ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

夏のタイムマシーン(小泉今日子)

2023-07-25 12:31:27 | 歌詞

真夏のショーウィンドウ 太陽が反射して

真っ白な舗道を

ふと誰かとすれ違った気がした

あれは多分16の私

 

制限の帰り道 覗き込んだディスプレイ

ハイヒールがとても眩しかった あの頃

初めてキスした夜 ママに嘘ついたけど

知りたかっただけなの 変わっていく自分を

 

恋をしてときめいて陽炎にゆれる未来を

恋をしてときめいて手のひらかざし見つめてた

夢は何色 愛は何色 幸せは何色

 

夏のタイムマシーン 少女の私に伝えてよ

あの日探してた答えは今も出せないけど

夏のタイムマシーン 大丈夫だよと伝えてよ

あの日輝いてたその瞳に負けないくらい

一生懸命泣いて 一生懸命悩んで

一生懸命頑張っているから

 

作詞は田口俊。作曲は筒美京平。1988年発売。この曲、リアルタイムでは覚えがないです。次の「怪盗ルビイ」はよく分かりますが。ただ、後に知って、小泉今日子の曲の中でも個人的には上位に入ります。

 

「真夏のショーウィンドウ、太陽が反射して、真っ白な舗道をふと誰かとすれ違った気がした。あれは多分16の私」

タイムマシーンに乗って、当時22才の小泉さんが過去に戻ります。今にして思えば16才も22才も若いのですが、当時の小泉さんはアイドルとしてベテランで、主流から外れつつあった時期だと思います。

 

当時の女性アイドルは10代がピークで20才を過ぎると下降線をたどるパターンがほとんどでした。

それでも別格の松田聖子、中森明菜20才の壁を難なく越えて、第三極のスーパーアイドルだった小泉さんも20才を過ぎても人気が落ちることはありませんでした。

その後、CM女王になり、本格的な女優に転身しました。アイドルから上手く脱皮した数少ない成功例だと思います。

 

「夏のタイムマシーン」の歌詞を拡げて見ると、当時のアイドルの22才というのは一般に当てはめれば40代以上の中高年といえます。

 

「夏のタイムマシーン、少女の私に伝えてよ。あの日輝いてたその瞳に負けないくらい一生懸命泣いて、一生懸命悩んで、一生懸命頑張っているから

 

「夏のタイムマシーン」はかつて少年、少女だった大人たちに、あの頃の気持ちを忘れずにいるかと問いかけているような気がします。

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逢いたくなった時に君はここにいない(サザンオールスターズ)

2023-07-18 12:05:24 | 歌詞

昨日までの喜びが悲しみに変わるよ

あんなに空が丸く見えるこの頃なのに

たぶん君は許さない 女でいる限り

噂の後に割れた絆を

 

目の前に好きな女性がいればなおさら辛い

今すぐにやり直せば 甘い言葉が嘘になる

誰より愛しい女性よ 君と歩いた夏

胸によみがえる

 

一番身近な相手を他人の目の中で うぬぼれてた

誰より愛しい女性よ 君と歩いた夏

胸によみがえる

逢いたくなった時に 君はここにいない

二度と帰らない

 

作詞、作曲は桑田佳祐。

深夜ラジオで長渕剛は「桑田君は苺のショートケーキ」と言い、長淵さんは自身を地元の菓子か何かに例えました。要は「育ちが違う」と言いたかったのでしょう。

 

サザンの曲には上流の青春の匂いがします。僕もそれは多少苦手だったのですが、そうした感情を打ち消してしまう桑田佳祐の才能はやはり凄かったですね。

夏と言えばサザン。桑田さんは夏を文字と音で描く画家。「逢いたくなった時に君はここにいない」も夏を描いています。

どうも主人公の男が相当モテるようで、浮気をしてしまったのでしょう。その代償として「誰より愛しい女性」を失ってしまったという自業自得の話なんですけど、これが桑田マジックにかかると芸術作品になるのです。

 

「誰より愛しい女性よ、君と歩いた夏。胸によみがえる」

ここだけは共感出来ますし、このサビのメロディーが秀逸です。

「一番身近な相手を、他人の目の中でうぬぼれてた」

人によって受けとりようはあると思いますが、この表現は凄いですね。桑田さんはメロディーメーカーのイメージが強いですが、言葉の魔術師でもあります。

 

