藤井聡太竜王・名人は20日、王座戦トーナメント準々決勝で村田顕弘六段に94手で勝ちました。
それにしても危なかった。将棋としては藤井さん負けでしたね。しかし、勝負では勝ちました。奇跡の呼び水になったのは藤井竜王・名人の6四銀と指した奇手でした。凄い手でした。
AIはこの手を否定し、藤井さんの勝利確率を2%まで下げました。しかし、AIの最善手通りに指していたら藤井さんは負けていました。あの6四銀に村田六段は迷い、時間も切迫していて正確に指すことが出来ませんでした。
互いに1分将棋になってからの叩き合いの中、久し振りに鬼の藤井を見た思いでした。最後は時間のない中、25手詰めを見事に読み切り、大逆転勝利となり、八冠制覇に辛うじて望みを繋げました。
次戦の準決勝は予想通り羽生善治九段です。対村田戦のような内容では羽生さんには厳しいでしょう。藤井さんは快勝でも反省点を探すので、この日の将棋は彼にとって反省点だらけでしょう。羽生さんの巧みな序中盤に互角についていけるかが、勝負のカギになりそうです。