王位戦第2局は激戦でした。将棋博士、豊島竜王に対し、中盤までは押されていた藤井王位。最終盤に彼本来の足腰の強さを見せ、勝利を手繰り寄せました。「終盤は才能」という言葉はまだ生きているようです。
1勝1敗となり、面白くなりました。個人的には豊島優位は動かしませんが。豊島さんの研究の深さには、藤井君も敵わないと思います。中盤まで離されずに、終盤で抜け出すしか藤井君の勝ちはないように思います。
さて、上記の二人に渡辺明名人を加えた20世永世名人争いですが、現在2期の渡辺さんが最も厳しいと思います。年齢的にも30代後半ですし、今後3連覇して一気にという道が現実的ですが、その前に藤井聡太が挑戦してくる可能性も充分あり得るので、藤井君を苦手としている渡辺さんは、やや苦しいかなという印象です。
ここに来て急浮上してきたのが豊島さんです。なんと言っても藤井君との相性の良さですね。名人戦に関わらず、タイトル戦で藤井君に勝てるとしたら、現時点では豊島さんしか思いつきません。現在は名人1期ですが、30才を過ぎたばかりでまだ若い。藤井聡太との関係性を維持できれば可能性はあります。
そして藤井君ですが、この人にはなってもらわないと困ります。谷川九段の最年少記録はともかく、22才ぐらいで名人になれば、まず永世名人はかなりの確率でいけるでしょう。あとは時期の問題です。20代のうちに永世名人の資格を得たいところです。それを阻む最右翼が豊島さん。
藤井君が豊島さんの壁を破れば、大山、中原に次ぐ大名人になれる可能性は高まります。しかし、豊島さんとの今の力関係が長く続くようだと、藤井時代は来ないかもしれない。後の世代に取って変わられる可能性もあります。よって、藤井豊島戦が未来の将棋界の鍵を握ると言っても過言ではありません。