ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

青い地球(ささきいさお)

2023-02-24 11:43:46 | 歌詞

目を閉じて思い出す

母さんの面影

遠く離れた青い地球よ

安らかに眠れ

メーテル

またひとつ星が消えるよ

赤く赤く燃えて

銀河を流れるように

銀河を流れるように

 

先日、漫画家の松本零士さんが亡くなりました。巨星が落ちました。

数々の名作がある中で、僕は「銀河鉄道999」が好きでした。

改めて大人になってから見直すと子供の頃とは随分、印象が違いました。こんなにも深い作品だったのかと。

 

あとは鉄郎とメーテル。僕はアニメのヒロインにはほとんど興味がないのですが、メーテルは例外です。切れ長の目にミステリアスな雰囲気。メーテルはいい。

 

そろそろ歌詞の方にも目を向けます。

作詞は橋本淳。「青い地球」は銀河鉄道999のエンディング曲です。ささきいさおさんが包容力のある声で歌いあげています。

 

「目を閉じて思い出す、母さんの面影」

すでに鉄郎の母が、この世にいないことを示しています。

「遠く離れた青い地球よ、安らかに眠れ」

今の時代に聴くと重く響きます。

「メーテル、またひとつ星が消えるよ」

鉄郎はよく「メーテル」と呼びかけていましたね。いまも耳に残ります。

「赤く赤く燃えて、銀河を流れるように」

星の爆発の眩しさを美しく表現しています。永遠の命を手に入れるため、メーテルと宇宙を旅する鉄郎に、星にさえ死が訪れることを教えているようです。

 

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コイスルオトメ(いきものがかり)

2023-02-16 12:47:58 | 歌詞

募る思いを打ち明けた

大きく頷いてくれた

初めて握る左手は

あたしよりも震えていた

 

恥ずかしがり屋の貴方は

いつもやたらと早足で

スキがあればじゃれつこうと

たくらむあたし悩ませた

 

「運命の人よ」「白馬の王子様よ」

貴方はまた照れて聞き流すけど

カンジンなことは ちゃんと伝えて欲しいんだ

どうしようもないくらいに好きだから

 

ゆっくりとゆっくりと あたしを抱きしめて

微笑む貴方の鼓動はリズム

好きだよ大好きだよ 何時までも一緒

恋する貴方には あたしだけなの

 

作詞は水野良樹。いきものがかりのほとんどの曲は水野さんが作っている事は知っていましたが、この曲の歌詞はボーカルの吉岡聖恵が書いたのではないかと思っていました。ところが調べてみると水野さんでした。

 

「募る思いを打ち明けた。大きく頷いてくれた」

随分とラッキーボーイだと思うんですよ。女の子から告白されて、大きく頷いているだけですから。ただ、少し過ぎましたが、バレンタインデーだったとの仮説を立てると、しっくりくるような気がします。

 

「恥ずかしがり屋の貴方は、いつもやたらと早足で」

大抵、少年は少女に対してシャイです。

 

「運命の人よ、白馬の王子様よ」

これは随分、大きな表現で、からかわれているのでは、と疑ってしまいます。ただ、その後「カンジンなことは、ちゃんと伝えて欲しいんだ」との要求。これは男子としては伝えなきゃいけない。

 

「すきだよ、大好きだよ、何時までも一緒。恋する貴方には、あたしだけなの」

本当にストレートですね。この乙女心を水野さんが見事に書き上げました。

水野さんは吉岡さんを輝かす魔法を使えるのだと思います。

 

いきものがかりが世の中に知られて15年以上が経ちました。彼らの曲には青春の匂いがしていた。そして時は流れ、メンバーも中年に差し掛かりました。

 

現在、水野さんは幅広い世代、ジャンルのアーティストに楽曲を提供しています。彼の才能ならば引く手あまたでしょう。

上白石萌音の「夜明けをくちずさめたら」は、水野さんらしい曲調で、上白石さんの歌唱力も手伝って、素晴らしい出来に仕上がっています。

ただ、水野さんは吉岡聖恵を輝かす魔法を持っている。大人の吉岡さんの新たな魅力を引き出してもらいたいです。

 

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水平線(back number)

2023-01-24 10:33:09 | 歌詞

出来るだけ嘘は無いように

どんな時も優しくあれるように

人が痛みを感じた時は

自分の事のように思えるように

正しさを別の正しさで

失くす悲しみにも出会うけれど

 

水平線が光る朝に

あなたの希望が崩れ落ちて

風に飛ばされる欠片に誰かが綺麗と呟いてる

悲しい声で歌いながら

いつしか海に流れ着いて

光って

あなたはそれを見るでしょう

 

作詞は清水依与吏。バックナンバーはミスチルを手がけた小林武史氏がプロデュースしたバントだからか、最初から耳に馴染みました。

 

