9月6日(月)雨。
雨か・・・。早々と厚手の毛布を出した。これからイッキに秋が深まって行くのだろうか。野村先生の句集『銀河蒼茫』の「秋の句」の最初は、「まためぐる秋のさみしさ 天の濃さ」である。来月は「群青忌」である。緊急事態宣言下、これまでのように遠来の同憂、同志、社友皆さんと一堂に会することが出来るのだろうか。大変な時代になったものだ。
歯医者の帰りにランドマークタワーにある書店に行った。何かを買おうという気もなく、加えて不如意なこともあり、単に書籍浴程度に背表紙を目で追っていた。ノンフィクションのコーナーに、背のすらりとした細身のロン毛のおオネエさんが棚から本を手に取ってみている。フラフラっと吸い込まれるように近くに行って同じように本棚に目をやれば、『中国くいしんぼう辞典』(催岱遠著・みすず書房)と『作家の手料理』(野村麻里編・平凡社)の二冊と目があった。お腹が空いているせいもあって、しばらく立ち読みしていると、気が付けば美人?のオネエさんは消えており、二冊の本が「ネェ買って、買って」とささやいているような気がして、思想信条を忘れて二冊を衝動買いした。
最近は、なぜか政治的な本を読むのが苦痛になっている。勉強の為と言うよりも単に楽しみのために読む方が多くなった。まあ言い訳をさせてもらえば、「楽しみで読んでいる本が、いつか『たしなみ』に代わるようにと思っている。
夜は、カツオのたたき、おでんを肴に、酔狂亭にて独酌。