ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ナンノタメニウマレテ。

2013-09-13 21:36:01 | Weblog

富良野に来ると必ず、出掛ける場所がある。それは・・・アンパンマンミュージアム。

アンパンマンの事は、まったくもってよく知らないのだけれど、アンパンマンミュージアムに行くと、やなせたかしの言葉にたくさん触れられる。だから、行く。

やなせたかし。御歳、94歳。百歳まであと少し。今尚、日々仕事に追われる毎日だそうだ。
目も悪くなり、耳も悪くなり、膵臓も腸も切り取り・・・そんな中で、まだ生きたいと願いながらモノを描く。まったくもって凄まじい。

戦争へ行って復員し、不遇の時代を長らく過ごす。やさしいライオンで絵本作家として少々の名を馳せるが、アンパンマンを描いたことにより、世の関係者から眉をひそめられ、冷遇される。

大人たちに駄作の烙印を押されたアンパンマンが、2~3歳の幼児たちの心を掴んだ。みるみるうちにアンパンマンは世間に浸透し、やなせたかしの名を世間に知らしめ・・・長き日々を経て、今に至る。と。

やなせたかしの詩集が面白い。90歳を超えてからの詩集が面白い。
完全に老いや死を意識した中で紡ぐ、生への固執が微笑ましい。固執している感があるのに、なぜか潔いと感じるのはなぜだろう。

ミュージアムの入り口に、やなせたかしのその月の挨拶が飾られている。それを読むのが楽しみで行く。だから、月が変わっても富良野にいれば、また行く。月が変わって、また富良野に来ればまた行く。

基本的に、時事に絡んだ挨拶になっている。
御歳94歳にして、いまだ達観も諦観もしていない。この時世を深く憂いているのがよくわかる。

とにかく、行けば心が洗われる・・・アンパンマンミュージアム。僕にとっては、そんな場所なのです。

余談。
日本広しと言えど、アンパンマンミュージアムは数あれど、やなせたかし直営のショップは、全国で東京と富良野にしかないそうだ。

やなせたかしの故郷、高知県香美市にある「やなせたかし記念館」にもな、いつかぜひ行ってみたい。


ヨロシイデスガナ。

2013-09-13 17:18:20 | Weblog

気を取り直して。

「はい、やって来ました!カンパーナ六花亭」

そんなわけで、コーヒーコーヒーとうるさい喉のために、マイ喉のために、六花亭へやって来た。

喫茶ベベルイじゃなくて、湧き水カフェベベルイだったね。写真を見て気づいたよ。
そうその喫茶ベベルーイだったらコーヒーだけ飲むつもりだったんだけど、六花亭ならばコーヒーは無料。コーヒーが無料ってことは、浮いたお金でスゥィーーツが食べられるということだ。まぁ、それはそれで良しとしなければ。
喫茶べベールイへは、また今度行くことにしよう。探検の情報を仕入れなければいけないからね。そう、探検には情報が大事なのだよ。熊鈴よりも情報だ。

それはまぁいいとして。
なんか、ロールケーキみたいなやつを食べた。名前、忘れた。スプーンで食べるロールケーキね。コーヒーとロールケーキで、150円。山の中腹から、富良野の街を見下ろしながらのコーヒーANDスィーツ。よろしいですがな。満足ですがな。

六花亭、いつも、どうもありがとう。


コーヒーノミタイ。

2013-09-13 17:06:44 | Weblog

失意のベベルイ一人探検隊。失意記念のコーヒーを飲みたくなる。

ちょうどいい所に、カフェーがあるのを思い出す。そうだ!カフェーに行こう。

喫茶ベベルイ。めっちゃ可愛い。通るたびに気になっていた。いよいよ、ベベルイに入店です。
ついに入店しちゃいますよぉ。と大声で歩きながら、喫茶ベベルイのポーチへ。お客はいない。ポーチが可愛い。まるで幸せのパンのパン屋みたいなポーチだ。
ドアに手を掛けて開ける。ん?開かない。開かない。開かない。
ドアの隣に喫茶ベベルイの看板。その上のボードに何かが書かれている。
「ごめんなさい。お休み」

ついに入店しちゃいますよぉ!と叫びながらここまで来たのに・・・どうしたらいいんだ?誰かが見ていたら恥ずかしいじゃないか。このコーヒー受け入れ態勢100パーセントマックスになった喉を、どうしたらいいんだ?

