夏といえば、かつてはお化けだったものですが、
このところ、すっかり影が薄くて?
地獄巡りが今や人気。
夏休みのせいか、人が大勢いて少し
びっくり。
三井記念美術館は、
古いエレベーターが素敵。
地獄への入り口はシャレている。
展覧会は、入るとすぐに水木しげるさんの
地獄絵を展示。
「のんのんばあ」が案内してくれるというわけ。
もう、これで、怖さはなくなるよね。
私ら子供のころは、地獄とか幽霊とか
怖くて、「悪いことは絶対にしない」と
誓ったものだけど(本当かな?)
幽霊や地獄にいる閻魔様とかも
すっかりキャラクター化しているのね。
私は、母親が、今思えば、ホラー好きで、
「ひとつ積んでは母のため、
二つ積んでは父のため~~」という歌?
(御詠歌)を
子守歌のように?聞いて育ったから、
もうそれだけで怖かった~~、
でも、よくこんな文句考えたよね。
地獄より、母が怖かった~~。
「私が行く地獄はどんなところかしら」と
夢見る??
でも、子どもの頃のうす暗い家のなかで
想像する怖さと、今明るい家のなかで
見る地獄では、怖さがだいぶ、違います。
最近は、地獄の効果も薄い~~。
陰影礼賛はこんなところにも。
「平凡社ギャラリー」
この冊子は、昭和49年刊。
はい、若い頃に買っていまだに持っている。
かの澁澤龍彦氏が解説しています。
地獄にも、どうせ行くならきれいな歩き方で
いきたいわあと練習??
そもそもジャパンの地獄絵は、平安時代の源信という人が
「往生要集」という書で
「死後の世界を思い描けよ」との
言葉から始まったとか。
人の想像力は、天国より地獄の怖さに
向かっていったのね。
天国では、みな同じ表情をしていて
面白みがないけど、地獄はカラフル。
「餓鬼道」「阿鼻地獄」「等活地獄」とか
スゴイわあ。
面白かったのは、謎の死を遂げた
八代目團十郎を三途の川まで追っていく
追っかけ女性ファンを描いた江戸時代の「死絵」や
地獄の門の前で
「浄玻璃の鏡」(死者の善悪を写す鏡)に
写った自分をうっとりと眺める團十郎。
地獄も娑婆もあまり変わらないのかも。
展覧会を出て小腹が空いたので、ちょっと食事。
会場を出るとカフェがあるの。
しかし、地獄の鬼たちも
重労働、ダーティーワークだよね。
悪人どんどん出るから休む暇なくて、
その表情も、悪人どもよりも、疲れて見えた。
というわけで、地獄巡り、
ワタシも少し疲れた。
帰りの空。いかにも鬼とか出そう??
今夜は地獄の夢でも見てぐっすり眠ろう。
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