社会の情勢からだろうか
先月まではイルミネーションは目に入らなかった
それでもこの時期になると
こじんまりした光があちこちに輝く
僕は北風から顔を背けるように歩く
かじかむ手はポケットにしまって
身体の線の細さは服の重ね着でカバーする
それでも心だけは今にも何処かに飛ばされそうで
人は孤独が多いほど
嘘のつき方が上手くなる
その場しのぎのマフラーで
自分の首を絞めていく
もう来年の話をしても誰も笑わない
笑わずに、それぞれの歩みで
遠慮気味にすれ違っている