70歳台女性が早朝から呼吸困難となり、救急要請した。搬入されたのは午前8時で、昨日の当直だった大学からの応援医師が診察した。搬入時には呼吸困難はすでに軽減していて、酸素飽和度も98%(室内気)だった。引き継いで診察すると喘鳴が聴取された。喘息発作のようだ。
10年以上前から時々、特に夜間から早朝にかけて咳と喘鳴があったそうだ。以前住んでいたところの病院で吸入薬をもらって使用していた。しばらく使用してなかったので、今朝は捜しても見つからなかったという。数日前から感冒症状(咽頭痛・咳)があり、発熱は気づかなかったそうだ(搬入時は発熱なし)。ネブライザーとネオフィリン・デカドロンの点滴で喘鳴は軽快したので、外来治療で経過をみることにした。胸部X線で肺炎はなく、明らかな気腫性変化もなかった。血液検査で好酸球増加は認めず、炎症反応の上昇もなかった。10年前まで喫煙していたが、その後は禁煙している。咳や喘鳴で受診した際に、医師から禁煙を指示されてやめたものと思われる。心音・心電図は正常で、BNPは正常域だった。心臓喘息ではない。
いつものようにプレドニン30mg/日を明日から3日間内服として、吸入ステロイド(シムビコート)とテオドール内服を開始した。3日後に再受診の予約をした。もし今晩から明日の早朝にかけて喘鳴・呼吸苦がひどければ、明日また来てくださいと伝えた。