4月9日(土)晴れ。
小山俊樹氏の『五・一五事件ー海軍青年将校たちの「昭和維新」』(中央公論新社)を読んでいる。これまでに「血盟団事件」「5・15事件」「2・26事件」といったいわゆる「昭和維新運動関係」の本は自分なりに随分読んだし、集めても来た。しかし、あらためて復習のつもりで小山氏の本を読んで、目からうろこ、本当に勉強になった。また驚いたのは、その本を書くために参考にした5・15事件関係の本の数が膨大なのである。それをデーターベース化して、昭和維新運動を研究しようと思う人たちの誰もが見られるようにしたらと思った次第。
5・15事件の翌日、陸相官邸に赴いた菅波、村中、朝山、栗原、大蔵らの五人の青年将校が永田鉄山少将と出くわす。永田は青年将校に対して「士官候補生を使嗾(しそう=そそのかす)してやらせたのはお前たちだろう。なぜお前達も一緒にやらぬか、お前達は卑怯者だ」。と罵られる。永田は、陸軍士官学校を首席、陸軍大学を2番で卒業したのち参謀本部第2部長、歩兵第1旅団長などを歴任した。軍政家として本流を歩み「将来の陸軍大臣」「陸軍に永田あり」「永田の前に永田なく、永田の後に永田なし」]と評される秀才だったが、2・26事件の前年、相沢三郎中佐によって惨殺される。その遠因がこの日にあったのではないかと思った次第。是非ご一読を。