にわか雨がバスケットからラグビーに移った
その雨の一粒になった僕は一方で
世界陸上が終わり、日陰に入った1人のランナーを気にしていた
田中希実は世界陸上の女子5000メートルで
従来の日本記録を大幅に上回る日本新で8位に入賞した
あれからわずか二週間
田中は世界最高峰、ダイヤモンドリーグの5000メートルに挑んだ
彼女はこのレースで強い光を放った
先頭グループは10人に満たない
田中も加わっているのだが
後方で小柄なため、姿を確認するのが難しい
グループはほとんどがアフリカ勢で構成されている
レースは終盤になり3人が抜け出した
田中は4番手だが少し離されている
ラスト一週
田中は3位に上がり、前の2人に追いついた
ケニアの選手が抜け出す
食らい付く田中
風よりも速く映った
結果は1位とわずか3秒差の3位
タイムは14分29秒18
自らが半月前に打ち立てた日本記録を
さらに8秒上回った
何よりも世界と、アフリカ勢と戦えると示したことに価値がある
田中の走りは見る者の心を揺さぶる
身を削り
青春を削り
ただひたすらに
いや、走ることこそが
田中希実の人生であり
青春のすべてなのかもしれない
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます