2月2日(木)晴れ。
野村先生が監修した映画『斬殺せよー切なきもの、それは愛』の担当プロデューサーで、先年お亡くなりになられた柴垣達郎氏が、生前に「私が持っていても宝の持ち腐れだから、君に贈呈します」と言われ、頂いたのが、柴垣氏のご尊父、柴垣隆氏が昭和28年に行った宮崎滔天・民蔵・孫文追悼集会である。その折に、熊本の柴垣邸(大凡荘)での記念写真と、その人たちの「寄せ書き」を掛け軸にしたものである。その掛け軸と言うのが、横が一メートル五十、縦が二メートルでふすま一枚程度の大幅である。大きすぎて我が家では飾るところがない。
写真を見ると、写っている方は六十七名。右翼・民族派の錚錚たる人たちや、政財界の方、保田與重郎や日本浪漫派の人、あるいは中国国民党の要人の方などである。例えば、血盟団事件関係では井上日召、小沼正。浜口雄幸を東京駅にて狙撃した佐郷屋嘉昭。神兵隊事件関係の鈴木善一、中村武彦、影山正治、高橋梅雄、毛呂清輝。玄洋社関係では岩崎茂成、柴田麟次郎や後に福岡市長となった進藤一馬。その他、熊本日日新聞の社長、熊本県議会議長。宮崎滔天のご子息の龍介と滔天の甥の宮崎眞英。中国国民党関係では、陳中孚、韓雪階、趙雲鶴。(敬称略)といった人たち。
また、写真には写っていないが、宮崎滔天のご子息の宮崎龍介氏の奥さんで、歌人の柳原白蓮の寄せ書きもある。しかし、どうしても判明の出来ない方が幾人かいるのが残念である。その写真に写っている方で、現在ご存命の方は皆無である。掛け軸をご寄贈頂いた柴垣氏も亡くなられた。しかし物言わぬ写真と寄せ書きではあるが、戦前から戦後にかけての貴重な維新運動史を象徴する一級の資料であると思っている。
花房東洋先輩のご尽力により今年の五月に岐阜の護国神社内に建設し、開館する「青年日本の歌史料館」に寄贈するつもりでいる。しかし、何せ大きなものなのでいつ送ろうかと頭を悩ましている。