ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

谷川浩司九段対深浦康市九段  谷川、執念の勝利

2022-01-13 11:02:43 | 将棋

昨日の将棋の順位戦B級2組の谷川浩司九段対深浦康市九段戦は163手で谷川九段が勝利しました。

 

この対局はライブ配信されていて、深夜0時前に決着がついたのですが、私もその瞬間を見届けました。

谷川さん、凄かったですね。往年の光速の寄せではなく、攻め将棋の谷川さんが、投了図では、攻撃力の最も高い竜を自陣に引き付けていたのが目を引きました。粘り強さに定評のある深浦さんも投了やむなしでした。谷川さんの昨日の戦いぶりは、同世代や老いを感じ始めた私のような下の世代にも勇気を与えてくれました。

 

この将棋を見る限り、谷川さんはかなりAIを使ったトレーニングをしていると感じました。谷川さんのようなベテラン棋士はAIを使うことに抵抗があったはずですが、それよりも勝ちたい思いが勝ったのでしょう。

 

A級から落ちた時は、「プライドの高い谷川は順位戦から撤退するだろう」と大半の人は思ったはずです。しかし、谷川さんはそれから8年たっても、まだ順位戦を戦い続けています。

谷川さんは確かにプライドの高い人だとは思います。ただ、その中身を多くの人は勘違いしているのだと思います。谷川さんがトップ棋士の時代はソフトなどないので、関東に移籍しなければ強くなれないと言われた時代でした。そこに追い打ちをかけるように阪神・淡路大震災。谷川さんの実家のお寺も全壊しました。多くの棋士が上京する中、谷川さんは関西を離れませんでした。それが谷川さんのプライドではないでしょうか。

 

今年の4月に谷川さんは還暦です。今をときめく藤井竜王とは40才離れています。先は長くないという諦観はあるでしょう。それでも時の流れにできる限り抗おうとする姿はそれはそれで美しい。

久しぶりに真剣勝負を戦う谷川さんを見ましたが、深夜にも関わらず、背筋の伸びた対局姿勢も相変わらず美しいものでした。

 

 

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