つ。ドライアイスは保冷剤、「鎌倉物語」は「夕陽に別れを告げて」(「鎌倉物語」ではなんぼなんでもペースを刻むのは難しかろ)。
そして今日の修正しきれないかもしれないミス1つ。名札つけたまま帰ったらいかんぞよしかも職場で付けるかわいいクマのやつだ。ひらがなで名前書いている。

家に帰ると、ヨメはんがドーナツ買ってきてくれてた。明朝はこれ食って頑張ろか。

中身は空けてないから分からんけど、前は遠慮して食べ損ねたやつ、入っているかな。

修正できるかな。甘いかな。

眼鏡越しの青の空、狸の目、里の桜、そして菜の花

2011-04-10 21:17:40 | 近場の異邦人
昨日は休日出勤(そうですまたですJさんはい)。しかも思うようにはかどらず半日の予定がほぼ終日になる。気が滅入る。でも行かないと平日にもっと気が滅入る…。
ささやかな抵抗で、いつもは通らない山手の方を通っていく。



今日はゴミ出し、わんこの散歩、おひなさんの片付けとよく動く。昼から地元洋菓子メーカー(とでもいえばいいのか?)の工場移転の周年祭に行く。
ジョグである。初めの5キロが本当にしんどかった。暖かくて気分は悪くなかった。

たぬきが迎えてくれる。大学の卒論の実験で、同級生の女の子が「タヌキノメ」の文を使って実験していたことを何気に思い出した。
工場のそばにはお店もあるのだが、いつもここを通るときは素通り。はじめて今日は中に入る。工場見学もあった。数年前までは調べて家族でよく行っていた。今はテレビでやってるもんなあ。おいしそうなシュークリームを購入。お帰りは?にんー2時間ぐらいと答えるとドライアイスを2個のせてくれた。安いのしか買ってないのにすみませんね。

工場を出て、ゆったりとしたテンポでジョグを進める。時々立ち止まり、風景を納める。これほどたびたび立ち止まるのは珍しいことだと思う。




頭の中は、何故かサザンの「鎌倉物語」であった。あまり景色と合ってない気がした。

大学時代を思い出したか。テンポはぴったりで足を出し続ける。


あまり花には関心がないが、この時期、菜の花が咲き、桜が咲くと、きれいだなと思う。桜の樹が、ここあそこに、こんなにあることに毎年驚かされる。
こんなにきれいに晴れ上がると、それだけでうれしいと思う。

少し前、菜の花食べたのはどこでだっけと思う。

帰りに百均に立ち寄り、職場で使うファイルやらを買い込む。で、再びジョグで帰る。
家に帰りコンタクトを外そうとして、眼鏡だったことに気付く。
ドライアイスは、まだ全部は解けてなかった。

そこに至りそこから得られた愛媛マラソンのこと

2011-04-03 14:39:15 | 大会回顧録
二ヶ月前、儂にとっては年に一度のみのフルマラソンの大会に参加しました。愛媛マラソンです。一昨年までは制限時間の厳しい大会(4時間)で、それなりにモチベーションを高めて参加していましたが、大規模市民マラソン大会に様変わりしてからは、地元のお祭りという感じで参加しています。
今年は、それに向けてのペース走なんかも例年以上にしなかった気がします。これは練習記録を見れば一目瞭然という奴で、練習時のキロ5分半ぐらいのペース走の割合は昨年、一昨年の半分以下でした。しかし、ほとんど毎日ジョグペースで走っていただけでありながら、その成果かなと思えることもありました。調子が今一つながらも、そこそこのタイム(3時間32分55秒?だったでしょうか忘れましたが)が出せたということです。去年より10分ほど遅かったのですが、去年より納得いくレースだったといえます。しかも前半はやや上がらなかったものの、ほぼキロ5分前後で最後まで極端に落ち込むことなく行けましたから、ある意味自分が描く理想的なマラソンでした。後半落ちずに維持できたというのは、中身はともかくとりあえず量こなした成果ではないかと(私の師匠曰く「ゆっくり走れば速くなる」んだね、と)。まだ、自分の伸びしろは残っていると感じることもできました。ジョグも馬鹿にはできません。
調子が悪かったのは、金曜日の夜ぐらいから御飯やらパスタやらをラー油やドレッシングで食べ過ぎて、当日の朝胃もたれを起こしていたというのが有力です何やっとるんだかもう。コンディションをどう整えるかという課題は依然として残りましたか。

