もしパニック障害にならなければ
いったい僕は何者になっていたのだろう
これまで何度も浮かんでいたことだが、運命と割り切っていた
割り切らなければ前には進めないから
あの頃、結婚するのは当たり前と思っていた
将来はまだ漠然としていた
それなりの大学に進学し
それなりの会社に就職する正攻法かもしれないし、何か明確なものを見つけ、それを追い求めたのだろうか?
様々な出会いがあっただろう
何度も機上の人にもなったろう
それでも結果は知りたくない
漠然としているから生きてこられたのだ
高校はそれまでの教育の延長で
僕は窮屈に感じていた
いよいよ卒業が近づき
すぐ先に眩しい光が見えた
その瞬間、思いもよらぬ深い暗闇の世界に堕ちた
皮肉にも早く老人になりたいという夢が生まれた