五月雨は緑色
悲しくさせたよ
一人の午後は
作詞・作曲 村下孝蔵。1983年2月発売。オリコン最高位3位。
私が子供だったこともあり、「初恋」を歌う村下さんは公務員のように映りました。アーティストと言えば沢田研二のようなイメージを持っていましたから。しかし、時が進むにつれて村下さんの歌詞の美しさ、歌唱力も高く、真のアーティストであることが理解できるようになりました。若くして亡くなられたのが残念です。
冒頭の「五月雨は緑色」
今年は少し遅れていますが、梅雨のしとしと降る雨。後方の木々が雨を緑に染めているイメージを抱きます。
二番の入りも「夕映えはあんず色」。くっきりと季節や時間帯、また光景を聞き手に印象づけます。そうすることで、後に続く歌詞の物語性もより高く、深く刻まれる事になります。職人技ですね。
「放課後の校庭を走る君がいた」
私はてっきり、この少女は陸上部というイメージを持っていました。しかし、「実際のところはテニス部だった」とどこかで見聞きした覚えがあります。初恋は実らぬからこそ美しい。メロディーラインは今で言う昭和歌謡に分類されるでしょうが、普遍的な想いを見事に描いた「初恋」は長く後世に伝わっていくのだと思います。
放課後の校庭を走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸を離れない
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