また、職場の方が何人か走られることになり、わずかではありましたが合同練習を企画して走ったりもし、初マラソンの方をサポートしながらレースに備えるという貴重な経験もできました。今年で定年退職する儂の上司が儂の初マラソンのタイムとさほど変わらない記録でゴールしたり、初マラソンで4時間を切る女性ランナー(儂より年上!)も出たりしてうれしいやらびっくりするやらでした。このお二人も含め、うちの職場からはほとんどが初マラソンという方の参戦でしたが、例えば時間ぎりぎりでゴールに滑り込んだ安堵と達成感と感動とで、語り尽くせないドラマのあるマラソンを経験できた方もおられたようですし、そのきっかけに少しかかわることができたのかもということもうれしく思いました。残念ながら途中棄権になった方からは再チャレンジしたいという決意表明をきき、これも率直にすばらしいことだと思いました。再挑戦というのはなかなか簡単にはいえませんから(大学浪人経験者の儂はそう思います)。またこれをきっかけにして、職場で走っておられる方や過去に走っておられた方等々と話す機会もでき、中止になりましたがクラブ駅伝に向けて一緒に練習したりもして、今までしたことがなかった経験もできました。いつも走るということのプラスアルファがいい形で得られました。

以下、愛媛マラソンの関係で、いくつか写真をアップします。


前日、二週間後に家出する我が家のわんこ4号が試合着の上に乗っていました。

朝のスタート付近です。

総合案内には手話通訳も。

昨年よりにぎやかでした。

Aブロックからのスタートです。何かうれしくて撮りました。

ゴール後には、いもたきとお握りとパンをいただきました。外が暖かかったので芝生の上で味わうことができました。
まだ胃がもたれていたので、おにぎりは家でネット中継を見ていたヨメはんの胃に入りました。

儂としては基本的に勝手に走るというスタイルは変わらないつもりなんですが、まあ、ごくたまに一緒に走るというのもいいなあと思ったりしました。
でもそうなると、マラソンではなくて駅伝かなと。職場で24時間駅伝とかいつか出てみたいな、出んかな、と思ったり。

25年前の春21年目の桜

2011-04-02 22:00:42 | 徒然に2010-2013
いぬのはかまいりで越える峠道は、桜の名所として有名である。市街は3分咲きぐらいだと家人が言っていたが、ここはほとんど咲いていなかった。3月に入ってからも朝晩日中と気温がなかなか上がらなかったからかもしれない。

それでも花は少しずつ色を増している感じがする。
送別会と夜中に出る咳とで睡眠不足が続く。それでもとりあえず出かける。日が射している間は暖かいが、雲が多くなると気温が下がる。

風邪を引きずったままの身体で歩み(走り?)を進め、機々を眺めていると、
「ムサシノノハルトオシサイキヲキス」が浮かぶ。
25年前に受け取った電報である。「武蔵野の春遠し再起を期す」といったところだろうか。
突然浮かんだのは恐らく、先日の送別会での話でも反芻していたからだろうか。
今はどうだか知らないが、昔は遠方からの受験生のために学生が合否連絡を電報で知らせてくれた。儂は、田舎から東京の大学を受け、この電報を受け取った。

東京の大学を出てから、県庁所在地の街に就職し、車でこの道を通って田舎に帰る機会があった。
まるで初めて見たかのような桜の樹々に感動すら覚えた。

それから今年は21年目になる。
21年目の桜はまだ咲いていない。
でもまあ、25年前の春も来なかったわけではない。遠かっただけ。
自分は、しっかりと少しずつ走っていこう、と思った。

一つ二つと可憐に咲く桜の如く。


「武蔵野の春遠し」から25年になる。なんとかやってる自分がいる。