さっきまでの通り雨が まるで嘘みたいに
青く澄み渡る空 君の悪戯かな
出会った頃も今日と同じ気まぐれな空だった
はしゃいで揺らぐ影 語らう声の調べ
思い出は笑みで埋まってゆくのに
心 伽藍堂のまま
何も恐れずに求めずに
君を信じられたなら
何より大切なもの 雲の間に間に
君は僕に教えてくれた
愛より確かなこと 千代に八千代に
茜 茜色に染まる空
何より大切なもの
茜 茜色に染まる空
今もこの胸に生きているから
これまでも「さくら」、今の季節なら少し過ぎましたが「夏の終わり」など多くの名曲を残してきた森山直太朗。そしてここに新たな名曲が加わったように思います。
それがこの「茜」です。
素直に受け取ってしまうと「僕」の彼女だった茜はもうこの世の人ではないと感じます。
冒頭の「さっきまでの通り雨が、まるで嘘みたいに、晴れ渡る空。君の悪戯かな」
ここで茜が今は空にいることを暗示しています。
「はしゃいで揺らぐ影。語らう声の調べ」
この1行だけで僕と茜が付き合っていた頃を記しています。
また「思い出は笑みで埋まってゆくのに、心、伽藍堂のまま」
少し難しいですけど、過去は美化されたり、増幅されたりする事はよくありますよね。そして君のいない今、心はからっぽだよ。おおよそ、こうした解釈になりますか。
「何より大切なもの、君は僕に教えてくれた。愛より確かなもの、茜、茜色に染まる空」
そして締めくくりに「今もこの胸に生きているから」。やはり茜は亡くなっていることが抽象的な言葉ながらも、よりはっきりと描かれています。
この優れた歌詞に美しいメロディ―が加わり、歌唱力抜群の直太郎さんが歌い上げるのですから、贅沢な作品です。