きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

4号のことを想う

2019-12-05 21:38:54 | 別に除けておきたいこと
4号が逝ってから49日経ってからも、まだあの海には行ってなくて、何かしら引っかかりを感じていた。車いすだといろいろなことも考えなければならず、なかなか決行できなかった。
先日、漸く行くことができた。やっとやれやれという気持ちになった。

交通量は多いが最短距離を通ることにすると、まず、家から職場までのルートをトレースすることになる。この日のM大前は17度。水分が少し欲しい感じで、一口補給。

でも飲んだのはこれ1回だけで、かなり集中して漕いでいたように思う。マラソン練習者へのドリンク提供スポットを見つける。

職場を越えてもまだ半分にならない。本当はトンネルを抜けてから県道に入る予定だったがそのまま、バイパスの歩道を進む。マラソン練習の人が多い。

北条に入り、少しずつ海へ向かう。

道の駅近くまで来る。

道の駅を越える。後2キロもないぐらいか。

4号が我が家に来ることになったのは、本当にたまたま、というか縁だと思う。2号もそうだったといえばそうだったが、4号の方がたまたま感が強い。
当時、我が家は、迎えた3号が半年も経たないうちに原因不明で突然逝ってしまい結構辛い時間を過ごしていた。結果的には、その辛い穴を埋めるべく迎えた感じである。ブリーダーさんとこに犬を選びに行って迎え入れたというより、3号が亡くなった話をブリーダーさんにしていたら、じゃあ安くしとくからと、流れで迎え入れることになったのが4号である。
その帰りの車の中ですでに酔ってゲロゲロ吐いたこともあり、4号を連れて遠出はおろか実家に帰ったことすら数回しかない。これが1号2号とは違うところではある。
散歩も苦手で、外へ行きたがるが連れて行くとすぐに「歩けません」となる。
身体は決して丈夫ではなかった。よく失神して呼吸が止まった。突然来るから気が気ではない。気管支が狭いらしくて、年を取ってくるとその頻度も上がってきた。散歩の途中で失神したことがあったが多かったのは御飯のとき。
2号に乗っかったり、1号に喧嘩売ったり、またトイレも下手で、結構問題児だったかもしれない。でも、可愛い奴だった。
ツンデレ、ってやつだろうか。
時折、二人っきりになったときに、見せるめちゃくちゃ可愛い表情に癒されたことが何度も。

もうすぐ、の目印にしていた神社の前を通る。

その4号は家出をしたことがある。一瞬の隙に外へ出てしまい、すぐに探したが見つからなかった。1号も2号も帰ってくる力はあるのだが、4号5号は難しいようで(当たり前か)。
迷子犬のポスター作って近くのホームセンターとかスーパーとかに貼って貰った。
兎に角、事故にでも遭った可能性が高かったから、骨ぐらい拾ってやらんといかんと、毎日探した。
このブログにも記したが、結局2週間後か3週間後に、少し離れたところに住む老夫婦の家に厄介になっていた。
念入りに証拠を集め、散歩の時間を見計らって声を掛けた。
連れ戻すときに心が痛んだが、当の本人は、涼しい顔で。まあいいけど。

着いた。ふるさとの海。

儂の異変を察していたのも、彼女だけかもしれない。以前も記したが、突然脊髄がやられて(といってもその時は原因が分かっていない)家に帰ってから、何か訴えるように、膝に乗ってきたのが彼女。いつもはそんなことがないのに。その後4時間ぐらいで救急車で運ばれて、7か月帰ってこなかったわけだから、何か知っていたのかもしれないと。
「大丈夫か?」なのか「心配するな」なのか、それとも「頑張れ」なのか、どれなのか分からんけれど。
最後は、まだ生きられた気もするのが心残りではある。正直、お医者さんの対応に少し疑問符があった。悔しかった。ただ元々、気管が細いのか、ぜえぜえいったり失神したり、身体は丈夫な方ではなかったから、どうなんだろうか、という気もする。

キミが逝った日に、当然のように我が家は集まり、儀式に参加した。もう日付が変わるぐらいの頃。お葬式(というよりお通夜か)で、キミを待つ間の缶珈琲が浸みた。

そして、翌日、お墓に向かった。骨を納めて、仕事に行った。わざわざ仕事に行く必要もない青空の下、それでも仕事に行こうとしていた。よく分からんこの辺りは。でも、一日休むよりはよかったんかもと。
綺麗な空で、気持ちが落ち着いた。ありがとう。

正直、ムスメが大学出て帰ってくるのでは長生きして欲しかった。3号とともに、ムスメを守ってくれたような、そんな感じの存在だったから。

キミがウチに来る前に見たであろう海を見る。ウチに来て、さて、しっかり生き抜くことができたのだろうかと。

寂しいけれど、見送るのは務めだから、なあ。

まあ、そのうち会えるから、と思う。歳取ったなあ。

バス待ちで呑む。35キロで30000歩。まだまだ、何か落ち着かないが、区切りはついたのかなと。

何回も倒れて死にかけて、それでも自由奔放に10年生きた。短かったけれど、1号とは別の、しっかり駆け抜けた生き様だったようにも思う。
喧嘩っ早くて、誰にでも突っかかって、実は寂しがり。なんというか、自分を見ているようで。

ありがとう。檸檬。

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