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半世紀もの隠遁生活の謎ー「原節子の真実」

2016-12-12 17:53:01 | きものの本&本

 

女優、原節子という人を今ではどのくらいの人が

知っているのでしょうか。

名前は知っていても、どのくらいの人が

彼女の作品を見ていることか。


小津映画「晩春」での花嫁姿。

 

かつて「永遠の処女」と謳われ、

その美貌と知性で一世を風靡。

42歳で静かに映画界を去り、

その後、どんなに依頼されても

人前にその姿を現さなかった。

現さないことで、マスコミはよけいに

彼女を追い、神格化していった~~。

 

昨年(2016年)95歳で亡くなったときには、

なんと号外まで。

 

彼女の生涯を追ったのが

「原節子の真実」(新潮社・石井妙子著)。


50年以上も、家族以外誰とも親しく付き合わず、

ほとんど外出もせず、ひたすら本を読み、

海外にもいかず、

部屋にこもり続けたなんてすごいな。


なぜ、それほどかたくなに人に会うことを

拒否し続けたんだろうとの興味があって一読。

石井さんの書くものは面白いんですね。


小泉家や小沢・小澤(征爾)家、俳優香川のルーツを追う

「日本の血脈」(文春)や「おそめ」(新潮社刊)

「おそめ」は藤純子さんの生い立ちに決定的な

役割を果たした人ですね。

艶やかさの裏の生い立ちー藤純子」

 

丁寧な取材と辛辣な視線が読ませる。

で、原節子はなぜ、50年ものあいだ、

ひたすら隠遁生活を送ったのか。


ひとことでいうと!!、

映画界を含む芸能界、マスコミをはじめ家族以外の人が

嫌いだったんでしょうね。

(ひとことで言うな!!)


好きで入ったわけではない映画界。


14歳で家族を養うため映画界入り。

 

そのなかでの蔑み、嫉妬~~。

今でこそ女優は憧れの対象ではありますが、

往時は蔑すまれ、映画界は嫉妬と陰謀が渦巻く

魑魅魍魎とした世界、

いや、今でもそうかも~~??。


そこに戦争と思想と才能と

監督同士の争いが絡む。


彼女を映画界に引き入れた姉の夫。

映画の選択など公私ともども、

軍国主義など思想的にも大きな影響を受け、

一時は噂にまでなった。

その「尊敬」する義兄の監督の下での撮影中に、

むちゃくちゃな撮影で実の兄を亡くしたり~~。

 

「お金がたまったら引退したい」と言い続けた。

 

小津映画でさえ、あまり好みではなかったそう。

 

若い頃といわゆる最盛期と、

だいぶ印象が違うね。

眉の形や表情で、人って、

こんなにも変わるものなんだね、

いや、そっちですか。


でも、ホントだと思う。


知的で清純、これほどの美人はいない、

と言われ続けたのは、顔立ちも立派だけど、

むしろ彼女の性格やほかの女優にはないモノを

持っていたからだと思う。

迎合しない強さ、というか。


戦争やら家族やらに翻弄され続けた半生。

本人はこんな本、書いてほしくなかっただろうな。

それほど詳しく調べてある。

 


事実、何度も彼女の家を訪れては取材申し込みの

 手紙を渡し、でも甥の家族に丁寧に断られている。


どんな人にでも隠しておきたいことはある、

けど~~、

名を持つって、大変です。


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