ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井聡太、朝日杯連覇

2019-02-17 19:19:49 | 将棋
藤井聡太七段が、朝日杯将棋オープン戦で2連覇を達成しました。去年の中学生での優勝ほどの驚きはありませんが、それでも全棋士参加の棋戦での快挙は凄いですね。まだ16歳、高校1年生ですから。

前年優勝のため、本戦シードでベスト16から登場した藤井七段は地元でのA級棋士相手の2局を得意の角換わりで圧倒。ベスト4に進出しました。そして迎えた昨日の準決勝の行方八段戦。腰の重い将棋を指す行方さんは角換わりを避けて矢倉に組みましたが、藤井君は苦も無くうまく対応しました。120手で藤井君が危なげなく勝ち進みました。

休憩を挟んで、午後から行われた決勝の対戦相手は、昨期の不調から完全復活を果たした強敵、渡辺明棋王でした。中学生棋士同士、ファン待望のカードは渡辺さんが角換わりを避け、雁木という戦型になりました。じりじりと陣地を取り合うような将棋になりましたが、藤井君の駒が徐々に拠点を築きながら前進し、次第に渡辺さんを追い詰め、最後は4四龍という華麗な一手で事実上の勝負は決しました。いずれも後手番での勝利。相変わらず、振り駒運には見放されている藤井君ですが、そんなことはお構いなしとばかりに、次々と難敵を下しての連覇達成でした。

この段階までくると、そろそろタイトル獲得に本腰を入れたいところです。藤井君の実力に関しては、もはや説明不要なのですが、1つ課題を挙げるとしたら、時間の使い方だと思われます。時間を使い切り、秒読みに追われた時にやや不安があります。こないだの順位戦の近藤五段戦もその展開でした。朝日杯は持ち時間40分。この棋戦に相性がいいのは間違いないですから、朝日杯の時間の使い方を取り入れて、もう少し決断良く指せれば、終盤で時間を残すことにつながり、定評のある読みの精度もさらに上がることは間違いありません。

もう1つ見えてきた記録があります。中原16世名人の8割5分5厘という最高勝率記録です。昨日の2勝を加えた藤井七段の今期成績は40勝7敗、8割5分1厘。あと2連勝で記録を上回ります。しかしまだ3月末までありますから、最低でも5、6局は対局が組まれるでしょう。1度でも負けてしまうと難しい状況です。いかに藤井君といえども、そう何度も訪れるチャンスではないと思うので、ぜひ半世紀以上残っている偉大な記録を塗り替えてほしいところです。
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