まいったなぁ。まいったなぁ。まいったよ。お休み、じゃねーよぉ。

ソウナンニソナエテ。

2013-09-13 14:52:19 | Weblog

完全に走りにくい。嘘はいけない。
命の危険さえ感じる。嘘はいけない。

ダートに入ったはいいものの、完全なる浮き砂利。ウキジャリ。尖った大粒な石にタイヤが乗り上げてズリズリと左右に振られる。

途中、キツネさんを見つけて、それを追いかけて、脇道にそれてみる。クマが出そう。完全にクマが出そう。キツネさんはあきらめて、ウキジャリロードに戻る。

途中、少し走りやすいダートになった。そして再びウキジャリ。上り坂。相当やばい。帰り道がやばい。ウキジャリの下り坂は・・・確実に転倒する。

距離を測りながら行った。4.7キロの行程のはず。4.2キロ地点。あと500メートルのはず。4200メートル頑張って、残りたったの500メートル。あと少し。

やめたね。引き返したね。わかる?どれだけやばかったか。そこを引き返すくらいやばかったね。

つまり、ダート往復8.4キロ、走り損だよ。まいったね。
まいったけど、転ばなくて良かったよ。足を折らなくて良かったよ。賢明な判断だったよ。
下りのウキジャリの怖いこと怖いこと。

そんなわけで、探検隊は、万が一の遭難に備えて、今日はオニギリを作って来たんだよ。
ニングルに会えたら、分けてあげようと思ってたんだけどな。
ニングルには会えなかったから、アザミの園でランチです。

熊鈴をたまに鳴らしながらね。チリーンチリーン。

ハシリヤスイッテヨ。

2013-09-13 14:41:24 | Weblog
名付けて、ベベルイ探検隊。一人だけど探検隊。
ベベルイ開拓者たちの廃屋が見たい。

倉本聰が書いたニングルという本がある。倉本聰が放つメッセージがふんだんに詰まっている良書だ。
読み始め、読み終わり、首を傾げる。・・・果たしてこの物語は、実話なんだろうか?フィクションなんだろうか?

ニングルとは小人のこと。富良野近辺には、ニングル伝説なるものが数多くあるらしい。コロボックルとはまた別の存在だ。
まるで実話であり、まるでフィクション・・・。そういうのは、個人的に困る。色々なことを確かめたくなってしまうではないか。

その本の中にはベベルイという地名が頻繁に出てくる。どちらかというと、ベベルイの話なのだ。
上富良野と麓郷を繋ぐ道の途中にベベルイはある。よく通る場所でもある。好きな場所でもある。

さて、ベベルイの中で、かつての開拓者たちのあった集落はどこにあるのか?まるで見当もつかない。
地図を見ていたら、怪しいと思われる場所があった。
その名もズバリ、「ニングルの森」。
ここじゃない?ここじゃないの?