 

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揺れる想い(ZARD)

2023-05-26 12:29:40 | 歌詞

揺れる想い体じゅう感じて

君と歩き続けたい in your dream

 

夏が忍び足で近づくよ

きらめく波が砂浜潤して

こだわってたまわりをすべて捨てて

今あなたに決めたの

こんな自分に合う人はもう

いないと半分あきらめてた

 

揺れる想い体じゅう感じて

このままずっとそばにいたい

青く澄んだあの空のような

君と歩き続けたい in your dream

 

作詞は坂井泉水。作曲・織田哲郎とのゴールデンコンビ。

坂井さんの前に織田哲郎さんに触れておきます。同世代に小室哲哉という光輝く存在があったため、織田さんは影に隠れがちですが、小室さんと双璧と言えるほどの平成のヒットメーカーです。曲作りの天才だと思いますが、当の織田さんが「俺は天才なんかじゃないよ」というタイプの方なので、世間もそれを信じてしまう。

自らの才能を大きく見せようとする人と、能ある鷹は爪を隠す人に別れますが、織田さんは明らかに後者です。ZARDの曲だけみても「揺れる想い」「負けないで」「マイフレンド」など代表曲は織田さんが手掛けたものです。

 

「揺れる想い」は1993年5月発売。今からちょうど30年前に日本中で流れていた曲です。ポカリスエットのCMが印象的ですね。

 

坂井さんの歌詞は恋愛にまつわるものがほとんどで、この曲の「青く澄んだあの空のような、君と歩き続けたい in my dream」に象徴されるように、夢を追う男性が好きなのでしょう。

 

歌詞へのこだわりは強く、歌手になる前のレースクイーン時代の同僚によれば、ノートにぎっしりと詩を書き溜めていたそうです。

「この歌詞に曲をつけてもらって自分が歌う」という夢を思い描いていたのでしょう。そして何年か先に坂井泉水という歌姫が誕生しました。

坂井さんは本当に綺麗な人でしたが、容姿のみでなく、声のルックスが抜群でした。それに丹念に書かれた歌詞、織田哲郎との出会いがZARDを大きな存在にしたのでしょう。

 

坂井さんが美人薄命であったことは残念ですが、ZARDの曲は今もはっきりと生き続けています。

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青春(ザ・ハイロウズ)

2023-05-11 11:57:30 | 歌詞

冬に覚えた歌を忘れた

ストーブの中 残った石油

ツララのように尖って光る

やがて溶けてく激情のカス

 

音楽室のピアノでブギー

ジェリー・リースタイル

骨身をさらけ出したその後で

散文的に笑う

 

心のないやさしさは

敗北に似てる

混沌と混乱と狂熱が

俺と一緒に行く

 

作詞・作曲は真島昌利。ブルーハーツの熱狂から10年程あとの曲。

冒頭の「冬に覚えた歌を忘れた~やがて溶けてく激情のカス」

この部分で青春の形を表現しているように感じます。

「ツララのように尖って光る。やがて溶けてく激情のカス」

ここ、ブルーハーツっぽいですね。

 

甲本ヒロトはある人たちから見れば、カスであり、ドブネズミだったかもしれない。 

ただ当時10代だった僕から見ると甲本さんはカリスマでした。トリッキーなスタイルでいてメッセージは強く伝わりました。

甲本さんの輝かせ方を最も知り尽くしているのが真島さんで、この曲もその流れで作られている気がします。

 

「音楽室のピアノでブギー。ジェリー・リースタイル。骨身をさらけ出したその後で散文的に笑う」

ブルーハーツにしてもハイロウズにしても意味を理解するより、感じることの方が大事なのだと思います。

ただ「散文的に笑う」というのはネガティブで心から笑っていない。

 

「心のないやさしさは敗北に似てる」

そんな気がします。僕は負けっぱなしです。

 

「混沌と混乱と狂熱が俺と一緒に行く」

これもある青春の形を見事に表現しているように思います。これを甲本さんが歌って届ける訳ですから、格好良くはなりますね。

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最新人気歌詞100曲

2023-05-02 11:28:25 | 歌詞

ゴールデンウィーク特別企画、歌詞検索j-Lyric.net様のご協力でお伝えする人気歌詞ランキング「カウントアップブログ100」。

 

