きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

似たような障がいの方への参考になれば~その1:車を買う

2018-07-09 20:44:30 | 脊髄内血管腫との邂逅
車で通勤することに決めたのは障害者手帳が出る前から。出てから車種の検討に入ったが、どんな感じで選べばいいのか皆目検討がつかなかった。ただ、車椅子を載せるときに通常なら、車椅子から運転席に移り、座ってから車椅子を畳んで、座席をリクライニングにして、そして畳んだ車椅子を胸の上経由で助手席側に載せるというやり方。病院で確認したらすべての人がそう答えたから本当に主流だと思う。で、それはあまりしたくなかったので、できれば車にリフトを装着して、車椅子を運転席側の後部座席に収納したいと思った。そうしないと、1回1回車椅子を出し入れする手間は相当なもので、ちょこっと店に立ち寄ったりするときに億劫になってしまい、車から降りなくなってしまうのではないかと。
手帳が出た頃はまだ立つ力もそれほどなく、車も苦労なく乗り移れるかどうか分からなかったので、補助シートが要るかもとか車高の高い車は乗り移りが厳しいかもとか、ヨメさんと半分喧嘩になりながらああだこうだと言っていた。
喧嘩になったのは運転補助装置の取り付けのこともある。ヨメさんはしっかり改造して30~40万以上かかるのを、儂は結構簡単に取り付けできる10万程度ぐらいのタイプのをそれぞれ主張し、なかなか結論が出なかった。安いのにしようとしたのはリフトを取り付ける費用を見越していたからだったが、リフトも補助装置ぐらいかそれ以上かかるのでなかなか踏ん切りがつかなかった。
その後、現実的には厳しいかということでリフトを止めて、運転席から後部座席に車椅子を載せるというイメージで後部ドアが電動スライドという条件で探し始めたもののなかなか。
軽自動車で探していたので車種がそれほどある訳ではなかったが、価格が思った以上に落ちていない。需要がそこそこあるのだろうと。

である日ヨメさんが「ポルテ」の名前を出す。
これは、左側のみの電動スライドドアだが、ピラーレスで車椅子の出し入れは確かにしやすいだろうと。となると、左からの乗り降りを中心にすることにさえすれば、リフトを搭載しなくてもいい感じである。助手席側から乗り込み、車椅子を助手席側の後方に収納する。そして、運転席側への移動はプッシュアップで移動できることが条件だが、この頃はそこそこ体力的にもアップしていたので、これが案外一番いいかもということになる(ベンチシートならもっとよかったがと当初は言っていたが逆にセパレートであるが故に都合が良いということに後で気付く)。考えてみれば、税金面での優遇があるので軽自動車でなくてもいいということもあり、ここに来て漸くヨメさんと意見が一致する。
で運転補助装置も、儂の言う10万の装置(ニコドライブ:取り外し可)に加えて、サイドブレーキレバーと、ハンドルスピナーを追加して15万ぐらいので進めることに(ポルテはサイドブレーキのペダルに穴を空けないと取り付けが難しいとのことだったので、その工賃を含めてお願いしたため、純粋に装置代だけではない)。装置そのものはこれで10万はどうかというシンプルなものだが、福祉の補助で賄えるという点で別に異論はないという感じ。
ポルテはスペイドという同じ型のもあるらしいがそれは随分後になって知った。因みに、日産のクリッパーは廃車にする(退院したときの感じならクリッパーに補助装置でもOKだったかもしれないが)。

知り合いの車屋さんに頼んで探して貰い、割合程度が良くてコミコミで「一番安い競技用車椅子(所謂レーサー)」ぐらいの値段にして貰って、納車されたのが退院した次の日。


翌週、運転装置の申請許可が出てすぐに取り付けて貰った。

車椅子の収納は、初めは予定通り畳んで後部座席へ。想定通りでうまくいった。

が、走り始めて次の日ぐらいに、何とはなしに助手席をスライドさせると結構後ろまで下がった。

で、このまま載せると載った。

運転そのものは、2日間で200キロ走ってだいたい要領を掴んだ。

翌々日から出勤なので、兎に角走った。要領が難しいというのはなく、初めの1時間で操作自体は理解できた。というより幅と長さに慣れていないだけ。

案の定、家のスロープを計算しきれず、左前をこすってしまった。あらら。

それでも思ったより扱いやすくてやれやれである。後は、オーダーの車椅子の積載がうまくいくかどうかぐらいか。


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