歌詞で印象的なのは「水平線」ですかね。

僕がよく見る動画は少女が主人公で、その辺りの世代に向けて書いているのだと思いますが、すでにそこを通りすぎた人にも、共感できる歌詞です。

 

最初は道徳の教科書のような始まりですけど、ここが大事なつかみになっています。

そして「水平線が光る朝にあなたの希望が崩れ落ちて…」と続いていきます。確かに人の悲しみって他人から見ると美しかったりするんですよ。でも、人間って愚かなもので人の痛みが理解できない。

確かにそれが普通の人間だけれども、「君はそうならないでね」というメッセージが込められています。それが冒頭の部分の「出来るだけ嘘は無いように…」という道徳の教科書的なところです。これは祈りであり願いです。

何も意味を考えずに歌詞を眺めていても美しい。バックナンバー、いいですね。

 

 

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「それが大事」は罪なのか?

2022-12-30 14:41:21 | 歌詞

サッカー日本代表のCMに「それが大事」が使われていました。僕らの世代では知らない人がほとんどいないぐらいの青春ソングです。ただ、今の時代だとネットなどで賛否が渦巻いているだろうと想像します。

 

「負けない事、投げ出さない事、逃げ出さない事、信じ抜く事 駄目になりそうな時、それが一番大事」

この部分ですよね。人によると思います。僕はこの曲が好きだったけれど、相性は良くなかった。当時、僕はすでにパニック障害でした。その病名すら知らず。特に電車や授業中、座っているのが辛かった。大学に着いた頃にはすでにボロボロです。

 

このような場合に「それが大事」は良くありません。ところが、こうした状況であるがゆえに、僕は長渕剛などのメッセージ性の強い曲を求めました。しかし、そうした勇ましい曲がプラスに働く事はありませんでした。

「それが大事」がプラスに働くのは、乗り越えられる程度の壁に挑んでいる人なのだと思います。

 

心や体が弱っている人には、テレビも毒になる可能性があります。テレビは視聴率を求める為、より多くの人が共感できるものを流します。

例えば、現在のコロナ渦であれば、青春を謳歌出来なかった学生をクローズアップします。しかし、実際に大変なのは、コロナの後遺症に苦しんでいる人々です。しかしテレビはほとんど取り上げません。

 

そして、この年末年始。クリスマスや帰省ラッシュなどでのカップルや家族連れの映像が溢れます。それを目にした孤独な人は、より孤独を感じるかもしれません。

だからそういった人は、好きな本や音楽や映画を楽しんでいた方がよほど良いでしょう。

 

僕は今でも「それが大事」という曲が好きです。長渕さんの曲もたまに聴きます。やはりアーティストは好きな表現をすべきだし、あとは受け取る側の問題なのだと思います。

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小椋佳「俺たちの旅」

2022-12-06 14:10:08 | 歌詞

夢の坂道は木の葉模様の石畳

まばゆく白い長い壁

足跡も影も残さないで

たどり着けない山の中へ

続いているものなのです

 

夢の夕陽はコバルト色の空と海

交わってただ遠い果て

輝いたという記憶だけで

ほんの小さな一番星に

追われて消えるものなのです

 

夢の語らいは小麦色した帰り道

畑の中の戻り道

ウォーターメロンの花の中に

数えきれない長い年月

うたた寝をするものなのです

 

背中の夢に浮かぶ小舟に

あなたが今でも手を振るようだ

 

ドラマ「俺たちの旅」主題歌。同名タイトルの曲なので、ドラマに合わせて作られたのだと思います。

それにしても小椋佳は凄い。特に歌詞が。僕はドラマは知らないのですが、仲間との友情を描いた青春ものなのでしょう。

小椋さんは夢という言葉を軸に歌詞を組み立てています。始まりも「夢の坂道は木の葉模様の石畳」と入っています。

 

この歌詞の好きな部分は「夢の夕陽はコバルト色の空と海 交わってただ遠い果て 輝いたという記憶だけでほんの小さな一番星に追われて消えるものなのです」

凄いな、これ。小椋佳は言葉の魔術師だ。

「夢の語らいは」で始まる歌詞も凄い。「ウォーターメロンの花の中に、数えきれない長い年月、うたた寝をするものなのです」って。何ですか。細かな意味を考える前に感覚的に圧倒的なものがあります。

 

そして「背中の夢に、浮かぶ小舟に、あなたが今でも手を振るようだ」と締めています。最後の「ようだ」を付け加えることで明らかに深みがましています。まさに言葉の達人だと思いますが、多分、小椋さんに言わせれば「まだ何も知らない」と言いそうで怖い。小椋さんが東大で、優秀な銀行マンだったことは知っていましたが、後に大学院に入り直しているんですよ。物凄く知的好奇心が旺盛な方なのです。

