子供はみな天才だとよく耳にする
だとすれば天才のみならず
人そのものが悲しい存在になる
しかし、大抵の人間は自らの才能に気付かず大人になる
その方が幸せなのかもしれない
清原は一流なのに哀しい男
明菜は一流なのに哀しい女
彼らは20才過ぎにはすでに翳りを纏っていた
圧倒的なパフォーマンスの裏側で
キラキラした街に繰り出しても
むしろその光が闇を際立たせるのだ
僕の天才への観念が固まって、
長い年月が過ぎた頃
大谷翔平は出現した
登坂日にマウンドに上がり
それ以外の日は左打席に立ち
そして圧倒的なパフォーマンスを披露する
これまでの野球の常識を覆す青年だ
彼は本当に楽しそうだ
悲しみが見えない
彼の圧倒的な熱量が
ネガティブなものを溶かしてしまっているようだ
大谷、これからも頼んだよ
クレバーで勇敢な投手でいてほしい
豪快なホームランを打ち続けてほしい
そして何よりも楽しくプレーしてほしい