地図には「走りやすいダート4.7キロ」と書いてある。
走りやすいなら行こうじゃないの。走りやすいなら誓いを破ろうじゃないの。それはそれは、当然の流れ・・・でしょう。

ハシラナイゾノチカイ。

2013-09-13 14:35:06 | Weblog

今年は絶対、絶対にダートは走らないぞ、と心に決めてました。もうダートは懲り懲りなんです。ダート用のバイクではないんです。
ゆうべ同宿だった青年の知り合いが、昨日の夕方ダートで転んで足の骨を折ったそうです。

ダート走らないと、心に決めていたのに、決めていたのに、そう、ご想像の通り、今年もダートです。

テツガクシャタルモノ。

2013-09-13 10:08:48 | Weblog

激熱吹上温泉上段の湯の話を持ち出してしまった以上、語っておかなければならない話がある。僕はある高名であろう人に出会った。

あれは三年前。二度目の北海道旅のことである。

初年度に行った吹上温泉では、常連パワーに臆して、上段の湯船に浸かることは出来なかった。
二年目の僕は、今年こそはという強い想いを抱いて吹上へと向かう。
時は夕刻、もうすぐ陽が沈むであろうと思われる頃。

吹上温泉は意外にも空いていた。下段の湯船に浸かりながら、機を伺う。上段の湯には壮年の男性が一人。出来れば、誰もいなくなった所を狙いたいものだが、なかなかいなくなってはくれない。機を伺い続ける僕である。

お爺がなかなかいなくならないので、無人の湯はあきらめ、上段の湯へと向かうことにする。階段からではなく、岩場を登って。

とりあえず入ってしまえば、こっちのものである。湯船脇に辿り着いた僕は、お湯の中へザブンと飛び込む。
その間・・・0.5秒。激痛なんてものじゃない。熱湯コマーシャルよろしくである。湯船脇に飛び出て、転げ回る。
「あち、あち、あち、あち、あち!うぉー!なんじゃこりゃ!あちあちあち!」
さすっても熱い、転げても熱い、何をしても熱い。一瞬の出来事だったのに、湯に浸かった部位が真っ赤に変色している。ほんとに。

湯船のへりに座って、そんな模様を見ていたジジイが、大声で笑いながら言う。
「そりゃあ、熱い、うん、熱い」

ふざけんなジジイ!熱いんだよ。痛い痛い痛い。あちあちあちち。なんなんだこの熱さは。そう想うもあまりの痛さに言葉にならない。

熱さと痛みが少し和らいだところで、やっと会話が成り立つ。
「何度くらいあるんすかねぇ?」
「今日は47.8度だな」
温度計は・・・ない。体感温度だ。

十勝岳温泉。活火山の十勝岳の影響を受けている。火山の具合に寄って、温度が変化するそうだ。50度を超える時もあるらしい。

「しばらく掛け湯をして、身体を慣らしなさい」
お爺様、意外と優しい。お名前を伺うと、みんなは「てす爺」と呼んでいるそうだ。

言われたとおり、そこでしばらく掛け湯をする。
しかし、この掛け湯でさえも熱い。あちちちち、なのである。

かなり痛い想いをしたせいで、もう湯船に入る勇気が・・・なくなった。
話をしながら、30分も掛け湯を続けただろうか。
なんとなく入れるような気がしてきた。足先を入れてみる。
「ぎゃー!熱いぃぃぃ!」
てす爺は言う「末端は一番熱さを感じるもんじゃ。足先、指先は一番痛い。身体まで入ってしまいなさい」
「・・・無理です」「痛すぎます」

何度かそんなやり取りを繰り返すうちに、なんとなく入れるような気がしてきた。
あちちを我慢して膝まで、腰まで、背中まで・・・。相当熱い。相当痛い。足の指先にビリビリと耐えきれないほどの痛みを感じる。
せっかくここまで浸かったんだ・・・せっかくだから首まで・・・。

その瞬間、大きな声が聞こえた。てす爺の声だ。
「湯船の底にお尻を付けて!」
湯船の底にお尻るとアゴまで浸かる。
「無理です!」
「無理じゃない!付けなさい!」
えっ?なんで?なんで?なんで?命令?しかも、けっこう怒気を含んでない?

頑張ってお尻を付けた。痛い。動くと痛い。動かなくても痛い。熱いというより、ただただ痛い。
もう上がろうと想い、腰を浮かそうとすると・・・
「まだだ!お尻を付けたまま!」
え?なんで?なんで?まだってなんで?

