なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血便、膵炎

2013年02月02日 | Weblog

 今日土曜日は大学病院の医師(循環器科)が内科の日直当直に来ていた。68歳男性が血便が続いて受診したという。以前にも大腸憩室出血で入院していた。そのごもあったらしいが、血液検査で異常が出たことはなかった。今回はHbがふだんの13g/dl(といっても一番最近は8か月前のデータだが)から10g/dlに下がっていた。点滴するともっとさがるはずで、明日の値によっては輸血が必要になるかもしれない。今日の腹部CTでも大腸に腫瘍や虚血性腸炎の所見はなく、上行結腸に多発性憩室を認めた。

 59歳男性は一昨日から心窩部痛があり、昨日かかりつけのクリニックを受診して、今日再受診してから腹膜炎疑いで党員の救急外来(外科系)に紹介された。血液検査と腹部CTで膵炎だった。膵頭部に石灰化(膵石)が数個あり、若いころは日本酒一升飲んでいたというアルコール多飲者で、アルコール性慢性膵炎の急性増悪と診断された。膵炎の腹部所見は腹膜炎と区別がつかない。心窩部痛は昨日よりは少しいいという。2週間前に飲んで、その後は飲んでいないというが、どうだろうか。γGTPが500と高く、AST・ALTはAST優位に高いがそれほどの値ではない。アルコール性肝障害のパターンを呈している。胆石膵炎との鑑別だが、MRCPで総胆管は拡張しておらず、総胆管結石はなかった。むしろ膵内胆管は全周性に細い印象がある。線維化した膵臓に圧迫されている。膵体部から尾部の主膵管は拡張していた。8年前の急性膵炎で入院していた。上記の憩室出血の患者さんとこの患者さんを入院で担当したのは同じ先生だった(5年前に退職)。

 

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