先日、里見香奈女流五冠は棋士編入試験で岡部四段に敗れ、2連敗となりました。5番勝負なので、あと一度負ければ不合格となります。
第1局の徳田四段は現時点で勝率1位と実力があり、仕方のない面はありました。しかし、第2局は勝っておきたかった。
実際、中盤以降は里見ペースになり、ここから出雲のイナズマ炸裂かという展開になりましたが、里見さんは自玉を固めることを優先させ、その結果、悪手を指してしまい逆転負けを喫しました。
例えばサッカーでもリードして終盤を迎えると、守りを固めて逃げ切るという戦法があります。僕はあまり好きではないですが、とにかくリードしたまま時間が過ぎ、終了のホイッスルが鳴れば勝ちになります。しかし将棋は時間が過ぎても何にもなりません。相手の玉を詰めて勝ちが確定します。
それを知り尽くしている里見さんが何故、一方的に守りに回ってしまったかといえば、やはりプレッシャーなのだと思います。プロ棋士は里見香奈の悲願なのでしょう。
第3局は後がありません。プロ棋士への挑戦は、これが彼女にとって最後になるかもしれません。ここは開き直って、里見香奈らしい切れ味鋭い将棋を指して欲しいものです。