先日、車ではなく公共交通機関を乗り継いで、出掛けてみた。
バリアフリー法が整備されて、流石に乗車拒否というのはなかったが、時々思わぬところで立ち往生することはあった。それでも何とか大きなトラブルなく帰って来れた。
その0 荷物
出発前の準備として、大切なのが荷物。荷物はあまり持ち運べない。オムツとか着替えとかほぼ最低限のものを、車椅子の後ろに掛けるか下のネットに収納するかのどちらかになる。儂の場合は、車椅子の重心が後ろに移動すると少々怖かったので、下に収納できるようにした。
折りたたみができる薄い生地の鞄を使い、奥の方まで入れられるようにした。で、飛行機とか高速バスで車椅子を預けるときのために、貴重品を入れるナップサックを準備しておいた。貴重品は通常は車椅子にある後ろのポケットに入れた。
その1 バス
しばらく乗ってなかったが、バスもそこそこの規模の地方都市なら100%ではないにしても低床式とかノンステップのバスが走っているので気は楽である。
当たり前だが四国でも関東でも似たような感じだった。唯一違うのが車椅子を固定する道具か。
ノンステップで運行されているのが分かっている場合、予約とかいらないし、一番気楽ではある。
その2 飛行機
予約段階で、車椅子利用であることを告げて、一応1時間前にはカウンターに行き、車椅子を預けた上で会社の人と一緒に搭乗ゲートまで行くことになる。車椅子を預ける前にトイレは済ませておかなければならない。機内まで行ける車椅子は、あの狭い飛行機(A320)の通路に入れる幅で、搭乗口の手前で後ろの車輪を外す(荷物を運ぶキャリーについてるような小さい車輪になる)。
松山空港では、ここから搭乗開始時間までの間、自由にお店とかぶらついても良かったが、成田空港では、かなり早い時間だったにもかかわらず、すぐに搭乗開始になって、待っている間に麦を嗜むとかそういうことができなかった。だから、呑んでから行く必要がある。
また、成田の場合は、一般乗客とは別のルートを通って、特殊車両で飛行機まで行き、乗客の搭乗口とは反対側の扉から乗り込んだ。降りるときは、行きと逆の要領。
よって、一番初めに乗り、一番終わりに降りる。飛行中はともかく、乗り降りはずっと誰かがそばにいて、何だか申し訳なくて、機内の麦を注文しにくいのが玉に瑕か。
車椅子は、コンテナに余裕があったという行きは折りたたまずに載せてくれた。これは運みたいである。
その3 JR及び私鉄
行き先を言うと、すぐに降りる駅とか乗り換え駅に連絡をするようで、きちんとドアのところで駅員さんが待っていてくれる。
関東の場合、田舎の方にいかない限りほとんどの駅にはエレベーターがあるが、一応、必ず一人は改札から一緒についてきてくれて乗るところまでお世話をしてくれ、乗り換えの時は、乗り換え駅の改札まで来てくれる。大きな混乱はないが、車椅子だと、歩きで間に合う乗り換えでも難しい場合がある。余裕を持ってスケジュールを組む必要がある。また、乗り換えとかは、ある程度下調べして○分のに乗りたいという感じでこちらの希望を伝えるとスムーズだった。乗り方は、いつも乗る郊外電車のときと同じ簡易スロープ。
駅員さん曰く、ときどきスロープなしで乗車する強者もいるらしい。段差は越えられそうだが、ホームとの隙間と距離を考えると儂にとってはかなり難しいと感じる。
その4 高速バス
高速バスは、予約段階で車椅子であることを云う。突然バス停へ行っても乗れなくはない感じだったが、車椅子を預けた後、ステップを上がり座席までは自力で行かなければならないので、時間がかかったり前の方をあけてもらったりすることを考えれば、できるだけ言っておいた方が良いのだろう。今回利用したバスは、折りたたまずにそのままトランクルームに収納してくれた。車椅子を預けてトランクルームまでの運搬と降りてから降り口までの車椅子の運搬は運転士さんにお任せできる。移乗しやすいような配慮もしてもらえた。乗っている間は、トイレのこととかがなければ大きな問題はない筈で、それがクリアできれば夜行バスとかも乗れるかもしれない。その場合、降りてからのバスステーションの設備も気になるところではある。
その5 ホテル
公共交通機関「等」ということでホテルのことも。今まで予約段階で車椅子利用であることをつけだことはない。勿論、ネットで情報収集して、恐らく大きなバリアはないだろうというホテルを探すことは不可欠ではある。古めのところはロビーとエレベーターに段差があったりすることもある。1階に身障者トイレがあればまず大丈夫だろうという感じで探している。
利用したのはまだ4回であるが、突然行っても迷惑がられたことはなく、逆に、風呂のこととか部屋の大きさとかいろいろと配慮してもらうことの方が多い。
今回のホテルは、外にまさかの段差があって入れなかったが、帰りは早朝にもかかわらず警備員さんやフロントの方が持ち上げてくれた。因みに行きは、入れなくて困ってしまいフロントに電話をしようとしたときに通りかかりのOL風の人に押してもらった。感謝感謝。
その6 空港
空港にバリアはないが、目立つ車椅子の状態で、落ち着いて呑むスペースはなかなかないように思う。今回、松山空港では、先日オープンした「みきゃんガーデン」で一息つく。誰もいなかったのは、入り口のところを工事していたからか。
成田ではいきなり搭乗開始になって、空港で呑む場面がなかった。
トイレも、通常の施設よりはきれいでたくさんあるので問題はないが、たまにひどく汚れている場所にあたることもある。今回そういうのがなくてほっとした。
利用そのものに問題はないが、ずっと人がつきっきりになるので、車椅子になって、ぶらぶらと呆けるような時間を作ろうとすれば、かなり早くに行かないと、と思う。
番外編・タクシー
タクシーは手帳見せると10%引きになるらしいが、当然使ったことはないし使う予定もない。
ただいざというときに、車椅子でも乗れるというのは安心感はある。
このUDが愛媛でもちょくちょく見られるようになったら、だが、難しいでしょうな。