二月八日(月)曇りのち晴れ。
七時に起床。朝食は、「湯どうふ」にした。私は、湯どうふが好きである。でも、湯豆腐というと、最近は「寄せ鍋」と区別出来ないような、具たっぷりのものが主流だが、私は土鍋には「とうふ」しか入れない。白菜など、他のものを入れると、とうふに妙に味がついて嫌なのである。
札幌の社友、石澤博文君が、定期的に送ってくれる上等な「利尻昆布」を、前の晩から水に浸してじっくり出汁をとる。入れる野菜は大根を一欠けのみ。なぜか切った大根を入れると、豆腐がふっくらするから不思議だ。昆布は沸騰する前に出してしまう。豆腐も煮てはいけない。中が暖まる程度で良い。
しかし、幾ら上等な豆腐を入れても、また良い昆布で出汁をとっても、醤油が駄目だと、どうしようもない。伊勢原は大山に「豆腐料理」の店が随分あるが、残念なことに醤油が駄目だ。豆腐にこだわるならば、なぜ醤油や鰹節にこだわらないのか良く分からん。恐らく、酒を飲めない人が作っているのかもしれない。
わが家は、それほど高くはないが、ヒゲタの「減塩本膳」か、イリショウというメーカーの「澪つくし」というものをもう十年以上使っている。それぞれ、お中元などで頂いた物だが、なくなると自分で頼むようにしている。鰹節は、もちろん自分で削る、「削り節」。あとは、ネギのみじん切りか、たっぷりの「青のり」。朝から、家族で、湯豆腐の鍋を囲み、フウフウやりながら食べるのも、しばし団欒の一時で、会話が弾んでいい。是非、朝食に、湯豆腐をお試しあれ。安くていいですよ。
また上等な豆腐は、醤油を使わずに、岩塩で食べるとめちゃくちゃ上手いが、中々そんな豆腐にめぐり合う機会もなくなった。
八時を過ぎると、家にいるのは私一人。午後から、某週刊誌の取材が入っていたので事務所へ。五時に帰宅。帰りしなにスーパーを覘いたら、鳥肉のセールを行なっていたので、買って、夜は水炊きにした。散々迷った挙句に思い切って「伊佐美」の封を切った。最近、会っていない酒友のマークや、弘明寺のM田君、郡山のS間君、岐阜の細川先生や、社友の人たちの顔が脳裏に浮かんだが、美味い焼酎を一人で飲む後ろめたさに、スマン、スマン、オスマン・トルコと三回謝って、ふふふ、もう四合も飲んだ。
そういえば、自宅に帰る前に寄った、ブックオフで、「MJQ」の名曲、「ジャンゴ」の入っているライブ盤のCDが、なんと三百円で売っていた。何という僥倖。仲間由紀惠をナンパしたのと同じくらいの嬉しさに、思わずニンマリした。
レコードでしか持っていなかったので、CDは嬉しかった。今、そのMJQのアルバムを聴きながら、「伊佐美」を一人で飲んでいます。ミルト・ジャクソンのビブラフォンがいいナァー。何という贅沢だろうか・・・。