ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

待っててね、イルカちゃん。

2017-11-16 23:33:05 | Weblog


オーストラリアの西の方。ブルームという町がある。ブルームから見るインド洋に沈む夕陽は世界一美しいらしい・・・。
世界一かどうかはまったくわからないが、夕陽がすごく大きかった。今まで見たこともないくらい大きかった、ような気がする。・・・さすがブルーム・・・と。

ブルームから、西の海岸線を南へ下りていく、
モンキーマイアという場所。モンキーマイアへ行けばイルカに逢える。ノンノンノン、イルカショーのイルカじゃないよ。野生のイルカだよ。ワイルドドルフィン。
夕方、浜辺にいると、向こうの方から数頭のイルカがやって来る。エサをもらいに。イルカは言う。「エサくれ、エサくれ」。
そう、ここにやって来るイルカちゃんたちは餌付けをされている。果たして、餌付けをされているイルカを野生のイルカと言っていいものか・・・果たして・・・。
まぁ、野生である。だって、基本的に、生きているのは大海原だから。「エサくれ」だけで生きているわけじゃないし。
ここのイルカ、触れる。自由に触れる。なぜなら、野生だから。
膝まで水の中へ入って立っていると、周りをグルグルと泳いだり、白いお腹を向けてパシャパシャしたり。・・・可愛い。イルカちゃん、可愛すぎるぞ。

キュートなイルカちゃんたちは、「エサくれエサくれ」とねだってくるのだが、あいにく、僕は餌になる小魚を持っていない。奈良の鹿せんべいみたいに、イルカのエサ用の小魚は売っていない。なぜなら、野生だから。ちなみに、奈良の鹿も野生。

浜辺を歩いていると、小魚が落ちていた。「やった」。
釣り人が捨てた小魚である。見ると、そこそこ落ちている。「やった」。餌付けが出来る。待っててね、イルカちゃん。

「イルカは・・・フグ、食べるかなぁ?」

僕は小魚のシッポをつまんでブラブラさせながら、波打ち際で遊ぶイルカに向かって、ジャブジャブと海の中へと進んでいくのである。

つづく。

写真は、今朝5時半の嵐山の夜明け。新しく借りた畑より。

のび太くんに会ったよ。

2017-11-16 04:59:12 | Weblog


親ペンギンと子ペンギンの話の続きが知りたいとメールが来た。

フィリップアイランド。南極からの風は冷たい。冷たすぎる。
建物の中、柱一本を挟んで離れ離れになってしまった親ペンギンと子ペンギンである。母を訪ねて50センチである。歯がゆいのである。すぐそこにいるのに・・・すぐそばにいるのに・・・。歯がゆいのである。建物の中から観ている全員が、色々な言語で叫んでいる。「いるよ!そこにいるよ!すぐそばにいるよ!一歩下がって!一歩下がるんだ!あと少しで逢えるのに!」。トレンディドラマのすれ違いのシーンを観ているようなのである。
20〜30人はいただろうか。30分もすると、名シーンも飽きる。進展しないシーンには飽きる。人影がまばらになっていく。
もちろん、僕も飽きる。残念だが、飽きる。鳴き続ける親子ペンギンに飽きる。「なんだこのシーン」。ひどいのである。僕もその場を離れる。
建物の中をウロウロして、しばらくして名シーンの場所に戻ってみた。
親ペンギンと子ペンギンは再会を果たしていた。子ペンギンが親ペンギンに甘えまくっていた。逆に怒っていたのかもしれない。

どうやったのだろう?どうなったのだろう?

一時間近くも50センチの距離で離れ離れになっていた親子ペンギンはどうやって出会えたのだろう?そんな知恵があるなら最初から使えばいいのに。それはどんな知恵だったのだろう?

どうやって出会えたのかは、誰も見ていない、

オーストラリアの街中にはポッサムというリスみたいなモモンガみたいな小さな動物がいる。
夜行性なので夜になるとどこかから出てくる。
誰かが「あっ、ポッサム!」と叫んで、みんなで振り返るものの、振り返った時にはポッサムはもういない。そんなことを100万回も繰り返す。
「あっ、ポッサム」「えっ?どこどこ?」「あっ、ポッサム」「えっ?どこどこ?」「あっ、ポッサム」「えっ?どこどこ?」「あっ、ポッサム」「えっ?どこどこ?」といった具合である。
ポッサムは相当可愛い。

オーストラリアの北の方にはワニがいる。クロコダイルダンディである。野生のワニがウヨウヨいる。川に入ったらワニに食われる。川には入らないからワニには食われない。
ボートに乗るとワニが現れる。ワニがボートと並走したりする。オール一本でワニに勝てんのか?と思ったりする。
なんとかキャニオンという名のアメリカのグランドキャニオンのパチモンみたいな峡谷で、カヤックを借りて川を下った。
川下りの最中に出会ったのび太くんに似た通称のび太くんが言っていた。「さっき、あそこらへんにワニがいましたよね?」。
のび太くんは徒歩とヒッチハイクでオーストラリアを旅していた。数万キロを徒歩で・・・のび太くんはどうかしちゃってる。
のび太くんは「じゃあ」と言って、気温40度超えのアウトバックをトコトコと歩き始めた。のび太くんは、本当にどうかしちゃってる。
僕はしばらくの間、ひからびたのび太くんの屍がどこかに転がってるんじゃないかと、ドキドキしながら車を走らせていたのだった。

つづく。

写真は、セブンイレブンのクジで当たった高級飲むヨーグルト。