藤井王位の3勝1敗で迎えた第5局は藤井が挑戦者の豊島九段を下し、4勝1敗で防衛を果たしました。これで王位戦は3連覇です。
角換わりシリーズでした。最終局も角換わり。先手は豊島九段だったので、豊島さんが角換わりを選択したことになります。
1日目はAIでは互角ながら、実戦的には豊島さんが少し指しやすいようにも見えました。しかし、全体的には藤井さんの玉のバランス感覚が素晴らしく、豊島さんは藤井玉の急所が見えにくかったのかもしれません。
最後は飛車を切り、そして桂が跳ね、王手がかかったところで豊島さん投了となりました。この後は比較的、簡単な即詰みのため、ここが最も美しい投了図でした。
豊島さんもよく戦いました。去年は「藤井に将棋を壊された」とまで言われましたが、激戦の王位リーグを勝ち抜き、藤井さんと堂々と正攻法で挑みましたが及びませんでした。
藤井さんは20代のスタートをいい形で切りました。これでタイトル10期。タイトル登場回数も10期。タイトル戦無敵です。ずば抜けて高い終盤力に序中盤にも隙がなくなってきて、ますます安定感が増しています。藤井さんがどこまでタイトル戦を制し続けるのか、また誰が彼に立ちはだかるのか興味は尽きません。