 

小椋さんは歌手活動を引退するそうですが、詩や歌詞は書き続ける気がします。言葉の神様に選ばれた宿命というか。

 

小椋佳の歌詞は後世に残さなければいけないと思います。デジタル化が進めばアナログ的なもののレベルは落ちていくと思います。だからこそ小椋佳が紡いだ言葉は、時代が進む程、輝きを増すのではないでしょうか。

 

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イルカ「雨の物語」

2022-11-10 10:40:29 | 歌詞

化粧する君の その背中がとても

小さく見えて 仕方ないから

僕はまだ君を 愛しているんだろう

そんなことふと思いながら

窓の外は雨 雨が降ってる

物語の終りに

こんな雨の日 似合いすぎてる

 

窓の外は雨 雨が降ってる

いく筋もの雨が

君の心のくもりガラスに

 

イルカと言えば「なごり雪」しか知らなかったのですが、「雨の物語」という名曲を発見しました。作詞作曲は伊勢正三。

伊勢さんいい仕事してますね。歌詞や曲からは情感が滲み出ています。この人はもっと評価されていいのではないでしょうか。「君と歩いた青春」とか。

それにイルカさんの歌声が味わい深いですから鬼に金棒です。個人的には吉高由里子の映像と重ねて観ると完璧です。

僕のリアルタイムは80年代、90年代ですが、70年代の情感のある曲にはまりかけています。

 

 

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森山直太朗「茜」

2022-09-14 11:07:25 | 歌詞

さっきまでの通り雨が まるで嘘みたいに

青く澄み渡る空 君の悪戯かな

出会った頃も今日と同じ気まぐれな空だった

はしゃいで揺らぐ影 語らう声の調べ

思い出は笑みで埋まってゆくのに

心 伽藍堂のまま

何も恐れずに求めずに

君を信じられたなら

何より大切なもの 雲の間に間に

君は僕に教えてくれた

愛より確かなこと 千代に八千代に

茜 茜色に染まる空

 

何より大切なもの

茜 茜色に染まる空

今もこの胸に生きているから

 

これまでも「さくら」、今の季節なら少し過ぎましたが「夏の終わり」など多くの名曲を残してきた森山直太朗。そしてここに新たな名曲が加わったように思います。

それがこの「茜」です。

 

素直に受け取ってしまうと「僕」の彼女だった茜はもうこの世の人ではないと感じます。   

冒頭の「さっきまでの通り雨が、まるで嘘みたいに、晴れ渡る空。君の悪戯かな」

ここで茜が今は空にいることを暗示しています。

「はしゃいで揺らぐ影。語らう声の調べ」

この1行だけで僕と茜が付き合っていた頃を記しています。

また「思い出は笑みで埋まってゆくのに、心、伽藍堂のまま」 

少し難しいですけど、過去は美化されたり、増幅されたりする事はよくありますよね。そして君のいない今、心はからっぽだよ。おおよそ、こうした解釈になりますか。

「何より大切なもの、君は僕に教えてくれた。愛より確かなもの、茜、茜色に染まる空」

 

そして締めくくりに「今もこの胸に生きているから」。やはり茜は亡くなっていることが抽象的な言葉ながらも、よりはっきりと描かれています。

 

この優れた歌詞に美しいメロディ―が加わり、歌唱力抜群の直太郎さんが歌い上げるのですから、贅沢な作品です。

 

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森七菜「スマイル」

2022-06-27 11:04:48 | 歌詞

いつでもスマイルしようね

とんでもないことが起きてもさぁ

可愛くスマイルしててね

なんでもない顔して出かけりゃいいのさ

ねぇ笑ってくれよ キミは悪くないよ

ねぇ笑ってくれよ さっきまでの調子でyeah

 

いつでもスマイルしててね

深刻ぶった女はキレイじゃないから

すぐスマイルするべきだ

子供じゃないならね

 

もうすぐだね あと少しだね

その時の笑顔がすべてをチャラにするさ

もうすぐだね 長かったね

早くスマイルの彼女を見せたい

 

可愛くスマイルしててね

人間なんかそれほどキレイじゃないから

すぐスマイルするべきだ

子供じゃないならね

 

最近、この曲をよく聞いています。森七菜の可愛さはクセになる。中毒性があるといってもいいくらいに。広く知られるようになったのは少し前のCMですが、曲自体はホフディランというグループが25年程前に作って、自ら歌っていました。埋もれていた名曲を森七菜が世の中に引き上げたのです。

 

