基幹病院呼吸器科に誤嚥性肺炎入院した77歳男性は、食事開始で再度誤嚥性肺炎になり、経口摂取は中止となった。認知症で介護していた家族は特に経管栄養を希望せず、末梢からの点滴で経過をみることに同意した。長く入院させられないので、当院内科に紹介されて転院してきた。改めて家族に聞いてみると、点滴で経過をみて看取ってもらっていいという。あっさりした対応なのは、認知症の介護で苦労してきたためだろうか。
2週間ほど点滴をしながら経過をみていたが、少なくとも食事をしなければ肺炎は起こさなかった。食事がほしいというパフォーマンスもなく、会話も通じなかった。飲み込めるような気がして、今週初めから昼にだけゼリー食を出してみた。嚥下は多少怪しいが、何とか飲み込めた。ムースのようなソフト食にしてみようということになった。家族はそのまま病院に最期まで置いてもらえると思っている。ものすごくうまくいって食事摂取できるようになっても、施設入所の話をするとかえって迷惑がるかもしれない。結局食事を勧めていくうちに誤嚥性肺炎になるような気もする。でも、なんとか経口摂取をさせたいという方針は間違っていないと思う。まずやってみよう。