早速、ランキングの発表です。本日の第1位はスピッツ「美しい鰭」。美しい鰭についてはこないだブログで記したので、今日は特にありません。スピッツは100位以内に「チェリー」、「ロビンソン」、「春の歌」がランクイン。スピッツ人気、根強いです。

特にロビンソンの歌詞は凄い。「川原の道を自転車で~」が最後には大きな力で空に浮かべたら宇宙の風に乗ってしまうという歌詞で最初に草野マサムネさんの凄みを認識した曲です。

 

それではカウントアップ。第2位はAKB48「どうしても君が好きだ」

草野さんが天才なら秋元康さんは怪物。80年代から約40年、芸能界の中心に居座っています。

 

第6位は市川由紀乃「花わずらい」。演歌が上位に入ってくるのが、このランキングの面白いところで、何でもありの総合格闘技です。

 

さらにカウントアップ。15位は「グリーングリーン」唱歌。懐かしい。小学校の教科書に載っていた曲です。「ある日パパとふたりで語り合ったさ。この世に生きる喜び、そして悲しみのことを」。

18位は「ふるさと」唱歌。今は帰郷している方も多いでしょう。

19位は「こいのぼり」。20位「一年生になったら」と童謡・唱歌が続きます。季節柄もありますが、人気は根強いです。

 

さらにカウントアップ。

24位は森山直太朗「虹」。25位は中島みゆき「糸」と実力派がランクイン。

28位はCHARA「やさしい気持ち」懐かしい。

31位は中島みゆき「ファイト!」これぞみゆきさんの真骨頂。「闘う君の歌を闘わない奴らが笑うだろう」名曲です。

34位はQueen「BoGEMIAN RHAPSODY」。唯一の洋楽。完成度が高く、僕自身も大好きな曲です。

35位は米津玄師「Lemon」。YouTube再生回数1位の曲ですね。米津さんの歌詞も何曲かランクインしていますが、僕の好きな「まちがいさがし」はランク外でした。

39位は松任谷由実「ルージュの伝言」。中島さんと共に大御所がランクイン。40年、50年経っても残ってくるのは凄いの一言。

 

42位はback number「水平線」。back numberは他にも「アイラブユー」「ハッピーエンド」「花束」「高嶺の花子さん」と5曲もランクイン。歌詞が高く評価されています。

43位は「いすゞのトラック」。ラジオでよく流れています。

44位は吉幾三「おら東京さ行くだ」48位は宇多田ヒカル「First Love」。宇多田さんは誰もが認める天才。吉さんは隠れた天才。

 

51位は「アンパンマンのマーチ」。52位はHY「366日」。54位はSMAP「世界に一つだけの花」。再結成はあるのか。

59位は久保田早紀「異邦人」。昭和の名曲。

63位、まんが日本昔ばなし「~にんげんっていいな~」

73位、花「唱歌」。「春のうららの隅田川~」

76位はBump Of  Chicken「天体観測」

83位、一青窈「ハナミズキ」。

86位、WANDSか「世界が終わるまでは」懐かしい。

92位は「おもちゃのチャチャチャ」童謡。作詞は野坂昭如。

 

ゴールデンウィーク特別企画。「カウントアップブログ100」。最後は駆け足になってしまいました。好評ならまたやって見たいですね。それでは。

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Drawing(Mr.Children)

2023-04-25 12:44:25 | 歌詞

遠い遠い子供の頃夢で見た景色が

一瞬フラッシュバックしたんだ

笑いながら僕の頬にキスをする少女が

君とオーバーラップして

淡い光の曇り空にフワフワな時を刻んでいく

この素晴らしい煩わしい気持ちを

真空パックしておけないものかな

絵に描いたとしても

時と共に何かが色褪せてしまうでしょう

永遠はいつでも形のない儚い幻影

君と共に僕の元に

そしていつも僕のノートに

 

作詞作曲は桜井和寿。ドラマ「幸福の王子」主題歌。

ミスチルといえば数々の大ヒット曲がありますが、この「Drawing」は「幸福の王子」の主題歌として強く印象に残ります。主要キャストは本木雅弘・菅野美穂・渡部篤郎。綾瀬はるかも新進女優として出演していました。

 

救いのない悲しい物語なのですが、エンディングにDrawingが流れると、ドラマの余韻を引きずりながら、儚い希望を思い抱かせてくれるような曲でした。もう20年も経つんですね。

 