確かに曲の出来はいいんです。曲調は明るく、モリナナスマイルでさらにまぶしくなります。

歌詞も深い部分があって、「深刻ぶった女はキレイじゃないから」とか「人間なんかそれほどキレイじゃないから」とか。そのあとに七菜ちゃんが「すぐスマイルするべきだ」とスマイル至上主義者になり、「子供じゃないならね」とあどけない顔で付け加えます。

 

森七菜は可愛いだけでなく、表現力が高いです。ジュエリーの宣伝のための短編ドラマに主演していて、セリフは少ないのですが何度も見返してしまいます。

 

ソロアイドルが絶滅したと言われて久しいですが、いるじゃないですか。森七菜というスーパーアイドルが。スマイルの再生回数は凄いですからね。昔とは形を変えながらも、ソロアイドルは今後も生まれていくのかも知れません。

森七菜さんにはこれからも眩しいスマイルを忘れずに、頑張ってもらいたいです。

 

 

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チューリップ「虹とスニーカーの頃」

2022-06-06 10:48:14 | 歌詞

昔、担任だった女の先生が「チューリップというバントが好きだった」と言ったのを覚えている。僕は今風にいえば当時流行っていた「チェッカーズの劣化版」のようにとらえていた。僕はただ無知だった。

 

わがままは男の罪

それを許さないのは女の罪

若かった何もかもが

あのスニーカーはもう捨てたかい 

白いスニーカー汚さないように

裸足で雨の中、僕らは歩いた

びしょびしょぬれのトレーナーが

乾くまで抱き合った夏の昼下がり

わがままは男の罪

それを許さないのは女の罪

若かった何もかもが

あのスニーカーはもう捨てたかい

 

つかみのインパクトが強いですね。

「わがままは男の罪、それを許さないのは女の罪」。昔の話と一蹴することもできるけれども、現在も女性が求める結婚条件に男性の年収がかなりのウエートを占めていることからも、この歌詞はいまだに一理あるとも言えます。

「白いスニーカー」というアイテムが青春の象徴として描かれています。だからこそ激しい雨が降れば、スニーカーを脱いで冷たさに耐えた。青春を守ろうとした。

歌詞の最後に「あのスニーカーはもう捨てたかい」はそのままの意味と、まだ青春は心の隅にあるかの問いにも聞こえます。

 

武田鉄矢さんが若い頃、チューリップ、特に財津和夫さんにライバル意識を持っていたと語っていたことがありました。

「今にして思えば酒場の酔っぱらいがモーツァルトに絡んでいたようなものだけどね」

武田さんの言葉が財津和夫の才能を雄弁に物語っています。

 

 

 

 

 

 

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森山直太朗「生きとし生けるものへ」

2022-04-25 10:34:15 | 歌詞

やがて涙は乾くとて

風に吹かれちゃいられない

僕は君が思うような人間じゃない

そうさそんな人間じゃない

 

どうにかなるさとおどけても

どうにもならないことがある

これじゃまるでピエロか占い師

子らのほおった御影石

 

たかが言葉と嘯けど

されど言葉の摩訶不思議

かつて猿が手にした玉手箱

箱の中には何がある

 

嘘と誠の化かし合い

それを眺める天の邪鬼

何処もかしこも言うなれば極楽と

数の足りない七並べ

 

朝焼けは闇の向こう 真実は悲しいほど勝手なもんさ

生きとし生ける全てのものへ 注ぐ光と影

花は枯れ大地はひび割れる そこに雨が降るのだろう

 

僕は君が思うような人間じゃない

そうさそんな人間じゃない

もはや僕は人間じゃない

 

2004年のドラマ「愛し君へ」主題歌。森山直太朗と言えば「さくら」。さくらが正統派の美しい名曲ならば、「生きとし生けるものへ」は歌詞からしても凄みのある個人的にはさくらと並び立つ代表曲だと思います。この曲には渾身、力作という言葉が似合います。

 

「どうにかなるさとおどけても、どうにもならないことがある」

その通りですね。

「かつて猿が手にした玉手箱、箱の中には何がある」

これは深い。玉手箱には二足歩行から言語の獲得。そして核兵器やAIが含まれていて、まだこの先、何があるのか分からない。しかし、猿は開けてしまった。

「生きとし生けるものへ、注ぐ光と影 花は枯れ大地はひび割れる そこに雨が降るのだろう」

この壮大な歌詞のあとに

「僕は君が思うような人間じゃない、そうさそんな人間じゃない。僕はもはや人間じゃない」と自分ごとが連なります。緩急が見事です。

 

最後の「僕はもはや人間じゃない」という歌詞ですが、これは確か太宰治の「人間失格」のクライマックスでほぼこのままの言葉が書かれています。直太郎さんも人間失格に強い思い入れがあったことがうかがえます。

 

やや難解ながら深みのある歌詞、壮大なメロディー、そして圧倒的な歌唱力。森山直太朗は天才です。

 

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