なかなかお許しが出ないので、僕は言う。
「もう無理です!熱いです!」

「全然熱くないっ!熱いと想うから熱いんだ!熱くないと想えば熱くない!」

えっ?何?禅問答?熱くないとか想えるわけないじゃん。死ぬほど熱いんだから。ジジイ、なんなの?
ふとてす爺を見ると、背中をピンと張り、凛とそこに座っている。・・・仙人なの?

特訓だ。スパルタだ。修験道だ。

仙人のおかげで、僕は激アツ上段の湯に軽々と入れるようになってしまった。
仙人が先に帰った後も、他の常連さんたちに混じって、上段の湯に入り続けた。
熱くないと想えば熱くない・・・お風呂にて。名言頂きました。

そして今回の吹上の湯。てす爺との修行の成果はまだ残っていたようだ。上段の湯に軽々と入れた。常連のじい様に聞くと、温度は46度だとか。まぁ、ぬる目だ。再び48度の激アツ風呂に挑戦したいと想う、僕なのである。

余談だが。
てす爺の苗字は曽蔵さんと言うのだそうだ。曽蔵てす爺・・・。なるほどねぇ。なるほどねぇ。哲学を語るわけだ。



ゲキアツ。

2013-09-13 08:52:22 | Weblog

昨日は雨の予報だった。が、朝の雨はすぐに止んだ。太陽が出て来ると、ポカポカと暖かい。
雨だったら何もしないで過ごすつりだったのだが、晴れとなると話は変わる。相当早起きをしているので時間はたっぷりある。

十勝岳温泉、吹上露天の湯に行く事にした。相当山の上にある温泉。いつもは夕方に上るため相当寒い。帰り道などは、確実に凍える。昼間、しかも午前中なら凍える心配もない。頭いいな、おれ。

北の国からの中で、五郎(田中邦衛)としゅうちゃん(宮沢りえ)が一緒に浸かっていた温泉。

ここの温泉は熱めだ。二段になった岩の湯船。下段は40~42度ほど。上段がやばい・・・46~48度。
ほとんどの人が下段に入る。なぜなら、上段の湯船は、常連客と地元の人でほぼ占拠されているから。

もちろん、下段から始めて、上段の激アツ湯にも浸かったよ。おれ、温泉プロだから。おれ、我慢強いから。

一日の始まりは、温泉から。なかなかの好スタートを切った、昨日の朝なのである。

グッドモーニング富良野。

2013-09-13 08:41:19 | Weblog

昨日、宿までもう少しというところで、ライダーとすれ違った。山部の片田舎でピースサインを交わしたわけなのだが・・・。

廃バスに戻って少し経ったところへ、さっきすれ違ったライダーが現れてこう言う。
「ここって、泊まれるんですか?」

そんなわけで、昨夜の廃バスの宿泊者は二名。

22歳。国立大学の大学院生。ライダーハウス専門の故軽装。

彼曰く。
「さっき見に来たんですけど、こんな寂しくて怖そうな所に泊まれるか不安になった。荷物があるのに人がいなくて、ちょー怖かった。富良野の他のライダーハウスを探しにいくつもりだったところで、住人らしきライダーとすれ違った」

相当賢く、相当面白く、相当礼儀正しい青年。

薪ストーブで暖を取りながら、山部の星空を見上げながら、お互いの旅と人生の話を夜更けまで。

10分に一度、「すげぇ!星が綺麗!北海道最高!」とつぶやく彼。

若さという名の、気持ちがいいほどの無謀さと未熟さと軽さとスピード、そして情熱を併せ持つ、そんな青年だった。

ゆうべの星空も、恐ろしいくらい眩かった。
グッドモーニング富良野。

「富良野は、何も無いところがいいんですね」
そんなことをサラリと言う彼に、分かったようなことを言うじゃねーか・・・おれはまだ分かってないのに・・・。そんなことを想う、コーヒーの朝。