「遠い遠い子供の頃夢で見た景色が、一瞬フラッシュバックしたんだ。笑いながら僕の頬にキスをする少女が、君とオーバーラップして」

桜井さん、ロマンチストです。

 

「絵に描いたとしても、時と共に何かが色褪せてしまうでしょう」

絵そのものが色褪せてしまうだけてなく、もっと内側のものが色褪せる気がします。

 

「永遠はいつでも形のない儚い幻影」

永遠は存在しても人には寿命があって、その埋まりようもない真実を「形のない儚い幻影」と表現しているように思います。

そして「君と共に僕の元に、そしていつも僕のノートに」と綺麗に綴じられています。これは名曲だと思います。

 

ドラマの話に戻ると、これだけのキャストを再び集めるのは困難です。綾瀬さんも国民的女優になりましたし。この時はまだ想像出来なかった。

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美しい鰭(スピッツ)

2023-04-17 11:47:02 | 歌詞

波音で消されちゃった

はっきりと聞かせろって

わざとらしい海原

 

100回以上の失敗は

ダーウィンさんも感涙の

ユニークな進化の礎

 

あの日のことは忘れないよ

しずくの小惑星の真ん中で

流れるまんま流されたら

抗おうか美しい鰭で

壊れる夜もあったけれど

自分でいられるように

 

作詞・作曲は草野マサムネ。スピッツの新曲です。人気アニメの劇場版の主題歌なので、当然、草野さんも作品に合わせ作っているはずです。しかし、ここではそれを切り離して歌詞を見ていきます。

 

「波音で消されちゃった~わざとらしい海原」

わざとらしい海原という表現から人為的に邪魔させたと捉えます。主人公にとっては大切なことを聞き取れなかった。

 

「100回以上の失敗は~」

ここでダーウィンさんという偉人が登場です。多くの失敗から本人も想像もつかない進化があったのでしょう。

 

「あの日のことは忘れないよ、しずくの小惑星の真ん中で」

強い決意を感じます。あとは雫と小惑星をどう解釈するかですね。草野さんはリリースしたら「想像にお任せします」というスタイルなので、100人いたら100通りの受け取り方があるのだと思います。僕は雫は涙、小惑星は心をイメージします。

 

「流れるまんま流されたら」何に流されたのか?社会や権力、多数派といったものが浮かびます。それに対して「抗おうか美しい鰭で」

美しい鰭でバランスを取りながら大きな力に流されない決意。

「壊れる夜もあったけれど、自分でいられるように」

どうでもいいやと自暴自棄になった時もあった。しかし、それは自分を殺すこと。だからこそ抗う。美しい鰭で。自分でいられるように。「美しい」と歌う草野さんのファルセットも美しい。

 

草野さんは自分の歌唱力に対してネガティブな発言が多いのですが、曲に忠実に声を合わせていくタイプで、いわゆる歌い上げたり、音程を崩したりはしません。そこは人によって好き好きが別れるところです。

ただ、草野さんの全体的には高音で透き通っていて、少し霞がかった声には青春の面影があり、僕は好きです。「自分より上手く曲を表現できる人がいたら、ボーカルを譲ってもいい」などと言わず(笑)、スピッツファンとしては声が出る限り、歌い続けてもらいたいです。

 

 

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ルージュ(中島みゆき)

2023-03-28 11:47:49 | 歌詞

口をきくのが上手くなりました

どんな酔しれた人にでも 

口をきくのが上手くなりました

ルージュひくたびに分かります

 

あの人追いかけて この町へ着いた頃は

まだルージュはただひとつ うす桜

あの人追いかけて繰り返す人違い

いつか泣き慣れて

 

つくり笑いが上手くなりました

心なじめない人にでも

つくり笑いが上手くなりました

ルージュひくたびに分かります

 

生まれた時から渡り鳥も渡る気で

つばさをつくろう事も知るまいに

気がつきゃ鏡も忘れかけたうす桜

おかしな色と笑う

 

つくり笑いが上手くなりました

ルージュひくたびに分かります

 

作詞は中島みゆき。

冒頭の「口をきくのが上手くなりました」

確かに上手くなります。体が大きかったり、年は取っていても「この人、子供なんだな」と思うことありますよね。

 

