ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

歩み

2023-04-14 12:30:18 | 

何か思い残したことがあるかのように

ここ数日、細々と降り続けた春雨は朝に止み

柔らかく暖かな光が降り注ぐ

 

人々の速度も様々だ

雨の痕跡の残る歩道を

長身の若い男が強く推進する 

彼に追い抜かれた女子高生は

スマホを手に遅々として進まない

ジャージ姿に運動靴の年配者は大きく腕を振り

背を丸めてカートを押す老婆とすれ違った

 

僕も随分と歩いてきた

無理にでも足を前に進めて

時にへたり込み仰いだ空の青さ

 

長く歩むほど

遠ざかる景色は美しく

長く生きるほど

人生の短さを知る

 

夕焼けは明と暗の橋渡しをこなしつつ

あてもなく街を照らしていた

 

 


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