「あの人追いかけてこの町に着いた頃は、まだルージュはただひとつうす桜」

この頃は主人公の女性も外見はもちろん、内面にも幼さが残っていたことを伺わせます。

「つくり笑いが上手くなりました」

これも上手くなります。愛想笑いとは違いますけど。

 

「生まれた時から渡り鳥も渡る気で、つばさをつくろう事も知るまいに」

ここ好きです。生まれた時には分からなくても、女になることは約束されている。

渡り鳥をもってくるあたりが、中島みゆきの才能でしょう。

 

「気がつきゃ鏡も忘れかけたうす桜、おかしな色と笑う」

直接的には鏡に写った自分の唇の色を見て、笑っているのでしょう。あまりにも不釣り合いで。 

 

みゆきさんは人の心を動かす言葉を持っている稀有なアーティストです。まだまだ現役でいてください。

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「青春」岩崎良美

2023-03-17 11:43:56 | 歌詞

風が踊るグランドベンチの隅

誰かほら忘れていったわ ユニフォーム

汗にまみれ あちこち破れかけて

手にとると涙が出た

ねえ音も立てず過ぎてゆく青春には

さよならがいっぱい

ねえ楽しい日々 お願いこのまま

stay  stay  stay  時よ動かないで

わたしはまだ あなたに好きですって

打ち明けてさえいないの

 

色々な意味を込めてアニメ「タッチ」のエンディングテーマ曲「青春」を選びました。

俗にいう卒業ソングの歌詞には同じようなフレーズが多く(尾崎豊の「卒業」は例外)、好きな曲は多いのですが、歌詞は悪く言えば似たり寄ったり。桜、教室、制服のボタン、4月からは、などが重なっています。

 

そんな中で「青春」は野球部の女子マネージャーの視点から描いていて新鮮です。

ベンチの隅に誰かが忘れていったユニフォーム。

「汗にまみれあちこち破れかけて、手にとると涙が出た」

古びた歌詞にも見えますが、普遍的なものかもしれません。

 

「音も立てず過ぎてゆく青春」

無意識に流れるものですね。

 

「時よ、動かないで」

学生時代は時が動くことを恐れなかった。しかし、この女子マネージャーは、それが動かないことを願ったのですね。いまの季節、そうした想いの学生も多いのではないでしょうか。

 

「わたしはまだあなたに好きですって、打ち明けてさえいないの」

「わたし」は浅倉南。「あなた」は上杉達也で間違いないと思いますが、南が達也のことを「たっちゃん」と呼んでいました。

いま、「たっちゃん」が再ブームです。彼のミドルネームは「達治」ですが。

また、「青春」は1986年の選抜入場行進曲でもあります。春のセンバツも間近です。

 

 

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祈り(長渕剛)

2023-03-10 11:21:07 | 歌詞

お前が去ってくその前に

なぜに電話くれなったか

優しすぎるお前のことだから

それが思いやりのつもりだったのか

 

俺たちいつでもひとつなんだと

あれほど話し合ってきたよね

お前のことはすべてわかっている

つもりの自分が悔しすぎるよ

 

二人でいくつもの夜をこえて

新しい朝が目の前だったのに

深く瞳を閉じて今 天女のように

お前はひとり空に帰る

 

作詞は長渕剛。冒頭の「お前が去ってくその前に、なぜに電話くれなったか」は、悔やみきれない男性の思いが伝わってきます。

「お前のことはすべてわかっているつもりの自分が悔しすぎるよ」

この女性は男性に重要なことを話していなかったことが伺えます。

「二人でいくつもの夜をこえて、新しい朝が目の前だったのに」という言葉からは、この二人には苦労が多かったのだろうと想像できます。

ここまでは若い男女の別れの歌詞に思えます。

 

しかし、「深く瞳を閉じていま、天女のようにお前はひとり空に帰る」という文章で、女性は亡くなったのだと分かります。

この最後の言葉によって、それまでの歌詞のイメージが一変し、男性が声をあげて、夜通し声をあげて泣いている姿が浮かびます。

 

2番に「今度生まれてくる時は、幸せな日々を送れるといいね」とありますが、これは男性の願望で、実際に人生がきついと、二度と生まれたくないという考え方をするようにもなるんですよね。この女性がどう思っていたかは分かりませんが。

 

全体を見渡して、無駄な言葉は一文字としてない歌詞ですね。この曲には若い頃の長淵さんの柔らかい声が似合います。

 

 

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